田舎修理工場都会へ 筑波参戦!







少し前に某所で修理したんですが、調子が以前より悪くなって

・・・始動しないかもしれません・・・・。

今日入庫させたいのですが、其処まで到達できるかどうか・・・。
ワン・ダバダバな?円盤の?恐怖!!




止まったら、引き上げに来てくださいね・・! 

あっ・・・ついでに車検整備も宜しく!



以前から、お取引のあるお客さん、 “謎の伝言”を残して・・・電話を切りました。






このお客さんだけでなく、ロータリー車の修理は断っていました。・・・理由は整備経験が希薄な為です。

一般的な10A,12Aとか13Bは、車検整備や定期点検以外では全くの“未知の世界”

バブル全盛の後期あたりに、20Bの3ローター・コスモは中古車業者さんからの依頼等で、
3機ほど、O/Hの実績はあるのですが、一般的なトラブルシュート(故障探査)の経験は、殆ど・・・ありません。

後姿は紛れも無い?“宇宙を漂う円盤”のフォルム!
U・F・O!(ヤキソバじゃねぇ〜ヨ!)

出入りするお客さんや、業者さん達・・・
ある年齢以上の方々が 必ず?“口ずさむフレーズ” は・・・


ワン・ダバダバ、ワン・ダバダバ〜


18歳で免許を取得。 初めて<公道>に出たのは、オヤジの マツダ・Capela 12A


たびたび、“飲み屋”へ向かえに行かされたよなぁ〜・・・そんなに遠くないのに・・・。
店へ行くと、いい物ばっかり食わしてくれたよな〜・・・ねーちゃんとオバサンの境界線の人たち・・・。

子供が免許を取った歳になって・・理解できる感情。免許取立てのガキに自分の車を乗せる気持ち・・。


まぁ〜コレも何かの因縁・・・・嫌いじゃぁ〜ないんだよなぁ〜ロータリー・・・
トヨタの専門学校の実習室でバラして組上げた、2ディストリビューターの10Aエンジン・・・懐かしいなぁ〜


難航するであろう? 「旧車修理の深みに陥る予感」 を経理上?は・・ヒシヒシ感じながら・・・

既に・・・情が移って・・・   ・・・


“ロータリー四十七士”・・の残像


コスモスポーツ 作業開始です!




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朝工場に入ると、コスモ スポーツ の姿が、4柱リフト上にあります。

最近、間違いなく?着実に!ボケが進行中・・・近い記憶から?順番に消去?されていきます↓

「あれっ・・コスモ?・・なんでここに?」・・・って具合に100%思えれば、幸せな仕事なんですが・・。


・・・なんて・・・ボケつつある脳細胞を酷使! 「現実逃避・出来ない現実↓」・・・を背に、


ワン・ダバダバ2   スタート・シグナル Green・・・点灯!


このページもホンダS600同様に、

<ユーザー連絡形式>を採用させて戴きます。
なにしろ、長期化の予感が・・・ひしひし!・・・

やっぱり、オーナー報告用に最適!
・・・納期遅延の言い訳・・・もなるし・・・!


ちなみに、この “ワンダバダバ〜” のリズム・・・作業に気合が入ってくると・・・
何度も何度も、繰り返し、繰り返し、口ずさんでいると・・・低い声の連続音が・・・・

まるで、お坊さんのお経!・・・耳の奥に残存して、頭脳内部に響き渡ります。

コレも間違いなく、ある種の・・・ 洗脳の音源?!






ワン・ダバダバ・・・Part1


エンジン始動不良、加速不良、全開以外のアクセルのレスポンスが悪い・・・の修理内容です。


点火系の問題点はこの“1本のボルト”でした。

トレーリング側のディストリビューターが、エアコン・コンプレッサーの、このボルトに接触します。
社外品のコンプレッサー取り付けステーかも知れません?・・何せ作業経験が少ないので・・(汗)

入庫した状態で、点火タイミングは、T側・L側 共に正規の状態でしたが、
T側ディスビがこのボルトに接触する為、コンタクトポイントの隙間を、規定値の3倍程度まで広げて調整した感じです。

この状態だと、ポイント閉じ・時間が極端に短く、余程、条件のよい状態以外では、適正な火花は望めません。
ディスビ下部のギアを1歯移動して回避しまたが、ローターとボデーの関係がずれて、うまくいきません。

90度・180度・・と・・変換すれば、うまくいきそうな感じ!ですが

バキュームアドバンサー(黄○)、その他が他の部分に接触して

この方法も問題があります。

前映像の赤○内のボルトの頭の部分を、旋盤で5mm程削って、ディスビの移動範囲を大きくしました。(写真は削った後の映像)
この折、コンタクトポイントの磨耗が激しかったので、T側・L側 共に交換しました。

「正規のポイントギャップ」で、「正規の点火タイミング」が可能 ・・・になりました!!

この作業を終えて、翌朝始動しましたが、始動不良はかなり良くはなっていますが・・イマイチ?です↓
始動後のレスポンスや、ハーフスロットルの感じはかなり良い・・・のですが、他にまだ問題が有りそうです。

前回の作業でリーディング側コイルが交換してあり、
「外部抵抗(黄○)付き」 通称・GTコイルになっています。

この頃の車両は、セルモーター回転時かなり電圧降下があります。
コレを補う為に外部抵抗を始動時のみバイパスする回路
・・・を付加えるのが当時の常套手段です。

リレー(赤○)が、その役目をしています。


遠視気味の目を酷使しながら?配線をたどっていくと、
GTコイル側が直接電源が加わって、普通のコイルに外部抵抗が付加されています。・・・どうも、誤配線の様です。

更に、翌朝始動を試みましたが、更に良くは?なっているのですが、イマイチX1/2?です↓


チョークを強く引いている際、エンジン回転(ファーストアイドル)が殆ど上がりません。
旧い資料を引っ張り出して、キャブの調整値を検討しましたが、チョーク全閉時にスロットルバルブ10度程度開!=正規・・です。

作業中に チョークバルブのフォロワースプリング 
過度に?引っ張ってあるのを発見しました!

