田舎修理工場都会へ 筑波参戦!






整備業界の方々なら、(改) のイメージ は、トラックの特装車か、構造変更等の改造車。

車検証の型式欄の端っこに・・ひっそりと(改)


ホンダ・商用車の始祖鳥=T360 の中でも、年表の片隅に取り残されたAK250(改)
T360の中でも、AKとは呼ばれず、BK、BK、BK、と呼ばれている・・・AK250(改)

旧車知識・価値観の “素手” で、プラ製のボンネットをコンコン叩かれながら・・。 こりゃ・・・仲間かな・・。



AK250(改)・・・改!・・かい??




私は団塊の世代が嫌いだ。 やたら群れたがる反面、批判先が漠然としているのに、何故か、ある一点に集中!
何が言いたいのか、したいのか?単純には理解できない事柄なのに・・・やたら熱い。 まさに、青春とは何だ!のノリで。


私は団塊の世代に弱い↓ 結婚式の直後、トヨタを退職して、フラフラしていたら、アルバイト先の 「団塊の世代No1」 

おめぇ・・嫁さんに食わしてもろ〜て
何が嬉しいんじぁ〜! 実になる仕事をせぇ〜!
(翻訳)妻子ある身だから、定職につきなさい!


ぼんやりと?していると、半ば強制的に、ヤナセの電装品修理をしていた 「団塊の世代No2」 の会社に押し込まれました↓
板金屋さんや、整備工場のパート的な需要は当時は結構あって、「フリーター」の時と比較して収入は半減!
更に、当時エアコンは「後付け」で、外車、軽四を問わず、拡販期には、毎日夜半まで残業。

この頃、国民年金に切り替えた時期が数年アリ。・・・ヤバイかな(笑)


反面、この時期の外車・国産車を問わず、どんどん入庫する電装品回りの故障修理・経験が・・
後々の仕事の基盤 になるなんて・・・    ・・・この時は想像もできませんでした!

更に、あんなにあこがれていた、ポルシェや、ベンツ、BMW、その他高級車が・・・
あんな所がこんなに?壊れやすい事実!・・・目の前の現実が「青年の夢」を順番に?壊してしまった!




団塊の世代は嫌いだ!・・・が・・何故か面倒見が良くて、知らぬ間に?お世話になっている。

そして、自他を問わず?明白な 「未来予想図」 を持っている(泣・笑)






先日、出張修理先でジタバタしている時、工場スタッフより携帯電話が入りました。

ユニックでホンダのふり〜ぃ、トラック
吊ってきたでぇ〜
(翻訳)T360の車検修理が入庫したがどうしようか?

最近、旧車の修理依頼で、直接来社のお客さんの場合、ほぼ100%、丁寧に(笑)お断りしています。

部品事情も、当然、大きい要因ですが、作業の内容によっては、正直に(笑)言って、
「コレなら・・!」って状態まで作業すると、一般的には?双方の生計(笑)が成り立たちません!

反面、作業責任は、整備業者側に負担が回ってくる可能性大!


・・なんて「お断りの定型文」を脳裏に描いていると・・・直後に、「団塊の世代No2」 から電話が入り、

おぉ〜ぇ、 おそうなったがのぅ〜
前に直してもらったトラック・・もう一台あるんじゃ〜
あの「石屋のオッチャン」のトラック・・直してくれぃ〜
(翻訳)連絡が遅れましたが
T360の車検受け宜しくお願いします。




私に・・・拒否権(笑)は・・・未設定。




仲間意識(笑)充満!

  “BK”  作業開始!!







入庫直後の状況は、

(1)
 停車期間約7年・室内保管
(2)
 バッテリーを交換したが・・現在始動不能
(3)
 7年前の車検受時、とりあえず?高回転が吹かないまま使用
(4)
 足元にマスターシリンダーの液漏れがあり、ブレーキフリュードを足しながら走行


何かしらでも・・・“ファイトが沸いてくる”・・・状況では・・ない?様子です↓


とりあえず?エンジンの始動後、作業の方向性を掴む事にしました。
エンジン内部の本格的な修理に到ると、作業自体にストップランプが点灯する可能性があるし、
エンジン始動無しでは、判らない部位もたくさんある為です。

何よりも、調子よくエンジンが回れば・・・作業者の気分に弾みが?つきます!!


小さな可愛い?!シングルキャブレター装備。・・・が

構造的には、なかなか?魅力的?です。




この手の旧車のキャブレターの場合、
ダイヤフラムの使用の可否が作業の大きなキーポイントです。

「こんな物・・・代用できねぇ〜↓」・・・為です。



キャブレターボデーの小さなポートと、
サクションピストンの小穴が、
スリットを介して繋がっています。

この穴はマニホールドに繋がっていて、負圧を感知して
ピストン内の「ニードルをピコピコ?上下させて濃くする構造」になっています。

元々このタイプはCVキャブレターと言うより、“英国原産(笑)のSUキャブ”の構造ですが、
このニードルを負圧で上下させる構造には・・・唸って?しまいます。

一般的な2バレルキャブのパワーバルブに相当し、加速ポンプ無しのキャブ故の
低〜中回転域の加速時のみ機能する、先進的構造です。
(電子制御燃料噴射では高負荷加速増量の低〜中回転域に相当?)

元々、4気筒といっても、各気筒が同時に吸入する状態は無いので、マニホールド内部を通過する「吸入負圧の波」は1気筒分です。
4キャブは各気筒に直接繋がっていて、この波が伝わる容積が極端に小さく反応性も良好です。

シングルキャブは、マニホールドが一体なので、他の気筒分も含めてかなりの容積内を通過する運命?です。
この為、加速時の反応性を維持する、濃くする為の加速ポンプは必須条件なんですが、
旧い整備業界人(Pre Injection世代?=オジサン達!!)なら体験されていると思いますが、

小排気量車の加速ポンプは・・・・厄介者。・・・動作タイミングと容量設定 シビアすぎ!!

更に比較的小さなアクセルONではバキュームアドバンサー(加速時の点火時期遅角制御)との連携がこれまた・・・キビシイ!

何せ・・1気筒・・・90cc・・・カブ90X4台!

特に、アイドリングに近い回転からの発進時に、うまく作動しないと、加速ポンプは失火の原因に成りかねません!
この領域は競技としてのレース中には、ほぼ不要ですが、生活を賭けたレース中(仕事中!)の車両には、大きな課題です。

乗り難いし・・・疲れる↓・・・・。

だからと言って・・・4キャブ化は製作コスト面も当然ですが、
“後々の整備コスト面”でも明らかなマイナス要因!!

働く車は・・・Ecoでなくっちゃ!

車にとって、 営業中 = 世界屈強の耐久レース!

廃車するまで・・・「チャッカーファラッグ」は、ねぇ〜!

本家のSUキャブは、ピストン上部にオイルダンパーを持っていて、ピストンの上昇を邪魔している(笑)ので、
加速時に、随時、キャブを手で塞いで濃くしている・・・ようなもの?です!・・が・・

単室容積90cc4気筒360cc超高回転エンジン は甘くありません!この燃料を濃くする機能も、時計の様に精密でないと!

BKのこのタイプのキャブは、当時の一般的なエンジンに比べて
とんでもない高回転域の使用と、「乗り難い!・扱い辛い!」なんて市場の要望の板ばさみ(笑)から生み出された産物?



AK250(改)は、時代に乗り、爆進するホンダ初の 「市場・フィードバック車両」・・・なのかも?





キャブレターを分解整備後7年ぶりに始動・・・まだまだ?です↓アイドリングの不調、アクセルONで失火、気筒バランスも良くありません。
ポイントのギャップや、点火タイミングの調整しましたが、何かしら?異様? その他の計器を使うまでも無く(笑)点火火花の不良です。


ポイントギャップを正規値にすると、何故か点火時期が大きくずれて
調整を試みるのですが、ネジの長穴があるのに
タイミングの調整が、黄線の範囲内しか調整不可能!

いくら遅角側に寄せてもこの位置からは点火時期の変化が無くて
正規の位置までに動ききません。


「この範囲しか調整できない謎」は放置して(笑)「正規のギャップで、なぜこんなに点火時期が狂うか?」を先に取組ましました。



コンタクトポイントのヒール部(カムと当たる部分)が、
目視で判るくらい磨耗しています。(右はBKの別途保管部品)

更にセンターの真鍮ブッシュも大きく磨耗していて、
楕円状で、ガタガタです!



当初は「まぁ〜、S600用のポイントがあるから・・・」なんてのんびり構えていましたが・・・

S600のポイントをBKのデスビに・・


ネジ穴のズレや、コードとの関係は強引にやれば?何とかなりそう??

各部の形状が異なる上に、
ポイント裏の突起のサイズも違い、

基本的にポイントアームの「大きさ自体」が異なります。

ポイントアームの長さや比率は、ポイントを開閉するカムの形状で決定されますので・・・この流用は不可能です。

実際無理に取り付けても、本来の性能・機能が発揮出来るとは思えません。
(実際カムの最大径が大きく異なります。)

ギャップと点火位置の関係にズレが出て、うまくいかない感じです。
他社の様に、本体を回転させて点火時期が調整できればOK?・・・?