このクモの糸のような細いスプリングは、細くて“どうでもいい〜ですよ〜”(だいたひかる?)な感じがしますが、
始動時に重要な役割が有ります。(いらねぇ〜物は・・ねぇ〜!!・・・当然!?)

下の映像の様に、チョーク全閉時に指で押さえるとパコパコ動きますが、この「パコパコ具合」が重要な要素です。

始動直後、このスプリングが硬いと、オーバーチョーク気味になり、チョークを引く動作に“必殺ワザ”を要求されます!

始動直後に始動温度の合わせて一定量「サッとチョークを戻すテクニック」です!

オートバイも含めて、昭和30〜40年代・旧車の固定チョークバルブの定番動作ですが、
極端な職人技は「クモ糸スプリング」のおかげで、この年式では既に?一般的では(笑)ありません!

さらに昭和50年代に入ると、始動直後の安定性を保つ為に、僅かなタイムラグをおいて
チョークブレーカーが作動して、強制的にチョークバルブは一定角度、戻されます。

反面、構造的過渡期にある、この“クモ糸スプリング”の柔らかさは、かなり経験的な設定が要求されます!
弱いスプリングだから、かなり微妙な、且つ地域的始動環境(寒冷地・温暖地域)も考慮する必要あり!
不必要な調整=難・難・難・何?・・・のケースです。

パコパコ具合・・指先は覚えていません↓

私・・・・ロータリーエンジンは避けていました!

当然ですが、このスプリングの調整基準値なんて、残ってはいません。基本的に製作メーカー以外必要が無い?

冷間・始動時の回転数の状態から割出して、<逆説的調整>を試みました!

エンジン本体を完全に冷却する必要があり、チャンスは1日一回!!(2週間を要しました↓)
チョークを引いた具合と回転数の状況から、このスプリングのパコパコ具合を再設定しました。

いい加減な体感的評価ですが、2000cc・レシプロエンジンより、レートが弱い感じです。
多分、ロータリーの吸気サイクルでは、始動時の吸気流入量が、少ないのでは?・・・と感じています。

コイルコードをコンプレッサー上部を束ねて通してあったので、
ボンネットとの間で干渉があります。

この際、コイルコードや、点火系配線周りを一気に?作製しました!
(外部抵抗バイパスリレーも交換しました。)




オジサン趣味で、ビジュアル的に?

「派手さに欠ける点」は・・・・・・否定できません・・・↓



それでも・・・このコスモ・ロータリーは冷間始動の方法に独特の作法を要します。
「アクセルほぼ全開・チョーク全閉の組み合わせ」以外では、初爆がありません。

18歳の頃初めて乗ったカペラ・ロータリーでは、チョークを使った記憶がないので、(自動チョークが採用されていた?)

この始動の際の作法について、コレが正解なのか?異常なのか?
ウンウン唸って考えましたが、これ以上の故障箇所が発見できません。



・・・現オーナーか当時の整備関係者の方以外では判定が出来ない・・・・・と言う事にやっと(遅↓)気付き、

知らぬ間に「パソコン恐怖症・オジサン修理工」・・・の教祖様?になってしまった!
・・・IT文明開化の利器・・・・Internet Explorer に頼って、

・・・コスモスポーツ・オーナーズクラブのBBSへ・・・。


詳細な情報を戴いた “ひでさん” のホームページです。

当然?ご本人とは面識がありませんが、自動車整備関係のお仕事ならではの“感覚”で、
有用な情報を多数戴きました。(後期型の車両配線図・・・・ありがとうございました!)

2サイクルが中途半端に?嫌いな?田舎オヤジ!・・ですが、今後とも宜しくお願いします!



どうも他のオーナーの方も、こういう作法(始動要領)を 多少なりとも?実施している様です。

この冷間始動の作法をクリアすれば、暖機後のレスポンスや、安定性は、改善しています。


「エンジンの始動性、と加速不良の件」は今回、この状態で、作業終了とさせて戴きます。






ワン・ダバダバ・・・Part2

ウインカー、ブレーキランプ、その他電気系統異常多発・・・の修理内容です。


まずウインカーの点灯不良の件です。

コスモだけでなく、昭和46年以前の車両は、
の後部ランプを、ブレーキ と ウインカー に共用しています。

(ホンダS600や、46年式のセリカ・カリーナ等、“赤テールのみ車両”は同じ)

ブレーキを踏んで、左右が点灯している状況で、ウインカーを出す!・・の条件下では、
簡単な配線?では、ウインカーが点滅しません。コレをうまく作動させる為に、

ウインカーS/W内部で、ウインカーの信号 と ブレーキの信号 を “機械的に振り分ける構造” になっています。


この狭いディマーS/W内部で、ブレーキの片側をウインカーに

毎日、毎回、一生懸命?切り替えているんです!

“赤・テール”車両で、「時々点灯不良」のウインカーのトラブルは

ほぼ?内部の切り替え接点の不良 が大半です(他社車両も!)・・・が今回、ディマーS/Wが新品に交換してあります。

いままでの整備の経緯は判りませんが、これまでの整備段階のどこかで交換した様です。


ウインカーリレーが他社製の物に換装されています。
この3ピン・・平形端子で接続していましたが、1ピンが、カシメ不良でした。

2ピンをL型のコネクターに交換、アースのみ平型で残しました。


(このリレー・・・懐かしいTOYOTA車の物?)

部品各部の交換状況や、整備状況から判断すると、以前、同じ場所の同じ故障作業を実施した?のかもしれません。

新品部品が残っていたんだ!・・・ラッキーだなぁ〜・・・。

・・・なんてのんびりしていましたが、この “新品部品” にイジメられて?しまいました!

ウインカーS/Wを入れたり、ハンドルを動かしたりすると、
ワイパーモーターや、ウオッシャーモーターが一瞬動く事があります。(当然そのS/Wを触っていません!)

コラムカバー取り付けネジ に 秘密? が隠されていました





この取り付けネジの先端が、
ワイパー・ウオッシャーS/Wの配線を押し込んで、

一部が接触!!




更に、その下に半分に切られた雌ネジが残っています!
 この鋭利な部分を介して配線どうしが接触!


金属部分を除去!

この新品のディマーS/Wは(多分ですが・・・汗↓)補給部品でも、後々に再生産された物で、
別の車両の物を基本に作られた物・・・ではないか?・・・と思っています。

ホンダS600の部品と同じく、“入手できるだけでも・・・ありがたい!”・・・って現状です!

事実、この部品自体を「作製する事」も当然ですが、一般的な整備や加工も難易度大!なので、
新品が入手できる事が・・・時間的にも(最終的には金銭的にも!)ホントにありがたい・・・のです!

部品供給に関して、この程度のトラブルは、寛容に、考えなければ、旧車は公道走行できません!!




なんて、自己洗脳をしたところで、このS/Wに・・・もう1点問題が・・・・・!・・・黙。

ウインカーキャンセル機能が右ウインカー点灯時のみ機能しません。

レバー右へ
 レバー左へ

右へウインカーを出した際に、黄線の隙間が大き過ぎて、
切り替えした際にキャンセルアームアンカーレバー十分に押す事が出来ずに、ウインカーレバーが右のみ、戻りません↓

デコボコ溝へボールが噛みこみ左右の停止位置が決められていて、調整の余裕は無し!

どうしようも無い!ので、黄○部分金具を取外し

厚さ1,2mmの
調整シムを貼り付け!

完成映像です!


細かい部品は、遠視が進行中の私にとって、大きなストレス蓄積作業です!

遠視メガネは・・・やっぱり↓・・・必需品?・・・ま〜だ、がんばる?ぞ!

この故障も、再生産された補給部品ならでは!事態ですが、


ホンダS600の部品と同じく、“入手できるだけでも・・・ありがたい!”・・・を忘れてはいけません!!!!!


コレまでの加工で、ネジ先端が強く接触する事はありませんが、

ドドメの1発!

ネジを最低限の長さにして、ウイズワッシャーボルトに交換!


この部分の作業終了。




次は、各部のヒューズ切れ修理です!



ヒューズ切れ<1>

走行中や、工場内移動中、あるいは、何かのスイッチを操作した際に、ヒューズが切れて、
メーター照明が全部!消え、水温計と油温計が停止・・・します。

コレがあまりに突発的に発生して、しかもヒューズ交換後、正常な状態に復帰するので、原因が掴めませんでした。

電流計をフューズホルダーに接続して、数日、やっと連続的にショート状態になり、発見しました。

このオイル・テンプゲージ(油温度計)の奥深くに?

故障箇所・発見!
       油温計の赤○配線が、
僅かに触れただけで、短絡状態・・・になります。     

ベークライトの絶縁を疑っていましたが
どうも様子が・・・違います!
            





「遠視の眼力」を酷使してよく見ると、

ユニット本体に欠損があります。



ゲージを分解すると、
経年変化とネジの締め付けの影響で
樹脂製のボデーが砕けていました。


電源側の先端が、ケースに接触して短絡しています。
右の赤○が、断続的にショートしてできた焦げ痕?です!

配線の「僅かな引っ張りや、振動」で “気まぐれに?短絡” ・・・していた様です。

割れやすい樹脂の補修は<一般的な接着剤>では無理があります。

“プラリペア”の製品名で用品屋さんで売られているこの粉末・・・
高価ですが・・・かなり優秀!!(溶剤は・・・歯医者さんの臭い!)

・・が・・・経年変化で劣化した割れやすい樹脂 には若干の工夫が必要です。

単純に割れた面のみプラリペアで充填・接着すると、
補修場所の素材が割れてしまう事と金属との接着面に不安がある為です。

舎工場方式で 「コレじゃぁ〜!」・・ってやり方ではありませんが、

まずハンダこてで元の位置関係が崩れない程度に
割れた部分を切り込む様にズル〜っと、溶かしてしまいます。
その上にプラリペアを盛って、硬化する前に、素材の樹脂とハンダこてで熱しながら、
境界面を無理やり?ギザギザにして混ぜ込んでしまいます。
(密着性を上げる為に樹脂専用の溶剤を遠慮なく金属との接触面に充填)


この場合、真ん中のネジのデコボコ部分まで到達するまで混ぜ込みます!
熱に拠る型崩れを避ける為に、数箇所に分けて実施。

強度を要する場所は、この段階で、熱した金属の小骨?を溶かし込みます。
(このメーターのこの部分は、電源ポイントですので入れませんでした!)
温度が下がって、更に硬化が終わったら、リューターやヤスリ等で整形して終わりです。
ついでに、ふらついていた?固定抵抗を固定?しました!

ケースとの絶縁を意識して整形しましたが

この場所も・・・キワドク? OKです!
 セキュリティ向上の為(笑)
「焦げ痕パッチ」・・・を当てました!


最後にメーターを叩きながら?
抵抗値を点検しましたが・・OKです!




田舎の夜は早い!・・・このあたりで?本日閉店です!