こりゃぁ〜BKのポイントを段取りするしかねぇ〜な↓ この差は、デスビの製作メーカーの差の様です。(日本電装と日立製)



ポイントが無理なら、無接点化だぁ〜

・・なんて・・得意の?安易な試みも
内径で後1.2mmの差で却下!!(涙↓)



安易な試み第2弾?として地元の「全日本コンタクトポイント保存会」に連絡して、代用品を検討する事にしました。

今までこの「全日本コンタクトポイント保存会」に何度となく?救われて?きました。
数時間かけて、一個一個確認しましたが、BKの日立製のものは・・発掘?できません!

知らねぇ〜車名がいっぱい!!

BKだけでなく、T360の社外品のコンタクトポイントは発売されていないのか?・・・!!

とりあえず?オーナーに連絡すると・・・
予備エンジンがあるから、外していくでぇ〜!
そういやぁ〜予備のデスビもあったような気がするんじゃぁ〜

・・・と到着した部品の
ポイントの磨耗状態は・・・
ニヤリ・・でした!


ほっとした気分に乗って?早速、
デスビのO/H作業開始ですが、
本日閉店です。

(暗くなると目が見えねぇ〜!)






上の右側の映像にも写っていますが、バキュームアドバンサーが装着されています。
コレは負圧を利用し、アクセル開度の状況に応じて、点火時期を変えるシステムです。


デスビに固定された板の上に、

ネタ=ポイントを乗せた、「くるくる寿司」構造です。

一回転は・・・しませんが・・・(汗・汗)

そういえば・・活きのいい?海老に・・・見える?

この板・・・ステーショナリープレート・・って名前だったと思いますが(汗)

ある程度の節度と、耐久性を持たせる為に
・・・こんなに複雑な部品構成です。

この機構にガタが出ると・・・
即・・・点火時期のズレや失火!が生じる為です。

旧い車は、小さなベアリング3個だけ・・・の可愛い?構造です・・・が・・・

最近の車はデストリビュターがありません!


それでも?生き残った(笑)物は精密なベアリングになり、

その動き方は異様なほど(笑)滑らかです!


反面、錆びたり、汚損したりすると、極端に動きが悪くなる傾向があって、BKの構造を継承したプレート方式も生存?しています。





今回のBK・・・3個のベアリングを外すと・・・・
黄○部分が右映像の様になっています。


磨耗溝が2列?!!・・・山あり、谷あり・・・。

コレが前述の「この範囲しか調整できない謎」 の正体(笑)

ポイント交換の際にギャップの設定を大きく変えた・・か、何かの事情で点火タイミングを大きく変更した・・か・・・

しかも 相当な時間、そのままだった!・・・と想像できます!このままだと、静止位置の運が悪けりゃ・・(笑えない笑)
バキュームアドバンサーの制御範囲が極端に小さくなってしまい、低開度からの加速や、燃費への影響大!

当然?!・・・新品部品はありません。

部品取りのデスビは逆に走行距離が多い様で、各部のガタが大きく、使用不可!!溶接肉盛り!・・も歪みを考慮すると・・・・非現実↓

遠視の目をムチ打ち(笑)、
リューターやサンドペーパー、ヤスリで
溝の段差を最小限に研磨して再使用します。



上図は昭和47年ごろのTOYOTA車

一般的なデスビのバキュームアドバンサーの制御角は、
約10度付近。移動面の円周が141mm。


4気筒だから141mmX1/4=35,25mm・・・が1気筒分。
更に10度分の距離は・・35,25mmX10/180=1,958mm



たったの? 2mm!!

ベアリングを抑えているプレートがある程度移動可能なので、実質の「溝堀長さ」(笑)は大きく観ても約4mm程度?
ポイントのヒール部が元の長さになったから、この山を?・・うまく交わして動いて下さい!と幸運を願って?この部分は終了。

シャフトの受け部分もS600や初期のAKのボールベアリングとは異なり、
一般的な?燐青銅タイプのブッシュに変更されています。

オイルシールもサイズが異なり、S600系の部品の流用は出来ません!

慎重に・・・慎重に・・・。

バーニャAssyを取り出して各部を修正・調整します。

シール接触面の研磨を済ませて・・・
錆や汚れを取り除き・・
ガバナースプリングの遊び
・・を調整します。

進角特性を2段階にする為に、片側のスプリングに遊びがあります。本来は“デスビ・テスター”で回してきっちり設定すれば最良(汗)
一般の車両でも2500rpm、AK初期では2000rpm弱までに最大進角に達する為、このあたりを、あまり神経質になると・・・


身体か、頭を?壊してしまいます!(深刻・笑)

ムチャクチャいい加減では問題ですが・・・
アイドリング付近の点火時期がある程度(難解?)決まる!!
・・・って感覚で十分と思われます。

回転数にあわせた点火時期にする以外に・・ガバナー(遠心進角装置)もう一つの大事な役目があります。
始動時(クランキング時)の点火時期を相対的に遅らせて、セルモーターの負担を減らす仕事?です!!

BKはセルダイナモなので、影響は少ない(回る速度が遅くなるだけ?)ですが、
ワンウェイクラッチを持つSシリーズや、AKではクランキング点火時期の過早は・・
セルモーター付近の機械的耐久性面では大きな負担です。
セルやセル・クラッチ各部にケッチン?を食らう!
(懐かしい〜なぁ〜ケッチン・・。)

ケッチンを知っている=オジサン!!・・・(苦笑)・・・間違い無い!!

一般的に点火時期を10度〜20度と・・上げて調整すると、空ぶかしのレスポンスが良くなって、調子が上がった気分(ブンブン気分!)になりますが、
暖機後のノッキングや、特定条件下で異常燃焼を誘発する要因になり、どっちか?と言えば危険な調整です。

特に圧縮圧力が低下した車両に、この傾向が大きく、(圧縮低下=空燃比薄い=早目の点火時期=吹きがいい!)
一般的なエンジンで、一般的な使用条件の場合・・・「印籠を渡す?結果」になりがちです。


高い圧縮比、充填効率を高回転付近のみ上げるカム、ギリギリの空燃比で戦う!レーシング車両は・・・当然・・・例外です!!

決められた制約内で、極限的な速さを競う・・・
全てを承知の上で戦う宿命の刹那的エンジン・・・。

コレは私が勝手に思っている当時のホンダエンジンのイメージ!

コレも当然・・・「アリ!」・・・ですが

・・・BKは・・・
その後のライフ以降の水冷エンジンが目指した・・・
「生活に溶込むホンダエンジン」の・・若葉マーク?!!
やっぱ、単なるリストラ、廉価版

じゃぁ〜ねぇ〜な、こりゃ〜!


だいたい、その場しのぎの「安物のイカサマ車」造るのに、こんなに各部をごっそり、作り替えたりしね〜ぜ!!と?下品な雄叫びを上げ?作業再開です!!




コレはTOYOTA純正のコンタクトポイントレンチセットですが・・。

最近は使う機会がほぼ無いので、・・・・サビサビ・・・一歩手前です!




・・・が・・こういう状況下で・・
小さなナットを締め付けるには、絶大な威力を発揮します。

若い頃はなぁ〜んとも(笑)思いませんでしたが、視力と手先の動きが衰えて・・・


アゴの曲がったこのレンチ・・・・この曲がり具合が・・・

Oh!My Friends!! 状態〜!


いそいそと(笑)組上げ、始動。点火時期等を調整後「吹上がり具合」を点検。かなり改善し、アクセル開度が低い付近では、どの回転域でも向上!!

でも・・・全開域で、どの回転域でも不正脈状態の失火アリ↓特に、急激なアクセル操作をすると、まともに・・・↓↓

原因はデスビ中央の“カーボンピース”でした。
カーボンピースを飛び出させるスプリングが折れて
凹んだまま出てきません!更に・・

内部で火花が飛んで炭火焼き状態?です!

歯の神経を抜く歯医者さん
の気持ち?・・になって・・・
不衛生で汚れては・・・
いますが(涙↓)
似たような道具を使って掃除を・・。

“麻酔”は使いません!

日本電装製!の他車のスプリングを調達して組付ます。


余談ですが、日本電装の物はカーボンピースの側壁からも通電する構造です。   

日立製は底に金属部があって
このスプリングを介して通電する為、
問題を抱え易いのでは?・・・。

セグメント間のリークを避ける為に
各部を消毒・・・否!清掃。完成!!!
さぁ〜再始動!!今度こそ!!

・・・結果は如何に???? 
 
 ・・・と引っ張って?・・・


 本日閉店です。

(疲れた!)









再々度?いそいそと(笑)焦る気持ちを抑えて、
各調整を済ませ、エンジンの具合は・・・

やったぜぇ〜ぃ!!Baby〜 (旧い?・・・・な↓)


エンジンの吹き上がりも良好。 アイドリングも一気に安定。
何しろキャブが1つだから、極・低回転付近からの立ち上がりに不快なバタツキがなくて、4キャブより明らかぁ〜にスムーズ〜!!
4つのキャブが完全に同期して吹き上がるなんて、低回転付近では・・・現実的には正直、夢物語。1キャブ万歳!!

なんて浮かれている・・・オジサン修理工に・・・天罰が。


こういう状況も?当地の業界で ケッチンをくらった!って、言います!!





暖機後、数回フリッピングして各部を再組み立てしていると・・・エンジン左下部より

・・・・ゴロゴロ・・・ゴロゴロ・・・ゴロゴロ・・・ GORO〜GORO〜GORO〜!!!

明らかに、金属どうしが接触する音と、ベアリングのガタが出た音です!!どんどん大きくなってきました!!

この状況は・・・どう考えても・・ワンダバダバな恐怖の再来!