ヒューズ切れ<2>と・・・その他追加作業

メーターパネル本体に動作しないS/Wがあります。
  1)アンテナS/Wを入れると、しばらくしてヒューズ切れ。
  2)ホーンの切り替え機能(標準装備)が動作しない。

  3)更にこの位置に “後付けのS/Wで怪しい物”が・・・。
  4)最後期の型のみかも知れませんが、キー横の小さな突起は
  パーキングS/Wの様ですが、前後4灯とも不灯です。      
  (46年式の配線図には記載されていませんでした。)


その上、メーターパネルを外して作業を要する、数箇所の故障
・・・が発見されました。
5)空調関係のレバー3本が、「固着、あるいは空振り状態」で機能していない。
6)燃料ポンプが直接電源配線に接続されている。
7)ルームランプの動作がおかしい。(点灯しっぱなし か 不灯のどちらか!)
8)クーラーのコンプレッサーがONになると時々ヒューズ切れ。




これらの作業は、この時点で一気に!解決しないと、後々、再々度同じ作業を繰り返す事態になりがちです。

電源や、アース回路を「共有する運命」の自動車・電装回路は、
追加配線や、故障箇所の放置、や断線、の 不用意な組合わせ が原因で、

普通には考えられない様な・・・とんでもない動作をする場合があります。
自動車電装修理業の業界用語で、
 「回り込み」 って言います。



更に、正直なところ、このメーターパネル脱着は、非常に、非情に?・・・面倒ですので、
何度も、何度も、繰り返したくはありません!(ワガママ?)・・・・も本音です!




エンジンルームだけでも9箇所の後付配線があり、
メーターパネルや、トランク、外装部分を含めると、
数十箇所に及ぶ配線改修箇所があります。

これらは、その時々の作業者による苦心の作ですが、
今回のの電気配線不良を修復するのには、時間的・障害です。

中には、異常個所を捕捉しないで、バイパスしている物もあり、
それぞれ各部単独の修理対応に影響があり、苦慮します。

今回、後から装着した物、全て取り外して作業に掛ります!

元々の状態から修理する方法が、
最も判りやすいからです!・・・若年性・痴呆対策?(苦笑)




1)アンテナS/Wを入れると、しばらくしてヒューズ切れ。

アンテナを押し出すセンターワイヤーが折れている事が多いですが、
今回は状態が良く、モーター軸と巻き取り軸の固着と配線を復元して、
防水処理と給油をして再使用しました。
出口先端にも
防水キャップを着けました!




2)ホーンの切り替え機能(標準装備)が動作しない。

コスモスポーツは、高速走行用 と市街地走行用の2種の音色が選択できる様です。(配線図を見て初めて知りました!)
2個のホーンを使うか、1個のみで鳴らすか?の選択です。

グルグルまきのテープを取ってしまうと
配線をよじって2個のホーンを
一個のリレーで動作する様に加工してあります。
リレーを一個追加して、
ホーンの配線全てを復元します。
(追加リレーはマツダボンゴの物です。)


現在の車両法では、音色の変わるホーンは禁止されています。

チャラリラ〜チャラリラ〜対策?ですが、既得権が有り、コスモスポーツの場合は問題ないと思います(笑顔!)




3)ラジオ・横の “後付けのS/Wで怪しい物”があります・・・。

このスイッチはエンジンルームの「赤いユニット」に接続してあり、
ヘッドライトを点検していると、突然ヘッドライトが断続的点滅する事があります。
(メーターパネルの裏側でスイッチの配線が他の部分と接触していた!)

動作していませんでしたが、元々そういう機能のユニットの様です!
最初は・・・・時折、何の前ぶれも無くパッシングする!ので、

この年式で、盗難防止機能か!・・と・・ビックリ!!でした(笑)

このユニットと関係配線・S/ W等を取外し、

ヘッドライトケース内のテープぐるぐる巻きを開放して(笑)
よじり線部分(ライトのアース)を修復。

配線の酸化の為、各部のハンダ付け実施。

アースを分岐して
浸水しやすいヘッドライトケースを避け

エンジンルーム内に移動しました。




4)パーキングS/Wですが、前後4灯とも不灯でした。 

キーの横のこの小さなボタンはパーキングS/Wでした。
パネル裏側と車両4箇所の配線改修を、復元しました。

キーをONにした時、パーキングS/Wをリセットする構造で、

ひょっとしたら、S/Wを切り忘れた時の
バッテリー上がりを嫌って、配線を切った!

・・・のかも?しれません。





5)空調関係のレバー3本が、「固着、あるいは空振り状態」で機能していない。


←  内気・外気の切り替え部ですが、錆びて動きません。

給油後、動作する様になりましたが・・・

閉じの最後付近?がうまく 閉まりきらない感じ?です。

右映像は、切り替える時、パコン、パコン・・・と節度を出す?・・・

・・・為のスプリングですが・・・外れて無くなっていましたので、適当なスプリングで作製しました。
ターンオーバー・スプリング・・・とか言う名前だった様な記憶があります!(あいまい↓)



黄色のケース内部にDEFとROOMの切り替えダンパーが有りますが、固着して動きません。
(レバーはワイヤーのたるみの範囲内で動きますが・・・!)

無理やりレバーを動かして、ワイヤーが曲がっています。
切り替えダンパーの開き始めあたりに、引っかかりがあります。

黄○内の鉄板の合わせ面がサビで膨らんで引っかかっていました。
この付近を修正しました。

・・・少し強引ですが・・・凹ませて当たらない様に 矯正 しました!

ちなみに、このケース・・・の取外し要領・・・

狭い場所の特殊な形状の為、ハンドルポストを抜かければ、
出てくる隙間がありません!

作業の数時間中に?何度か、「途中で止めようか・・・↓」と思いました!

ケースを車両に組込んで、
変形したゴムダクトをバンドで固定しました。(風量・漏れ防止策です!)



次は、結果的?難関作業
ヒーターとファン速度調整レバーです!

SHUTと中央付近までが、ヒーター温度の調整(ヒーターバルブ開度)ですが、全く「手ごたえ」がありません。
中央からFANまでは、ファンの速度調整ですがコレも途中から動きません。

開度で流量を調整するヒーターバルブですが、この位置で固着しています。


ヒーターバルブはワイヤーを介さず
レバー・直接駆動構造ですが、固着の為、
レバーリンクから、外してありました。

コレが空振りの原因です。

この状態だと、冬期は水量が足りず、寒い!・・夏季は温水漏れで室内が暑い!・・・だったと思われます。






固着がひどく、加熱して分解します。







当然なんですが・・・


加熱したので、・・・

・・・バラバラです!

バルブの「噛みあい」を修正して

ハンダで再度、組み付けます。

ハンダのはみ出した部分を
バルブの動作を邪魔しないように研磨し、
意地になって?MAZDA純正のOリングを選択。

ヒータバルブ再生終了です!

この範囲がヒーター流量調整範囲です。

構造的にファンの風量調整は、ヒーターバルブ全開位置のみ!
DEF選択時はファンを回す必然性?があり、当然バルブ全開です。(夏季でも!)
温度調整範囲を選択した場合はFRESH=流入外気で暖房・・の構造です。

夏季は一番左にすると、室内に暖気が・・こもりません。

構造的に水温が低いと、ヒーターバルブの動きが重い!ので、できる限り?暖機後、ゆっくり動かしてください!
ヒーターモーターを長期間停止していたので、キリキリ音が出ていますが、普通の症状の場合
一定期間使用すると、音が消えます。(最低速回転では少し残ります。)

しばらく使用後、気になる様でしたら、モーターを交換(別車両の物と!・・・汗↓)します。

コントロールワイヤーの曲がりを修正後、内部を給油して組み付けました。

こんなところで、この工具(オートバイのワイヤー給油工具)を使うとは・・・・


・・・予想外でした!・・・(笑)





6)燃料ポンプが直接電源配線に接続されている。

今回初期の物と46年の物と配線図を入手しました。
右図は、46年式の物ですが、
フューエルポンプリレーが追加されています。

配線図上は?
赤黒の電源がリレーに入り、ポンプに供給されていますが、

実車では、4本の配線があり、

そのうち3本が、ポンプ直前に配置?

配線図でもコネクター形状(4線・3線)は表示されています・・・?
(現状ではこのリレーは常時ONになっている。)
その上、基本的な動作条件が・・全く不明です。


現在、車両燃料ポンプの配線はキーON状態で常時通電している状態(ヒューズから直接供給)
・・・に改修されています。(燃料ポンプも別車種の物です。)

現在動作中のポンプの配線で・・・何をグズグズ考えているか?・・・・

コスモスポーツの場合、黄○の位置に・・・

左に燃料フィルター  右に燃料ポンプ・・・が配置されています。

燃料タンクは、ご存知のとおり、トランクの床上です。

私、トヨタ・ディラーを退職後、数ヶ月、フラフラしていた?ら、自動車解体業の親方の強い薦め(ほぼ強制↑)
外車の電装品修理業の親分?の会社へ再就職。・・・がその際、親子ほど年の離れたオッチャンの先輩がいて・・・

このオッチャン・・・昭和20年頃から50年頃ままでいわゆる「高級車・稀少車の整備」をされていました。
「T型フォードのポイントが・・・ダットサンのラジエーターが・・どうの・・・」・・と、昼食時によく聞かされました!・・・が、

20代後半の私には全く実感のない話で・・・ウン、ウン、・・・が精一杯でした!




ところが・・・コスモスポーツの話題では・・・「気になる一言」を記憶しています。 それは、「炎上コスモ」の一言です。

年の差もあり、気軽になんでも教えてくれましたが、余程、辛い経験だったのか・・・その件は雄弁ではありませんでした。
当時のコスモの価格は160万あたり・・・(ホンダS600の2〜3台分)なので、購入層は想定可能です。




今回の新旧の配線図比較で、「オッチャンの一言」の一端・・・が判ったような気分になりました。

昭和40年代も後半になると、環境配慮=排気ガス規制 の対応に業界全体が“振り回されて”いましたが、
「非常時の安全対策」もメーカー、ユーザー共に意識せざる得ない時代背景でした。


今回のこの一言は“一個人の一経験 あるいは 狭い業種の隠語の一つ”かもしれません。

ちょうど、“交通戦争”なんて言葉が生まれてきた時代と記憶しています。


過渡期の車両だから・・・とはいえ・・・ “この年式で追加された機能” は今回、見過ごせない・・・と思います。





この車両の年式に相当する配線図や、燃料ポンプ周りの構造図等の資料を探しましたが、
・・・残念ですが、入手できませんでした。


対応策として、

2組のリレーと、2つのS/Wと
車両の油圧S/Wを利用して、


燃料ポンプリレー制御回路

・・・を構成しました。

セルモーターを回している時、燃料ポンプを駆動しますが、
基本的には、衝突時に燃料ポンプを停止する回路・機能です。

衝突時は、キャブレターから大量の燃料があふれ出して、エンジンが停止します。
同時に、エンジン本体の油圧が下がって、
オイルランプが点灯。
この油圧低下時、
燃料ポンプを停止します。

物騒な話なんですが、衝突時に意識があればキーが切れます!・・・・が気を失った際は有用です。
キャブレター車のポンプ制御は、点火信号が無い時はポンプを停止か、発電していない時はポンプを停止が常套手段ですが、
入手可能な新品部品で、点火方式がポイント式で、点火信号(点火回数)とマッチする物がありません。
一部のメーカーでは、ポンプ内部に制御回路を持った物もありますが、コレも不可でしす。
(基本的にコンタクトポイントがある車両は、軽四でも平成5年ごろまです。)

点火信号のあわない物を使うと、リレー本体に負荷がかかって壊れるケースや作動自体に問題があるので・・・

油圧S/Wの信号を使う=旧いホンダ方式を採用しました!