音源は(泣)・・・この・・新鮮な?「引っかき傷」↓

アンモナイトの化石

では?ありません↓

泣いている暇は無い↓ので(実は泣!)

とりあえず?分解してみました。



一見、AKやASの物と似ていますが・・・
シャフトの取付方法、ベアリング、各シールの位置・形状、サイズ、

100%別物!

AKやASと異なり、ベアリングの給油を
エンジンオイルの落下で行っています。
特に?
ベアリングは中央に大きな給油穴を持つ、
一体式の全くの専用品。
飛出した針金は、ベアリング止の銅線


数時間?(笑)冷静に?座り込んで(笑)考えると、BKが今風で、AK・ASが古風なレイアウト・・・の事実に?気が付きました?

この映像は、オートバイの水冷エンジン用のもので、
ベアリングは単列ですが、取り付け方法や、潤滑方式がBKと同じです。

更に極最近のオートバイは内部部品の単品供給はありませんが
この頃の物は・・・純正部品が入手可能です。


ウンウン唸って、半ば?なげやりな?且つヤケクソな?気持ちで出した作業方針は・・・。

機能的に影響の無いこの部分を切削して
基準面を作って・・・
この面に冶具を圧入・・・。

ベアリング面の内径をボアアップ?・・

ベアリング外側を2つ割りに?削って、

シャフト部のみを取り出します。

コレはS600のWポンプのベアリングキットですが、

19230−500−305

品番から安易に(汗)判定してAKには?使用可能と思われます。

対してBKの物は・・・・黄線部分の深さが異なり、メカニカルシールも専用部品。最近の物はインペラ側シートがセラミック製ですがコレは金属製です。
「ゴムが当たって金属が減る?」って納得できませんが、「ゴムが当たってセラミックが減らない」は、もっと納得できません!!(悶々)
どちらにせよ?磨耗と走行距離から判断して金属製シートの耐久性は低い様です。


でも・・形状は明らかに・・・今風です!

今回は、シャフト径の問題から、オイルシール取り付け位置を下げて、S600用のメカニカルシールを使用する事にしました。
いろんな汎用部品を使うと、一致するサイズは多数ありますが、材質と使用環境に拠る選択は・・・田舎オヤジには・・・能力的に(悲!)絶対無理があります!
そういう用途に使われている、そういう部品を使う事は・・・・まずは?安全策???

S600のメカニカルシールとインペラ
ヤマハのベアリングとオイルシール

・・の 

24mmのベアリングを使えばボアアップは必要ないのですが、規格幅のサイズから3列必要になります・・・。
3列のベアリングは取り付け精度に拠っては?壊れやすく、26mmの2列仕様に踏み切りました!!




よく観ると、削った事で「鋳型の巣」が多数露出しています!
・・・が、リブがあり、何とか?持ちこたえそう?です。

ベアリング止のサークリップ溝を作って・・・



「切り欠き」のあるシールホルダーを削りだして
圧入接着します。(右の赤○は排水穴)

YAMAHAの薄いオイルシールに交換して、
メカニカルシールの勘合代と排水穴を確保!

ホ〜イ ホイ ホイ・・・なんて・・・リズミカルに・・・


ま〜だ、まだまだ、根気良く・・・

腐ったニップルをS600の補給部品を短く削って・・・流用!

黙、黙、・・・・・・なぁ〜んて・・・冷静に・・・

このホームページ(こんな?ホームページ?)を
見ている方々なら当然!?判っている既成事実!(笑)・・と文面の?流れ!

そぉ〜んなに、簡単には?出来る訳がありません!!


胃壁を数ミリ削った(苦笑)数日ですが・・・

ソレでも・・・格段に!静かな!エンジン音・・・

・・・ご満悦!!






コレはエアークリーナーホース。永年の使用で繊維部分がボロボロで、表面に応急的なビニールテープでグルグル巻き状態。
しかし・・・この蛇腹、良く観ると・・・入り口と出口の径が異なり、テーパー形状!!

こんな?部品まで吸入抵抗を考慮?対価の割りには・・・ほぼ無意味!!?

「うるせぇ〜船頭」が近くで舵取りしていた!・・・のは間違い無ぇ↓

しかし、このままでは、ケース内へ水や異物の浸入は不可避・・・。

左は 3、5t トラックの吸入ダクト

右は・・ステンレスパイプと・・・ターボ車の
インタークーラー用のシリコンパイプ数種?です。


黒いダクトの内側に嵌めて締め付ける為に・・

異径のパイプの内側にもアルミカラーを作製。
(エンジン回転中の脱落防止の為、各カラーを瞬間接着剤で固定)

うまく?組み合わせ?・・・


ステンレスバンドで、締め上げ・・
否・・締付(笑)・・ます。

完成!

うねった?感じと、プクプク感?

お・気・に・入・り!

・・・ですが・・・黒いシリコンホースがあればもう少し?落ち着いた外観演出?が可能だった?
納車した際に、オヤジさんが気に入ってくれたから(安堵!)・・善かったものの・・・色の選択では?・・・大きい〜博打でした!!

吸入音が、ドア後部のボデー内部に導かれる様になって・・・・“古風なホンダ4気筒サウンド”が・・若干?戻ってきました。



作業前の点検で、排気管のタコ足部分に・・・一部「下から突き上げた変形」を発見していました。

 こんな感じで突き上げた様です。


後ろから見ると3箇所ほど・・・明らかに
エキパイの断面積が半分以下です。


エキパイを再作製しようか?(暗↓)・・なんて思いましたが、2年間はなんとか持ちこたえそう?なので、今回は、修理して再使用する事にしました。

←  まずは?曲がりを直して、・・・


曲がりの内側の・・・
後から溶接可能な適当な?場所?に・・

穴あけ?・・・します。  

6mmのボルトを曲げ・・・

この穴からレンチを使って
炎で加熱しながら、凹みを出します!

穴をTIG溶接で塞ぎ、
表面のひび割れを補強溶接し・・

内径・・・復元!!

お決まりの?

フランジの歪みを修正し、
各部の排気漏れを溶接後・・・

完成です!


気筒バランスが向上・・した!・・・かな? エンジンを始動して確認すると・・・意外な音質?
回転を上げれば、S600の音・・・アイドリング付近は、2サイクル2気筒の「乾いた感じ」・・・に近い音・・・!

パラ、パラン・・って感じのあの音!!


4キャブやツインキャブ(特に単室容積の小さいエンジン)ではキャブレター周りの各部磨耗の気筒差が影響し
アイドリング付近の「完全な同期」は新車の僅かな時期しか・・現実的には望めないと思います。
だからスロー回転の「ラフな感じ」は否めません。(スローから、ほんの少しアクセルONの付近) 「ワイルド」って表現が穏当?・・かなぁ〜?
BKはシングルキャブ。気筒間の条件、合えば、99・999%同調が可能? 4気筒4サイクルが2サイクル2気筒に聞こえてもおかしくない?


  さびとるし、くさっとるから、
      うしぃー・・のもあるじゃろうが〜
<翻訳>錆・腐食で排気管の各部の肉厚が薄い
   ・・・のも音質の要因の1つでは?


正論です。(冷静・笑)


文中にチラッと?書きましたが、ステンレスパイプ(SUS)で再作製も検討しました。
このステンレス製で排気管を作ると、錆や腐食には強い!のですが、金属の硬さの差の影響か?・・・音質がかなり変わってきます。

ビン・ビン・ビン って感じの音が・・・どうしても入ってしまいます!!


「7年ぶりに乗ってもらうから、7年前の音を!」

なんて・・

「甘い香りの言い訳」(汗↓・汗↓)

・・・をオヤジさんには?伝えました・・・。
ステンレス製のタコ足や排気管を装着経験のある方・・
切った貼った?で排気管を作った経験がある方々・・・

鉄の排気管の音・・・優しい・・って思いませんか?

鉄製・排気管のトルクバンド直前で・・・“

ファーンって共鳴する・・ホンダサウンド”

私、いい歳をして、涙ぐむほど(笑)・・・この音の狂信者(2倍笑)です。





一般的な車検整備の「本丸・攻略戦」?ブレーキ周りの作業開始。

明らかな漏れがある前輪側を分解して
ホーニング後点検します。

何度か繰り返しても腐食痕が深く残ってしまいます。
現状の漏れ具合から判断して左右共、再使用は不可能です

触指点検でも、明らかな段差を感じます。

後輪側はピストンの移動面に腐食痕が残りますが
カップの移動面はOKです。

(以前左右共にASSY交換した形跡があります)

リヤ側は、LN360と同じ品番で、無理をすれば?何とか入手可能ですが・・・
問題は前輪側・・・ 45310−548−003  45320−548−003 の2品番?
567=TN360記号のシリンダーが実車に着いていますが、こちらも大変な?入手難。

マスターシリンダーの内壁も前後の摺動面に散発的に腐食が発生。

足元にブレーキオイルがベタベタ落ちる原因です。


この部品も早い時期に供給が停止しています。

車検整備のブレーキのメンテナンスは、この内壁とゴム部品のコンデションを点検・復旧するのが主業務です。
自動車整備業=この壁を死守する・・・なんて天命を受けて・・・(非笑・笑?)