更にエンジンが停止しない小規模な衝突時で
運転者の意識が無い場合を考慮して、
回路中に イナーシャS/W を入れています。




その名のとおり慣性(=Inertia )
・・・を感知して、接点をON・OFFするS/Wです。


少し前の英国車には殆ど装備されていました。
(ジャガー・ミニ・MG・ローバースターリング・・等)



欠点が一つあります。縁石などに乗り上げて大きな衝撃が加わると、燃料供給を停止する場合ある・・事です。
この場合、イナーシャS/W頭部にリセットボタンがありますので、押せば復帰します。


ちょうど?ヘッドライトの点滅ユニットのS/Wを外した跡の穴が残っているので、その穴を利用して・・・

2種類の特殊な状況の為に
“ミサイルS/W”をつけています。
1)縁石等に乗上げたが、
燃料漏れの危険が無いのにイナーシャS/Wが動作した際、
当面の移動の為、燃料ポンプ停止を回避します。
2)長期停止等、久しぶりにエンジンを始動する場合、このS/Wを使うと、
油圧が上昇前にガソリンをキャブレターに送るので、
バッテリーが弱っている時などの始動の補助になります。


昭和48〜50年ごろのトヨタ車で、出始めのインジェクション(EFI)車には、
エマージェンシーS/W・・・の名称で装着されていましたが・・・機能的には殆ど同じです。

当然ですが、このS/Wを入れっぱなしにすると、燃料ポンプ停止機能が働きません!


赤いカバーを開けて、下から持上げる様に・ON 〜 カバーを上から押さえるだけでOFF・・・になります。



この “機能・構造のすべて” が今後、「無用の長物」となれば・・・当方は大満足です。






・・・なんて・・・僅かな満足感に浸っていると・・・・・

夜半になって、メータパネルを車両に組付けて終了。
・・・眠くなってきた時刻・・・

あくびをしながら?ライトS/Wを入れると・・

電流計の照明ランプが点灯しません!


不確かな記憶ですが・・・


“一から出直しますぅ〜・・”

・・・って演歌・・・あったよなぁ〜・・(眠)・(涙)



田舎の人間は「睡魔と寒暖の差」に弱い?

・・・このあたりで?本日閉店です!






7)ルームランプの動作がおかしい。(点灯しっぱなし か 不灯のどちらか!)

元々のS/Wの接点に問題があり、最近のマツダ車の部品と交換しましたが、
スイッチの飛び出し量が異なり、点灯位置がずれてしまいます。

左の様な、ナットと特殊なボルト(ステンレス製)を作製しました。




   ヒンジのこの部分に雌ネジを切って、


     裏にロックナットを取り付け。  





ルームランプの用途は、夜間に足元の照明になる事と、もう一点重要な機能があります。  半ドア・・・の警告です。

半ドア状態と、正規時のドア開閉角度の差は、ほんの僅か(角度で1度以下?) ですので、どうしても調整機能を必要とします。
スイッチ本体がネジになっている物はワッシャー等で調整できますが、この場合、反対側から調整!が、ON・OFFが確実です。




8)クーラーのコンプレッサーがONになると時々ヒューズ切れ。

 マグネットクラッチの配線がブッシュの劣化で、
被服が割れ、ボデー部と短絡しています。

被服の割れを奥に交わして、
耐油、耐温度性のシーラーで固定しています。

コンプレッサーのGas漏れも有るので、
次回の修理時までの暫定処置としました。

(シーズンの直前に注入すれば、1夏は使用可能かも?)




壊れていた純正ラジオを取外し、つまみのピッチが同じ物を取り付けました。
ダッシュを外した際のオマケの作業です!

周波数表示が窓枠に重なりますが、寛容に?許容願います!

スピーカーは、大出力の物と接続すると、ラジオのアンプが壊れ易いので、
ラジオにあわせたクラッシクな物?(=ホンダNU・360!のケース)を、
運転席後方・右端部に、ひっそり?マジックテープで止めています。

(ネジ止めするのは、若干、抵抗がありました!)


昭和40年代のの音がします!



田舎の人間は 入魂の?連続作業 には弱い!

・・・このあたりで?早くも?本日閉店です!





ダッシュボード周りとヒーターケース、エンジンルーム内と着手しましたが、
電装品の最終点検時・・・フューズ切れは収まった?様ですが・・・

電源が0Vになる事や、中途半端な電圧降下、配線各部の発熱が多発します。(特に各電装品を連続的に使用した際)

その殆どの原因がこのフューズBox付近に集中しています。

樹脂製のフタが無くなっている事と、経年変化で、
フューズを挟んでいる金属表面や・・・・

・・・配線を繋いでいる端子に、

酸化・焼けが数箇所あります。



新品部品が入手できましたので、なんのためらいも無く?交換しました。

真鍮製の金属面がまぶしい!?

配線自体の酸化が激しく、カシメだけでは接触抵抗が不安定な為
ハンダ付を併用しています。(端子は噛付の強い日立の業務用部品使用)

端子とブーツカバーは
同時交換しています。

管フューズも歴史的背景?があり、
内部の金属部分がクネッと曲がった物?が最新タイプです。

ガラス管のものは、ガラスと金属部の接合強度が弱く
更に内部が真っ直ぐな物は、振動や経年変化で金属部分に
極細のクラック(ヒビ)が入りやすく、断線に気付かない事があります。

昭和50年頃以降は、「ブレード型フューズ」が普及し・・・当然ですが・・・
歴史的(笑)フューズ周りのトラブル は皆無です。

クネッと曲がった物・・・・を全数使用しました!

何十年ぶりに再出発?のフューズケースです!



作業自体は地味な仕事なんですが・・・

水銀灯の下では・・・渋く光りますます!


赤い点々、黄色い線、緑の・・・

・・・そして・・全力で?拡大した配線図!



憂鬱な?遠視との闘いを制して(笑)

何とか配線関係が復旧しました






事前にご依頼のあった、ドアキーの修理内容です。

開・閉、どちらの角度も動いていますが、時々、ロックが開きません。

と言うより、偶然ロックが開きます!・・・が現状です。

キーノブの先にこのリンクがあり、カギの開け閉めの動作をします。

リンクを動かす先端部分が
永い間に磨耗しています。

この磨耗した部分だけキーが空振りして、ロックの開閉に支障が出ます!

交換すれば簡単に完了ですが・・・部品が調達不能の為、この減っている部分を何とか・・・・しなければ・・・。

この部品の材質は特殊な物で、「アルミの様な、鉛のような材質」ですので、
溶接肉盛りや、ハンダ等のロウ付け、金属用のパテなど全く受付ません!
実は他の車両の物でアルゴン溶接を試してみましたが・・・「綺麗な白い花火が・・・」発生しただけでした!

2〜3日唸って?考えて到達した結論は・・・・

← 磨耗した部分に下穴を開けて
 タップがけを、中途半端に?実施。




             こんな具合に・・・・ 

他のキー部品から外した材質の近いネジを
欠落部にエポキシ接着剤を塗って
程好く?・・・・ねじ込みます!

この後、黄→部分の雌ネジをタップがけ修正すると
この部分に入るネジ(下の右・映像・黄↓)が、
肉盛りネジのゆるみ止めになります!

接着剤が硬化したら、切り取って・・・・

整形して、ドアハンドルに組み付け終了です!


助手席側は、リンクの給油のみで動作可能でしたので片側のみ実施しました。


冷汗・連続の・・・作業! 替わりが無いですから・・・この部品・・壊すと・・・!






一般的な?車検整備の追加作業分です。

ラックエンドブーツがグニョグニョ〜になっていて、

左右共に裂けています。
今回、ラックエンドブーツ

・・・が入手できました。

メインシャフト部は入手できず、錆着いたジョイントを給油して、そのまま使用しました。

一般的な車両の場合、簡単に交換できますが

さすがに?・・・コスモスポーツ。

ブーツの内径と、ラックエンドの外径との差が
大きくて、とても車上では交換できません!

               ヒートガンでブーツを暖機?して・・・
ラックエンドの外径と一致した治具を使います。
(オートバイのFフォークです!)
ヌルッ・・・と嵌め込みます!

この治具・・・今後一生?使わない・・・と思われます

最近の車両は、ラックエンドは非分解です。

材質や、道路事情、整備環境の問題で、当時の車の殆どが、
ステアリングやサス周りのリンクにグリスニップルがあり、
ジョイント部のガタの調整が出来ます。
それにしても・・・

コスモのこの部分は、懲り過ぎ、過剰品質です!

高級車の意地 = 整備難易度・・・大!


コスモのマスターシリンダーは

非分解・Assy交換

・・に指定されています。

一般的なメンテナンス部品なのに・・・どうして?・・・

・・・と思いましたが、どうもこの金属リングのおかげでは?・・・なんて想像しています。
シングル・マスターシリンダーの危険性が大きく問われる様になったのは、コスモ発売の最後期あたりです。
(現在は制動機構の2重安全装置=タンデム・マスターシリンダーは義務化されています。)

マスターシリンダーの最後部は、外気と触れる場所で、最も腐食しやすく、結局ブレーキの液漏れに繋がる場所ですので、
中央部分からの浸水等を回避するのに、この金属リングがあるのかも?・・・と思っています。

高級車の意地・Part2?・・・(当然未確認↓)

他社のマスターシリンダーに、このリングは無いので、今回は組み付けませんでした。
(今回入手した、社外品のインナーキットには、このリング、無し)
テーパー状のカップに組み付けるのには、かなりのリスクを伴い、本末転倒になってしまいそうな為です。

フロントのディスクブレーキと倍力装置はOKですので、(最近交換している様です!)

リヤのカップキットのみ交換しました。






この作業の2日後、やっと車検を受けました!






・・が・・・さすが(泣X2)コスモスポーツ! 安直に?ユーザー引き渡しを可能にはしてくれません↓


ヘッドライト回りの配線を修理したので、当方としては、万全の体制と気分!・・・で車検ラインの光軸・光量の点検に望みましたが・・
移動距離を重ねるたびに、目視で可能な程、ヘッドライトの光量が落ちてきます。

原因は・・・ウオーターポンプ・・・でした。


ポンプ中央のシャフトに大きなガタが発生して、オルタネーター(発電機)のベルトが・・・ダラン ダラン!です!


ポンプを分解して診ると・・・・





ベアリングやシャフトが・・・

サビサビ・・・ガタガタ・・・




右は洗浄後の写真ですが、ベアリングの手前に排水穴があり、
一般的には、ガタガタになる前にこの部分から
水漏れが発生します・・・(交換時期の目安?!)

・・・が今回は、ベアリングからはみ出た、錆・グリス・LLC混成物?によって

排水穴が・・・ふさがれていました!=水分がベアリングを直撃!
(ドナーも含めて、最近の物は、この穴径が2〜3倍の大きさです。)

ベアリングの種類・状態等から、以前に一度交換した様子です。

この年式の頃は、ウオーターポンプは分解整備が常識だった・・・
らしい?です。・・・昭和53年にトヨタ店に入社しましたが、

もうこの時期には、

整備・講習以外で、ポンプの分解整備は皆無です。

(ロッカーに錆び付いた「特殊工具」があったのは覚えています!)