マスターシリンダーの内壁に問題がある場合、
比較的強い急ブレーキ時は、内圧が急上昇してカップに「張り」がでて、うまく油圧を送ってくれますが

問題は・・・停滞時等のゆっくりぺダルを踏むブレーキング動作の際です。
内圧が急に上がらず、カップ後部に漏れてしまいます。「ス〜って感じで奥まで踏み込める」一瞬です。
さらにこれを繰り返す事でリザーブタンクの予備液量が無くなると・・・突然・・・。

実際は「おかしいな?」って気がつけばポンピングブレーキでその一瞬は?回避できる!ケースが殆どですが、
これもカップの損傷や内壁の腐食状態の大小に拠っては・・・。

ホイールシリンダー場合は液漏れ発生でライニングの摩擦が低下して
「片効き」って症状が出て運転者に警告?があり、大事には?至らない事が多いです。
・・・故障を放置した場合、結果は・・・同様です。

最近のマスターシリンダーは飛躍的に向上した品質と耐久性から国産車の場合、
一般的な車検整備が実施されていれば、特殊なケースを除いて殆どトラブルはありません。

さらにブレーキライン・2系統化が法的に要求される様になって、全部がアウト!は先ず?回避可能です。

・・・が・・・当地のような田舎整備環境でさえ・・・まったく無い!・・訳では・・・ありません。


ブレーキは「金属の肌」と「薄いゴムの接触面」で作動している事実!・・・(少・恐!)


話はBKの作業に戻って・・・部品さえあれば、一般の車両なら、定型作業・・なんですが・・・。
業界的・天命から?判断して・・・T360(改)・・・かなりキビシイ・・・難問、難作業を抱えてしまいました・・・。

AS各車、T360(AK)、TN360、N360、LN360・・・
1986年価格表・・・

持てる資料の全てを投入(笑)・・して解決を模索しましたが・・

何しろBKの資料がありません!


T360の世界?では著名な越前氏に相談し(泣きつき!)BKのパーツリストとAKの修理書をコピーさせて戴きました!(謝!) 

ホンダT360公道復帰


現車の資料を入手し、現実的検討を実施・・・田舎整備工場に・・天が命じた?現実的対応は・・・・




 本日“臨時閉店”です。

(大型台風4号・・・大接近!)







BKの資料到着後、今後の方針を何とか決定しました。

このシングルピストンタイプの物で現在入手可能な物は
右のN360が一番入手が安易です。
BKは左右で品番が異なりますが
裏側の特殊形状のブレーキホースホルダー兼ワッシャーを除いて
取り付け位置関係は同じです。

黄線の長さ=ブレーキホースの 取付高さ が異なります。


大きな問題は前輪シリンダーの内径差です。 1/1inch − 15/16inch = 1/16inch =1.5875mm

これについては、2つの要因?で対応しました。昭和50年代になると軽4輪トラックにも後輪油圧制御装置が装着され始めました。

Pバルブ(プレッシャーコントロール・バルブ)
LSPV(ロード・センシング・プレッシャーコントロール・バルブ)


って名前だった記憶があり。前者はブレーキぺタルの踏力上昇時。後輪油圧を下げる!後者は荷物の重さ=車高を感知して、後輪油圧を調整する!バルブです。
古いトラックに乗った経験がある方々なら必ず一度は経験している?空荷(積載量0kg!)のときの急制動時、後輪がロックして飛び出る挙動の対策。

これを抑制するのに前輪内径が後輪に比較してやや大きめは寛容できます。(甘いかなぁ〜?)

2個目の要因は、どう考えてもBKのマスターを使用できないので、他車の物を使うことにしました。
当時のシングルマスターは、踏始めから油圧が上がるまで(無効ストローク)が長く、交換する事で、かなり短くなり、踏代が確保できる点です。


そして何よりも、部品が入手できない!事実!!!

具体的には、ホース取り付け高さを車両に合わせる為、

長めのユニオンボルトとSUS製の特製カラーで対応しました。



元々、各部品とブレーキ配管の距離感?は・・・

"きわどい感じ”は否定できません!

(T寸法・・留意?)



何で?カラー無しでも取り付け可能じゃないか!・・・と思われますが・・・

物理的にはOKなんですが、ハンドルをいっぱい切ったときに旋回内側タイヤ側のブレーキホースがタイヤと接触します!!


黄色の部分の曲がり具合がきつくなってタイヤと接触する!

・・・を回避するために必要なんです!

具体的な位置関係は・・・。(右車輪側)

このT360はこの寸法が非常に厳しく、元々の状態でも要チェック!!と思われます。

具体的な調整はホースの、ひねりを無くして、(ひねると、危険!!)
赤丸のステーの角度とユニオンボルトに着く、ブレーキホース取付角度で設定。


昔の車検では、ハンドルをいっぱい切ってこのT寸法を点検していましたが最近は配置が改善されて、まず必要ありません。
不確かな記憶ですが、表面にスプリングが巻いてある物はある程度の接触が前提にあるそうです。・・恐!
ハンドルをいっぱい切って速度を上げて走る!なんて事はありえませんが、
たとえ微速度でも・・・ズリズリとホースとタイヤが接触しているのは・・・乗る側も・・・修理する側も・・・気分がわりぃ〜です!


後輪側は 純正のカップキットが無い! 
以外は・・・(社外品対応)


当社環境にピッタリ!・・な雰囲気・・・。

のどかぁ〜な・・・分解整備 ? でした・・・。







車検整備の「本丸・攻略戦」もついに天守閣に到達!! マスターシリンダー作戦です!!


← こんな状態だから・・・

内壁が・・・こうだって 

何にもショックではありません!

ウソ!・・・(涙↓)


実は多くの整備業者がこのマスターシリンダーの清掃・ホーニングそして・・・点検・・・の瞬間を・・・

 「神仏に願う想い!」

・・で臨んでいます!!


3年目の車検でも、30年目の車検でも、想いは普遍です!(大げさではありません!!)

コレを交換する事態になると・・・オーナーの金額的負担も増えますが、作業時間増に加えて、「請求時の重苦しい雰囲気」に耐えなければイケマセン!
かといって、金額面を考慮して、ゴム部品の交換のみで行うと、かなり確率の高い博打!(イヤ・・・です。・・・きっぱり!)
要はこの部品さえコンディションが良ければ、車検整備は四方八方?ご安泰なんです!(最近の車両は、マスターシリンダーの腐食は殆どありません!・・が・・・。)


ましてや・・・T360(改)





コレはブレーキパイプのフレアナット部分
・・・を作成する道具です。
フレアナットM10X1.25Pニゲなし

ホンダ車は、ライフ360(SA)の前期・後期、を境にフレアナットのピッチが変更されています。
当然T360はフレアナットM10X1.25Pニゲなし ・・になりますので、今回は(今回も?)
「めったに使用しない工具」を引っ張り出す宿命?(どこに置いたか?時々忘れる事が、多々ある!のですが・・・)





マスターのオイル漏れは後部のカップからだけではなく
リザーブホース結合部からも発生しています。



ホースの材質選択に問題がある? (バンドの種類も・・・。)

マスターのアウトラインは
大まかには?右図の様子?で

リザーブホースを通す横穴があります。

すぐそばにシフトリンケージがあり、
余程の事無ければ・・・この通路が安全?

黄○部分のネジが物理的に外せません。



ちなみにこのネジには  のマークが・・・。




スペアタイヤの下に隠れている
4個のナットを外すと・・・




間単にブラケットAssyで・・・外せるさ!

・・・と思いきや・・・


クラッチワイヤーが、外せず・・・

ペダルシャフトを抜いてから、
クラッチワイヤーを外してこの状態に到達!!


さすが・・技研工業↓

コレだなぁ〜・・・何をしても?ホンダは面倒だって・・・当時の業界筋の評判の原因は・・・・。




田舎の・・・暗闇に・・・
憂いを秘めた・・鉄を削る低い音が・・・

ギィ〜ギーギィ〜・・・


カエルの大合唱に合わせて(笑)


何だ?・・・こりゃ?


 平成9年頃の・・・
中古のマスターシリンダーですが・・


内壁は当然?ピカピカ! 

ピカピカの内壁面と・・・

新品の"インナーパーツ”

このコンビには?裏切りはありません・・・決して!





リザーブホースを横穴に通す為に・・・
固定用のステーを新造して

照準?を定め・・・



ブレーキS/WやリターンS/Pをまとめると・・・



少し・・・ ガンダムチック? な外観です!

歩き出しそう?・・・?

もう少し取り付け角度を上向きにすれば良いのですが、マスターシリンダーを押すプッシュロッドの傾きに無理があり、
さらに、車両への取り付けを考慮すると・・・・スイマセン↓・・・この位置関係しかありませんでした!!



この際一気に?大きく損傷した
クラッチぺタルのワイヤー受け部を修正します。

真鍮ロウで以前に修理してあり、この部分は弱い様です。

真鍮ロウは手軽ですが、再修理に一般的な溶接作業ができません。一気にそぎ落として、一気に肉盛りして整形します。


ワイヤのフィッテイングを確認して・・

軽く塗装後・・終了!





ホームセンター仕様(笑)のホースは、ブレーキオイルに弱く、硬化してもろくなる傾向があります。
さらに、変質して溶け出した物質がブレーキオイルに混入し、ゴムや金属に良い影響は無いのでは?

意外な事ですが・・・・・・
漏れは・・ない!・・・場合が多いのですが・・・。


ゴム部品は大丈夫か?沸点がどうなるか?
・・なんて考えると・・・怖くなります↓

リザーブホースは車に拠って、特殊なヒネリがある物が多数あります。 まっすぐな車両もありますので、今回、ためらわず利用させて頂きました!

最近は純正部品販売も管理体制の合理化が進んで
ゴムホース類は用途別、仕様別、で
ある程度の長さ単位の品番(バルク品番)があります。

ただし僅か20mm欲しくても 〜m!購入しなければなりません!

ですが・・・今回は
逆手にとって(笑)長いリザーブホース(110cm)を2本入手しました。

田舎オジサン修理工に植物性油質(一般的ブレーキオイル)の耐性まで判断しろ!・・・は 頭脳への負担が大!不可能↓

・・・同じ使用箇所・条件の部品を・・・パクって使います!!(何時もどおり?)

ホース内径より若干細いアルミパイプを用意して・・・

(日産車のエアコンパイプ!)

ブレーキ用のラバーグリスを使って
ホース内部に押し込んで・・・

ホース・急カーブ?の折れを回避します!







大まかには?

完成?

マスターシリンダー先端が低く、クラッチ操作時に当たりそうですが、・・・T360の 乗車姿勢? が・・・助けてくれました!!
シートポジションが高くて左足が引きつるぐらい!(笑)余程無理な姿勢をしないと接触しません。

最後にリザーブの液量低下時に
パーキングブレーキランプが
点灯する回路を追加して・・

ブレーキ油圧関係・・・作業終了!


身体を使った作業はリズムに乗ってルンルンですがレイアウト考察や部品調達の時間が長すぎて・・・脳の内部が・・・煮えています!

 本日“緊急閉店”です。

同じ事をグルグル考える様になってしまい・・・ました!




ブレーキ部分最後の修理項目・・・サイドワイヤー関連です。

サイドワイヤーの途中のブッシュが脱落して
ワイヤーが鉄の部分に直接当たっています。

サイドワイヤーは樹脂モールド処理されていますが
リヤサスの上下動に影響され、擦り切ってしまう可能性があります!

T360(改)

小ネタ・小ワザ・シリーズ?






ブレーキの諸問題(笑)を辛くもクリア!しましたので、気分は?悪くは?(あいまい)ありません!

車検受けまでの次のハードル・・・ヘッドライトの光量の問題に挑みます!

この 印籠 が?目にはいらぬか!!!

なんて・・・見栄を切ったらすべて?許してくれる軽自動車協会(車検場)の検査官はいません↓



シールドビームなのに?電球が入っています。

全体の丸っこい?造作・・・妙に、ホッと?します!

・・・優しい。




車検ラインを堅気の方法(汗↓)で「ヘッドライト光量の基準」を通過するには、アイドリングをやや?あげて、
ボルテージレギュレーターの飽和電圧付近に近づけるとかなり期待が持てますが・・・BKは、不可でした↓

T360は、軽4輪の車検の無い時期に製作された車両です。(昭和49年より車検開始)
レンズや反射板の曇り電球自体の劣化を考慮しても元々、現行の基準(15000カンデラ)を満たす能力が無いのでは?

BKの場合はシングルキャブの恩恵?で?
アイドリング時の排気ガス濃度(CO/HC)は比較的低く

S600やS800と比較すると・・・

数値を見てびっくり!・・・クリーンなエンジン!?です。

アイドリングをやや高めにして、発電能力を上げても光量の基準値には程遠い状態です。
この際にCVキャブの過渡特性の問題で、アイドリングから少し高い開度域では、CO/HCの数値が激増します。(特にHC!)

4キャブ・2キャブの場合・・・ヘッドライト光量計測の際、<アイドルHC特殊の印籠>は無力化の?傾向?があります!

今回のBKは比較的安定的な排ガス値なんですが、実質的な光量不足は解決できません。(セルダイナモの特性?)




ハロゲンライト使用を選択しました。(ホンダ・軽550ccの純正部品で、消費電流も大きくない物です。)
BKとおなじ調整方式で、入手可能な年式のリムを使うと、調整ボルトの位置がずれます。

リベットナット(左映像)を使い・・

3点取付ですが・・・

ヘッドライト面が浅く・・・
「奥目?」になってしまいます!

長いボルトで、前方に出すと・・・

今度は・・・取付がフラフラです!


機能的には3点で十分調整可能ですが、
今回、固定をしっかりする目的で4点支持にしました!

ライト面の膨らみが小さくて・・
少し新しいイメージが・・・ミスマッチ?

それにしても・・・ライト外周の丸っこいモールは・・・

カッコイイ!!






この作業後ルンルン気分?で車検受。ですが・・試運転や車検の移動等、
走れば走るほどミッション周りの音がどんどん増大。
クラッチを踏むと「セミが鳴くような音」が、かなり激化。更にクラッチを切った際、
セミの声と同時に「ミッション本体の音」が静かになる?のも確認

ためらわず・・・ミッションを降ろす事にしました。

赤丸部分の構造は
自転車のクランクの止方と同じで、

クレビス状のナットを抜き取ると・・・

簡単に分離可能です。

反面・・ミッション後部にフランジが無く、
ユニバーサルジョイントの車上分解を強要(教養?)されます!

近所の「当時・ホンダ勤務の方」が言っていましたが、
このジョイント部分は、普通に使っていても多頻度で壊れた様で

ちょくに、よう かえ〜いったでぇ〜↓
(翻訳)
たびたび現場交換しました。

トラックですので、フロアとの隙間も大きく、
レイアウト的に、かなり余裕があって、ネジ等の取外しも安易!
クラッチワイヤー・メーターケーブル以外に
他に取外しを要求される部品も無く・・・楽勝?です。

ミッションの傾きでファンとラジエーターの干渉もなく
比較的?あっけなく降ろせます。


初めて見るBKのクラッチカバーとフライホイール。このフライホイール・・・SやAKと異なり・・・取り付けネジがありません!
堺の「Ys’の親方」に聞いた記憶がありますがクランク後部のオイルシール不良で漏れると・・・クランクシャフト交換作業(恐!)らしいです!


とは言っても・・・・実際に、オイルシールが組み込んであるのは紛れも無い?事実?なので、圧入してある?フライホイールを分離できれば交換できる構造では?

フライホイールも「組み立てクランクの一部品」と考えれば、納得・・・?

しかし実際にオイルにじみが(何十年も経ってるもんなぁ〜) 今回は当然・・作業順延・決定↓

喜んでヤリたい!!・・・作業ではありません! クランク・フライホイール分解の映像・他




クラッチを切る際の「セミの鳴き声」の音源はレリーズベアリングの損傷。

クラッチハウジング内部へのT/Mオイルの漏れが激しく、
インプットシャフトをまわすと、明らかなゴロゴロ感が・・・手に伝わってきます。

メインベアリング3点

の流用も決定したので・・

ベアリング交換に踏切り?ました!

クラッチ直後のインプットベアリングやカウンターのベアリングは

エンジン回転中は「クラッチを切らない限り回り続けて?いる」ので、

クラッチを切って、音の変化で異常を確認できます。

幸い?他のニードルベアリンクや、シンクロ機構、ギア各部に
ダメージがなく、ケース内部を洗浄後、組み付けました。

ボールベアリングは長期停車にによって
ボール溝に水滴がたまりやすく、この結果の腐食損傷の様です。

新品ベアリングを組付けるとなぜか・・・

「萌え萌えな気分」 ・・・になります。

職業病の一種・・・かもしれません↓

インプットのオイルシールは入手可能でした。

アウトプット側は同じサイズがありません。 35mm 62mm 9.1mm・・・・
9.1mmなんて・・明らかに専用サイズ!(この0.1mm差の秘密が理解できたら・・・BKマイスター!)

とりあえず・・内径が同じで幅と外径の異なる物を
なんとかして?・・・使います。

オートバイのフロントフォークを
輪切り?にして・・・。

チクワ?を作っていきます!

外周にシーリング溝を入れて完成です。

(このチクワの厚さ?が・・・先の0.1mm差の秘密?)


このフロントフォーク切り出しは、得意の"ヤッツケ仕事”ですが、硬さや加工性等の材質面でかなり優秀です!
さらに、棒材から削り出す作業より、安易に?はるかに早く!できます!(コレが本音?)

スプラインからのオイル漏れを

回避するために・・・

スプライン部に
シールP/Kを塗布して・・
一気に押し込むと数珠玉が・・・
新品のオイルシールに
機械塗布してあるグリスと一緒で・・

このプツプツ感も・・なぜか?萌え萌えな気分!・・・・病気↓



静かに?なりました。

BKトランスミッション編。辛くも、辛うじて?終了!!









燃料計の指示不良

燃料計が振らないので、タンク側のセンダー出力を点検しましたが、抵抗値は無限大。
バイメタル、バイメタルタイプではなく、BKは抵抗式(当ホームページ限定呼称=洗濯板タイプ
S800後期あたりと年式的に一致するので、正解?N360も途中から 抵抗式 に変わっています。



芸術的な形状(ひねり?有り!)のスライド抵抗と
ややミスマッチなアース棒?です。




昔の部品は本当に↑↑・・・よく考えられています。
機能性、耐久性、採算性は当然、現在の方が比較にならないレベルの話ですが、材質の至らない部分を人間の気持ちが補っている!・・・って思えます。
「気配りや優しさ」を感じ、人間が作った!って部品。現在の「極限的に突詰められた形状」もそれなりに魅力的ですが、「ホッとするような魅力」は全く!感じません!
大量に造られて、大量のフィードバックを受け、考えられない程の構造変更を繰り返して、現在に至った・・・日本車の各部品の造作は

・・・システマチックな「神の領域」の製品?