コスモスポーツ=10A・・・のウオーターポンプは入手できません↓

12Aや13Bの他の物とは全く形状が異なります。


何とか・・このポンプを復元するしか手が無い・・・事態です。



旧車修理の作業では、消耗品の入手方法や復元は必ず直面する問題ですが、
ウオーターポンプは、その中でも、比較的高頻度で発生する事件?です。



メカニカルシール
インペラ(ポンプの羽)と水路を区切るシールを

メカニカルシールと呼んでいますが、

コレの入手方法と選択方法が非常に難儀です。


インペラ裏のシール接触面

メカニカルシール自体は規格が有るようで比較的入手も楽です。・・・問題はその選択です。
普通のオイルシールも同じで、「その使用環境で、同じ形状でも全く違う材質や強度を使い分ける必要」・・・があります。

過去に「本国調達3ヶ月」の宣告を受けた、ドイツ車のパワーステアリングのオイルシールを
油圧が殆どかからない場所だから・・と・・国産車のミッション用のオイルシールを使った事があります・・・。
が・・・パワーステアリングのオイルは、温度が高く、ゴムの材質に対して攻撃性も強く、
1ヶ月もしない内にシールがブヨブヨになって、結局、早めに到着した本国調達品と辛くも?交換した、暗い作業経験↓があります。


汎用の物から、使用環境に合わせた材質を選ぶ事は・・・・このコスモのシールの使用環境に合わせてなんて・・・

当方では・・・・選択能力がありません。



そこで・・・無い知恵を「フルスロットルで!?」搾り出し・・・
到達した、結論は・・・


12Aの新品ポンプを “ドナー” にする方法です。

下品な言い回しですが・・・当業界裏用語?で、

1+1=1?

“ニコイチ・作戦”

ケースのサイズや形状、プーリー側の径、インペラ径は全く異なりますが、
インペラの嵌りこむシャフトのサイズは同じで、

シールの取り付け位置関係や、収縮代も同じです。
ノギス測定のレベルですが・・(汗)

このラッキーな寸法関係?を利用しない理由はありません。

最重要部品のドナー・・メカニカルシールです。

シャフト部分もベアリングとインペラの勘合部分が
腐食していないので、再生して使用します。

メカニカルシールの接触面は、このシャフトとは無関係なので、セーフ?です!

メカニカルシールの勘合面は、
製造段階で特殊なシーリング材料が使用されていますが、
入手できないので、
一般的なエンジンの水周りシーラーを使います。

この機能をを補う為に
シーリング材が入る溝を取り付け面に作りました。

12Aの物には、シールから漏れた水を振り切って、さきの排水穴に導く、
タービン状の羽があります。 コレを使って!・・・と、もくろみました!が・・・
完全に接着されていて、取れません!ので・・・

ジュラコンで勘合代を設けて作製しました。

うまくいった?はずなんですが・・・

当然の様に・・・
2個ほど?失敗です。

形状に因って、勘合後の変形が原因でうまくケース内に収まりません!



 ← メカニカルシールの接触面の映像です。
セラミックの表面に亀裂が入っています。

シールを交換するので、この部分もドナー部品と替わるので問題がない・・・。
インペラは12Aとサイズが大きく異なる為、再使用!・・・と思いましたが、

次の暗い気持ちの?問題を抱えてしまいました。

ひょっとしたら このクラックがベアリングを攻撃した水分の通路かも?・・・なんてこの時点で思いました。

インペラ中央部に無数の亀裂が・・・(泣)


セラミック面の亀裂が判った際に気が付けばよかったのですが・・・

インペラを特殊工具で抜く時、妙に楽だったので、
その時、発見できたはず!なんですが・・・・視力と集中力が・・・↓

後悔を公開?する事態になりました↓↓

原因はシャフト先端付近にあります。

前回の交換の際に抜く際か、はめ込む時に油圧や、特殊工具を使わず、
ハンマー等で強打して作業?・・・の感じです。

先端付近が膨らんで、根元との寸法差が0.1mm以上!あります。




ここまでバラして・・・・もう10Aのインペラは使用不可。(落・涙X多数)





さすがに、ひねくれてしまい、2〜3日の現実逃避と共に?放置しておきました↓・・・が何とか更生(苦笑)して作業再開です。

ドナーのポンプシャフトを材料に、旋盤加工して使用・・・と思いましたが・・・

冷静になると?シャフトの方は幸い?太い!ので、大まかに旋盤加工した後、
最後はこの原始的道具達?に依存して、正規の勘合代に仕上げます。

この外径差を・・
こうして・・

元々の羽の形状をコピーして、

10A+12A=新・10A=11A?インペラ を・・作製しました。


少し、ムキに?なっています!↓↑

インペラの先のケースが前回の交換前に少し削れています。

ケースと羽の隙間が大きすぎると、
アイドリング付近でオーバーヒート!
・・・の可能性があります。

コレを回避する為に、ガスケットなし状態で、「接触する直前のギリギリの位置」にインペラの圧入代を決めました。

ガスケットの厚さ+α・・・がインペラとケースの隙間・・・の概念?・・・です!

歯も?食いしばって・・


ギリギリの・・・・・・作業↓



完成品は・・・たったコレだけの塊です!・・・・


田舎工場では・・・気合一発!(否!百発!!)

燃える・入魂の一品(笑+気合)・・・です!


殆ど見えない場所ですが、
プーリーを錆取り後、2液ウレタンで着色!

しばらく試運転後、漏水を確認して・・・

11A?ウオーターポンプ発進!






その後、約2週間・様子を診ました・・・・ぼちぼち?納車・可能です!


長期間になり申し訳ありません!・・・ご連絡をお待ちしています。



                  田舎工場・スタッフ一同