BKはタンク本体がゴムマウントされていて
タンクとボデー間のアースが不安定な事は否定できません。
この為にセンダーゲージ取り付けネジに
アース線があります。

ゲージがフタと本体が分離構造になるので、構造的に無理な感じはありますがクリッと曲がった針金アース?になっています。

金属どうしの接触ですので、
腐食やサビで、いずれは接触不良になりがちです。

特に今回の様に7年間も停車・・!
の場合は顕著な様です。

半田で盛って接触を確保しよう!・・と思いましたが、ガソリンは劣化すると、酢酸や蟻酸が精製?されて腐食が進行します。
(旧車整備の経験者の方なら必ず経験するあのすっぱい?臭いです。)このため、タンク内部では、普通の半田は真っ白になって、パサパサになりがちです。
バイオ燃料混合が義務化された様ですが、アルコール混入で、この傾向はさらに加速する?入れたガソリンは、早く使い切る!・・・新車、旧車にかかわらず・・・鉄則。


剥離したメッキ面は再度腐食しやすく、交換が安全策!ですが
補給部品は望めない!・・・ので、

接触面をステンレス製の小板で半田付けしました。
(延命策↓)

メーター裏の基盤に数箇所焼けがあり、
補修痕があります。

燃料計と水温計の電源です。

この時、もう少し冷静なら・・・・(何時もの言い訳ですが・・・黙!)後の追加・再整備は回避できたのですが・・・・。

燃料計が振れ始めたので、「The X Day」? も近づいた事もあり・・・・修理完了としました。





「The X Day」 の2日前に何とか納車をしましたが、その後2週間ほどで手痛い再整備に至りました↓



まず燃料計の再修理から・・・・再整備その1

オヤジさんは、「車両購入時から燃料計が振り切っている」って修理依頼でしたが、私は「振らないから直せばOK」と勘違いしていました。
7年の歳月が甘い修理業者に冷たい仕打ちを・・・。歳とると自身の思い込みが強くなるって事も!!・・↓


「ガソリンが減ってもゲージは満タン表示」修理再開です。

  ← 燃料計



水温計 →  

水温計にはレギュレーターがあり、燃料計にはレギュレーターがありません。
トヨタ車や、ホンダ車でもシビック・ライフ以降車では、一個のレギュレーターで水温計と燃料計を兼用するのは常套手段?です。

基盤を見ると、水温計・燃料計共に同じ電源を使用していて
レギュレーターの共用はありえません。
(黄色の追加配線は基盤焼けの当工場・修理跡)
今まで未経験な方式ですが、

個別レギュレーターの構造です。

名盤の変色具合や、部品本体のくたびれ方から判断して、この燃料計はAKのバイメタル・バイメタル制御のタイプの様です。
以前修理した際に新品部品が間違ったか、コレしか残っていなかったか?どちらかですが・・・じゃぁ〜BKの部品を!って事は・・・難儀!!

外部レギュレーターを接続して適合を模索しましたが
バイメタルタイプは本体抵抗が小さく、無理やりマッチングさせると、
燃料残量が少ない付近で・・・

ムチャクチャ・・・不安定!・・・採用不可↓

幸い?抵抗式のメーターは現役採用!ですので、センダー側の抵抗変化の一致した物を、安易に?取付高さを下げ、ケースに装着。

燃料計はかなり発熱があり、「かさ上げ」して通気を確保。BKの場合、鉄製ケースで、近隣?は開放。元々この設計(汗)ですので、許容できると思います。

名盤を付け替えて・・・・終了!


指針のデザインが・・・見逃してください!


今度は間違いなく?現物のガソリンを入れ走行状態で確認!!

・・・しました。 残量5リッターと15リッター表示です。

基盤焼けの原因は・・・・

AK(バイメタル・バイメタルタイプ)の物は、センダー側を抵抗式に間違って組付ると
BKの抵抗式に比べて約3倍強程度(燃料Full時)の電流消費がある様です。設計容量を超えて焼けた様です。

整備専門学校の学生だった頃から、何時も不思議に思っていましたが、
燃料タンク内にバイメタルタイプのような、弱いながらも「電気接点を持つのは大丈夫なんだろうか?」(実際、接点とタンク内部の隔壁には苦労の跡が見えます。)
こういう観点で見ると、比較的電流が大きい、バイメタルタイプは廃止されていく運命だったかもしれません。
・・・なんていっていると、最近は燃料ポンプがタンク内部に入っています。ブラシを持つモーターがガソリン漬け・・・なんて・・・。
実際は、余程、空気と気化燃料の比率がうまく合わないと?着火しないらしい?です。・・・安心?



最後に、高温域の表示が甘くなった水温計のセンダーゲージを流用品と交換して、メーター修理完了です!

右映像の
上がバイメタルタイプ
(S600と同じ?)


下がBKの抵抗タイプです。
(S800後期と同じ?)

流用品は頭は小さくなっていますが・・・ネジサイズは同じです!







与作は木をきる ヘイヘイホー ヘイヘイホー
 こだまは かえるよ ヘイヘイホー ヘイヘイホー

 女房ははたを織る トントントン トントントン
 気だてのいい娘だよ トントントン トントントン

 与作 与作 もう日が暮れる
 与作 与作 女房が呼んでいる ホーホー ホーホー
四十代半ばまで、この歌詞のイメージは・・・


なぜ?「単調で意味の浅い歌詞」を

何度も繰り返すんだ・・・!



「漠然と追われた生活」の中で・・・・フッと気づくと・・・

起きて会社で仕事。帰ってメシ食って、パソコン見て寝て起きて・・・休みは寝て、ボーっとしながらも家族サービス。翌日、疲れたまま仕事・・・。
非常識なレース参戦・・以外・・・きっちり“与作”な?自分が存在(笑・泣) 更に、その時間経過をまったく抵抗なく繰り返し。


ヘイヘイホー ヘイヘイホー   トントントン トントントン    そして嫁さんが・・・晩飯!晩飯!・・って怒鳴っている。







 ・不気味な(笑)前振りを残して・・・

本日“閉店”です。

次回作業は?・・・「与作」!!・・・?








次の再整備 その2

・・・エンスト、再始動難、加速不良・・・発生!
主原因はサビ・・・。

前回の修理時にストレーナーを交換。7年間の停車期間の間、ほぼ満タン状態でゲージ取付部から見た範囲内では、底部分のサビの発生は少ない方でした。
この条件の場合、空気とガソリンの境界になる、タンクの天井?付近のサビが激しく発生します。このサビが7年ぶりの走行で、一気に落下して燃料のラインに廻った!?

タンク底を強打して凹みがあり、吸入パイプが底に接近!

落下したサビを、一気に吸い出す要因。(パイプ映像はサビ取処理後)

同じく?ゲージ取付部から木の棒で凹みを修正。

赤井 秀和の・・・「どついたる!ねん! ・・・のノリです!

タンクは、一度サビが発生すると、その後もどんどんサビを送り出す傾向があります。最近のPPタンク(プラスチック!)の「ありがたみ」がよく解ります!
鉄製のものでも、ごく最近のタンクは「材質的に防錆能力」がありますが、BKの時代は・・・↓・・・。

劣化ガソリンの中に発生する酢酸や蟻酸のおかげで、鉄板は・・・ほぼ無防備!

ウン十年の月日は鉄板を深く侵食します。(サビ取り処理後の給油口)

この各種の酸の腐食防止対策に、一般的なガソリンタンクは「メッキや塗装の処理はしない!」のが普通です。
BMWのフラットツインのRシリーズには塗装処理がしてありましたが、停車がちな車両で、数年で剥げた車両を観ました!!



だからといってこの場合、大量のサビ発生を放置はできません。
サビ取りの薬品処理の・・・大きいリスク=穴あき! の恐怖をヒシヒシ感じながらも・・・作業着手しました。代替品は・・・ありません!




工場の壁に張り付いている赤い鉄板?と・・・歯車とモーター??を引っ張り出して・・・


やや?(かなり↓)怪しい雰囲気の・・・

部品構成?・・・ですが・・・。

薄日が差し込む田舎工場の隅っこで、・・・


システム“与作” 合体!


流行の・・・トランスフォーマー!!?
・・・なんて訳・・・は・・・あり得ません↓


2つの口金をゴムパイプで繋ぎまます。

廻っている間にパイプ間を処理液が移動して、
パイプ内部のサビを落としてくれます。

「与作ツール」?の中から・・・
ゲージ部のフタを選択

実は新規作成↓
T360=在る訳が無い!

タンクの「サビ取り処理を経験した方」なら、ご理解願える?
・・・と思いますが、処理液を満タンにしたつもりでも、
上部に空間ができて、全面的に!・・は・・うまく処理できません。

空気と処理液の境界にサビが残ってしまいます。

手で持って何回も“位置変え”しながら数時間!は・・・体力的に絶対無理!

タンクの回転ムラを安定させる為に
いろんな「バラスト」を各部に取付ます。

右の簡易バイス、通称 「しゃこマン」 

“与作”の名前の由来?です。



一度?・・・ご覧アレ!

実際に、システム与作 して?いる?地味〜な?

Utube 動画

ヘイヘイホー ヘイヘイホー   トントントン トントントン



モーターの電流値の変化が最小限になる様に、あっちこっちに?付けます!
液体が移動するので、思った様には設定できません↓

このモーターで一周・約15秒ですが、
リダクションモーター(Yahooオークションで¥1000−!)ですので、
このタンク重量では、0,2A程度しか流れません。

与作の原動力(電源!)は、液入りバッテリーに充電器を付け
モーター稼動中で、1A程度の充電電流・・・で使用します。
電流の足し算は合いませんが・・・
こうすると、直流モーターを安定的に動かせます。
バッテリー上がりや、充電器のみの不安定な電源
のトラブルの心配がありません。

何しろ、10時間以上の連続稼動!・・・の“与作”です!

均一に処理する為、数時間おきに一時停止して、タンクの方向を変えます。

手で回している訳じゃない!ので、安易に?疲労感なしに?実施可能!!

・・・どういう反応でそうなるのか不明ですが・・・
サビが落ちて黒い粉に変身する?時に酸素を奪う様で、この機材では完全密封される為、内部が負圧になります。
激しい場合、タンクが変形する事があり 酸素補給も兼ねて?ついでに?時々内部を開放します。

初期の段階で濃度の高い処理液を使った後、一度、高圧洗浄すると効率的です。

各部のサビの状態を確認して、様子を観て?処理液の濃度を5倍程度まで薄め、時間をかけて最終処理。(12時間程度)

この間に別な作業ができ、
有意義なはず?ですが・・・結構・・・

気になって、気になって、イライライラ!!




この後<強制乾燥>させ、水分を取ります!





この時点で一度車両装着し、ガソリンを入れて走行して確認。・・・・何を?


ピンホール発生!のガソリン漏れです!

サビ取り中に水漏れが無くても、こういうケース、多発↓ この部分を特定してから、コーティングしないとすべての苦労が無駄になります↓↓
後からピンホールが出ると、コーティングが邪魔して溶接やロウ付が不可能。一般的に、極端に激しいサビのある場合は、薬品処理は・・・諦めた方が安全策です。

検知液で確認すると3箇所発生!

しかも、腐食は外部からです!

この部分は補強の為の鉄板が真鍮ロウで点付けされています。タンクの場合、合わせ目のシーム溶接以外は、電気溶接は使用しない様です。
きっと溶接池の端が痩せて、危険を伴う為ではないか?・・・と思っています。

塗装を取って見ると、大きな隙間ができています。

この場合、この隙間に大きなサビの塊が・・・。

結局、鉄板を剥ぎ取り、別途製作した鉄板を
ラジエーター屋さんで一面?ロウ付けしました。

剥ぎ取った鉄板の裏には・・・・。

前側の補強は下向きですが、
後部は上が開放しています。

排水が悪くて腐食が進んだのかも?

ラジエーター屋さんの使うロウ付け用のフラックスは大変強力で、ほぼ欠陥の無い溶着ができますが・・・
タンク内部は・・・フラックスの酸で再度、薄っすら?サビサビになるので、すぐにサビ取り処理した方が賢明です!




この後、タンク用の防錆塗料を塗布しますが、個人的な意見・経験で何時もどおり?権威は?ありませんが
硬化剤を使わない1液性のタンクコーテングは耐久性に?マークが付きます。劣化ガソリンの酸で比較的簡単に塗膜と鉄板の境にサビを発生します。

旧車レースに使っていたオートバイのタンクは、
わずかでもガソリンが残っていると

殆ど100%サビで塗膜が浮いてしまいました。
(特に・・・白いヤツ!!)

当工場の ホンダZGSS も1液タイプ(銀色)で処理(当時はコレしか無かった!)レース終了時にタンク内部のガソリンを抜いて、乾燥後、倉庫入りする様にしています。
どんどん新しいガソリンと入れ替わる使用条件下では許容できますが1液、2液(硬化剤入)にかかわらず、ガソリン内の塗膜を全面信頼するには・・・少し?が付きます↓



なんて疑問や難点もありますが、このタンクでは、サビ処理がうまくいけば、この後の各部のピンホールの進行も含めて考えると、かなり有意義な面も否定できません。

10年〜20年なんて期間ではなく、当面の使用を目標にして?作業開始!!所詮、田舎工場の作業レベルでは・・・このあたりが?限界なのかも?・・・↓




ピンホールの確認?が終わったので、いそいそと?タンクのコーティング作業にかかります。硬化剤タイプのコーテング剤を使い、泡立てない様に丁寧に攪拌して、使用します。

←  こんな形のゴム栓で・・。


給油口の内側を塞いで・・  →
塗膜欠陥を無くす為に、給油口内部に優先的に

大量のコーテング液を流し込み、振り回し?ます。

←  同様に各パイプに注射器でコーテング液を
強制的にパイプの内部を循環させます。

あらためて、フタをして・・・  →

適当な?感じで振回し、内壁の全面塗布を目指します!

納得した?ところで、ドレンから抜き出しますが・・・


最終的には結構な量が余ります↓
(2/3は廃棄する運命!!)

固まる寸前にパイプ類をエアガンで
一度完全に通気させて

その後、触指乾燥するまで
給油口を回転方向を避ける様に取付け・・・

“与作”します!






なぜ “与作” 

この“与作”心底?「まじめなヤツ」。10時間以上も黙々と平気で?回り続けます。この工具を「しゃこマン」って呼びますが
この締め付ける部分の棒が特に?切ない?のです。数時間の間、チェーンのきしむ音(コリコリコリ)と、内部の液体が流れる音(ザーザァ〜・・・)
それに加えて、しゃこマンの棒が・・・与作板?がちょうど真横にきた時・・・・カッツーン・・・・って鳴くんです!

2〜3個、着く時は、それぞれが少し時間差をおいて・・・カ〜ン、カッツーン、コーン・・・って・・・余韻を残して工場内に響き渡ります!

一回転に2度、ほぼ正確に同じ周期で・・・カ〜ン、カッツーン、コーン・・・

コリコリコリ・・・ザーザァ〜・・・カ〜ン、カッツーン、コーン・・・電源を切らない限り・・・くそまじめに・・・延々と・・・


音が、切ないから(笑)気になって気になって!・・・止めてくれ!仕事に集中できねぇ〜よ!


・・って・・・当工場スタッフが・・・・この棒にガムテープを張った事があります!


音域は、やや高くて、音量は控えめ。・・・切ない↓響き渡る周期的な連続音・・・システム“与作”の真骨頂!・・・(笑)





硬化剤のおかげで、夏場なら2時間足らずで触指乾燥しますが、硬化を促進させて、耐ガソリン性を上げる為に、この後、強制加熱乾燥します。
加熱乾燥させると、塗膜の硬さや密着性が飛躍的に向上します。・・・さらに・・・素早く?実車装着可能です。

← ダンボール箱に床上状態でタンクを入れ


ヒートガンを取り付けます。 →

タンクに直接温風が当たると塗膜が煮えてブツブツになる事があるので、床上げや送風に配慮が必要です。

簡易・高温ブース完成です!



給油口やパイプ、側壁は滑らかな塗装面になりますが、
回転の円周方向の面には・・・


独特の・・・与作流れ(笑)・・・が残ります!


最近は音に慣れてきて・・・「鼻歌まじり♪♪」で作業していますが・・・その歌詞は・・・当然・・・(苦笑)


音に疲れて・・・?

 本日“閉店”です。






再整備項目その3・・・さすがに?少し 暗〜い雰囲気 ・・・が漂ってきました↓

  1)走行中に、正常なピッチで電磁ポンプの動作音がある!のに、燃料が来ない時がある。
  2)ポンプの連続音(空打ち音)がしてエンジンが吹かなくなり最終的にエンストに至る場合もある。

もちろんタンクのサビでストレーナーが詰まって・・も・・1要因ですが、どう考えても、1)2)両方の症状は説明がつきません。

1)は、燃料ポンプ自体の故障が想定されます。

電磁ポンプは燃料の圧力が規定圧に達すると、プランジャーのストロークを停止します。
チェックバルブの張り付き(長期停止車や長期保存部品に多発)や
異物による着座不良、バルブの「糸のようなスプリングスプリング」折損・・・がある場合、厄介です!
確実に症状が出れば、特定できますが、たまに・・・なんて場合・・・・厄介を通り越し?ます↓

一般的なポンプの話・・・
特に!このバルブスプリングの折損は・・・

ムカつきます!(怒)

燃料が普通に通っている時は比較的、正常なんです!
ほんの少し空気が混入すると・・・ムカッ!




アクティーの660のキャブ車(と言ってももう15〜10年くらい前の車両が殆ど!)には、ベーパーセパレーターって名前の部品が装着されています。
エアー噛込みを防止と一部をタンクに戻してキャブに送るガソリンを冷却する部品の様です。(キャブレターのフロー室の口金付近から、直接リターンするタイプもアリ。)
BKのキャブは取付環境がスカスカ?なんで、影響は少ない様ですが、4連キャブはフロート室下部に、ラジエーターの温風が直撃。
4キャブAKやS600やS800では、温暖化時代のヒートアイランド状態の  都会の停滞は、過酷?です。

右・現物です!

スカスカの?BKでも真夏の停滞時は水温がジリジリ上昇してきて、オーバーヒート手前の状態になる事がありました。
この状態で、一旦停車すると、再始動が著しく困難になりますが、(パーコレーション=気化した燃料で濃くなる!)
アクティーと同じで?アクセルを全開にして再始動すると比較的?簡単に始動します。

ポンプの取り付け位置も、元々の純正位置?
に特製ステーで電磁ポンプを取り付けてあります。


この位置は・・・。

排気管やエンジンが近く、被熱って面では、問題アリ! 燃料漏れの際は。(怖!) その上、エンジンの細かい振動が、デリケートな?ポンプを直撃!
この位置は、燃料経路の最下部になるので、「エンジン停止時・異物の混入」って面からも不利?(機械式でも同じ条件?)

上のアクティーの部品図の様に、最近の物は燃料タンクの上部にストレーナーと燃料ポンプが配置されています。
この位置関係は、メーカーにかかわらず定位置?なので、多分「いろんなフィードバック」の結果と思われます!





2)の原因はストレーナーでした。

このストレーナーは、針金フックが引っ張り、フタが黄線の様に歪みます!

更にコルクのパッキンがあいまいな為、この部分より空気を吸って、ポンプが空打ちします!
(特にタンク側のラインが詰まり気味で抵抗大の際!)


BKの映像が失敗作だったので、(汗・汗・汗)

S600の物を代理掲載。歪み具合が確認可能?

T360、S600に限らず、FIAT500や、トヨタ Spots800(UP15)、パブリカ(UP20)等、歴戦の勇士達も?このタイプのストレーナーには多発する傾向があります。
下部のネジを過度に締め付けなければ、いいのですが、漏れそうなら・・・締める!・・・人間なら?・・・避けられません!

柔らかい金属なので、キャブのチャンバーの様に、歪んだケースを加熱整形する事・・・も可能ですが、一般的?には・・・。




これらの状況判断?から・・・再々整備?克服!!の現実的?作業方針は・・・・



フィルターは何の疑いも無く?タンク直後、上方に取り付けました。「密閉式・使い捨て仕様」ですが、エアーの混入の不安からは解放されます!

金具とあわせても・・・¥1000−程度!!

車両の電磁ポンプは15年以上前の物で、どう考えても?今後の動作に(現在も!)不安。燃料ポンプも、ホースやクリップも、この際、最新の物としました。

動作音が小さく、静かです!


そして、機能の保障・・・あり!

タンク〜ストレーナー間の配管はそのまま利用しましたが、雌ネジのユニオンの為、5,3mmホースが使える様に、ニップルを加工して取り付けます。

最近は?一般的じゃ〜無い!荒い、

変な?ピッチ↓

タンク上方も検討しましたが、ポンプの背丈が高く、可能な位置は排気管が近いので、断念しました。
もう少し、小さいサイズの筒型や、方形の物を選べば良かったのですが ・・・後悔↓(こだわりが無い!・・・なんていいながら、なぜかホンダ純正部品)

元々のストレーナーが在った場所の

やや後方です!

BKの元の機械式ポンプは・・・出口と入り口のパイプ径が異なり、キャブレターの直前のパイプは細くなっています。(ゴムホースも!)
パーツリストに拠ると、BKの最初の年式では同径の物もある様です。吐出側が細い?・・・どういう意味があるのか・・・不明です↓↓

電磁ポンプ側は同じ径なので、
異径のジョイント
途中に?
取り付けました!

小径の場合、ホースのひび割れの発生!
大径の場合、エアーの混入を回避する為です。

結構な加工時間が要るのですが、

車上では、存在感は、まったく・・・ナシ↓





サビの無いタンク、エアーの混入の無いストレーナー、動作保障のあるポンプ・・・その他・・・多数!・・・で試運転に臨みました!
一応?納得できる状況ですが、気持ちが引っかかる?症状に気が付きました↓ブレーキを踏んで、ウインカーを出している時に、
偶然燃料ポンプが カタッ・・って動作した際にエンストには到らないですが、何かの拍子に?エンジンが失火する事があります。


電磁ポンプの電源が、イグニッションコイルの電源と同じ位置でつないであります。

早速、同じ条件でこの位置の電圧を測定!!

・・すると・・。

ブレーキ、ウインカーの組み合わせでは問題ありませんが、ポンプが動作した際に・・・一瞬ですが、11、3V付近になる事があります。

元々の配線がかなり細く、イグニッションの他の消費電流が有り、その上に追加して
アイドリング付近の発電電流とポンプの一時的な電流消費を足し引きする?と・・・失火に至る様です。

当時の普通車では、セルモーターを回した時に11Vを切ると・・・バッテリー能力不良!・・・なんて基準がありますが、
この11Vはポイント式点火の最低保障電圧では?・・・と勝手に思っています。

近所の?B電源から、元の配線を信号にバイパス・リレーを取り付けました!・・・が・・・

今度はキーOFFでも

エンジンが?・・・止まりません!

こんな単純な配線で・・・・なんで!!・・と考えているうちに・・・BKは・・・DCダイナモ!(セルダイ)・・・である事に・・・やっと気が付きました!

詳しい解説は(面倒な上、ちっとも面白い話題ではない!その上、頭脳が煮えるので!!)避けますが、
DCダイナモの場合、アイドリングの回転数に拠っては、IGラインに2〜4Vの電圧が残存する事があります。

このため、日本製の優秀な?リレーがONを継続して・・・エンジン停止せず!・・・・状態でした。

一部の構成部品を交換すれば、解決しますが、・・・不具合が派生する?可能性があるので・・・もっとも原始的な、電圧降下抑制策(大げさ!!)を実施しました!

この型の端子に・・
十分な太さの配線を
キー裏側の
IG端子に割り込んで

キー直後にフューズホルダー設置!


この位置まで?引っ張り?ました!

原始的な手法ですが、副作用?も無く・・電圧降下には・・・効果絶大!(嬉!)

旧車の場合、電圧が落ちる要因は・・・盛りだくさん?テンコ盛り!ですが今回はキーシリンダーの接点がOKだったので、実施しました!!



配線内部で分岐するポイントは、概ね下の映像の様になっています。(日本車の場合です・・。)
テープを剥がすと、金具でカシメてあります。(旧い物は更に半田処理してある!)こういう分岐は3分岐に限らず、多い場合は、6〜7本に及ぶ分岐があります。
このカシメ自体は優秀ですが、何かの追加作業やトラブルで特定の一本に電流が集中した時、この部分が焼けて、接触不良=電圧降下!に至る事があります。

国産メーカーには、この配線分岐を表示した配線図があり、本気で?修理をする場合大変有効です。



水没や事故修理以外・・・当然?
最近はまったく利用する事はありません!


<突然?・・・余談>

少し前のドイツ車は、「マイスター的な独立志向」で設計されていて、各ユニット別に配線がそれぞれ単独で設定。(線がとてつもなく多い!)
特定部分を修理するには、見やすく思えるのですが、連携が判り辛く結局故障発見に至るには難儀でした。
MB/W124の前期型、BMW/E30を最後に、「簡便でチームワークの良い?配線処理」を飛び越えて?
一気にロジック・コントロール(メインコンピューターを持つ集中信号処理)に移行。
修理関係者はびっくり!反面、この時期あたりから、外車の各部構造が「日本車化」・・・そして街にあふれる様になりました。
偏った意見ですが、英国車修理は、この面で「大の苦手」。高級・高額化したのに、故障が多い!周辺部品が追いつかない!特に配線関係の処理や品質は最悪!

大量に造って、大量の市場からのフィードバックがあって、車を大衆化しながらも、どんどん信頼性を高めた日本車。それまでの車の歴史的に、異様な存在かもしれません。

そして、模倣の産物の日本車は、独、米、仏、伊・etc システム的にも、製品そのものも・・・ 「パクリの対象?」 にまで成長した?

<配線処理> こんな見えない場所にさえ国民性が・・・(悲!or自慢?)





そして・・・T360(改)納車日。


フロントガラス越しの“おやじさんの笑顔”
後方で見送る“スタッフの笑顔”

そして・・・カメラを握っている・・・私も・・・!






AKで2時間以上の距離を、親子で引取に来店。

街中の停滞で、ちょっと・・・オーバーヒート気味!じゃぁ〜(笑)

ちょっと・・・狭めぇ〜な!

前回のAKの修理の際も・・・オヤジさん、何事も?先頭。


さぁ〜帰宅じゃぁ〜!!と思いきや・・・

今回 “2代目” が先頭です。








T360も「田んぼの田舎工場」を数ヶ月ぶりに離れ・・・


穏やかな「山の田舎生活」に復帰しました。



旧車修理は完成予定がまったく予想できません。(何時になるか判らない↓が正解!)
以前、何日まで!なんて言う様なオヤジさん・お母さんでは無かったのですが、今回は、やけに The X Day にこだわります。(特にお母さん!)


The X Day・・・オヤジさんの誕生日 (泣)


我が家の嫁さんに、こんな事言われたら、保険金額を必死で?確認しなければ!(笑or深刻?) もっとも、そんな心配をする必要さえ?ありませんが↓




30代の2代目は、「学生の頃、コレでオヤジと鳥取砂丘まで言ったんじゃぁ〜」・・・と、懐かしそうです! 一方・・・オヤジさんは・・・

幼く、かわいい

新しい“ナビゲーター”がいる様です。





 新任のナビには・・・T360(改)・・・助手席は十分な広さ!きっと2代目もその頃・・・そんなに狭くはなかった!のでは?(笑)







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今回の T360(改)修理作業に際し、各地・各方面より、入手困難な、資料・部品提供、及び作業指導を戴きました。

日本全国の HONDA・AK250 J’s Meister 各位に、この場でお礼申し上げます。


田舎工場・スタッフ一同