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情報一覧表 ハワイ エピソード編
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 一人の背の高い女性が、マスタに近づいてきた。
歳の頃なら50代後半。面長でしっかりした物腰。どうやら後ろのお祝いグループの主役のよう。
「Dance With me?」
バンド演奏をバックに、なんとマスタへダンスの申し込みだ。
「よっ、色男!」とはやし立てたいところだが、マスタの顔を見ると乗り気ではない。
「ごめんなさい。後で!」と表情を通訳した。

その「後で!」はなかったが、グループが引き上げるとき彼女は、
「どうぞ」
と高そうなシャンパンを持ってきた。リボンの付いたボトルだから彼女が貰ったものだろう。
そして、たどたどしい日本語で
「楽しんでください」
と・・・。マスタは、もてるねえ。よ!色男!
「得したねぇ。宿で冷やしてみんなで飲もう!」78歳のマスタに、少し照れが見えた。

 軽やかなJazzを演奏してくれていた専属バンドが休憩に入る。
4人のメンバーは、バーテン前のカウンタに座ったり、奥の休憩室に姿を消したりで、次の演奏に備えている。
青いアロハに髪の少ない小太りの中年客が、バンドリーダと話をしている。
小さな笑い声が起こった。
どうやら「休憩時間に私に演奏させろ」との交渉が成立したようだ。なんともアメリカ的。

 リーダーから紹介の後、楽器を借りて彼の演奏が始まった。
ギター弾き語りのカントリー調のバラード。なかなかうまい!場内は拍手大喝采。
次の曲は、専属リーダーと二人で、即興の掛け合い。まず彼が歌う。
 ♪ロゲイン、ロゲイン。CMに乗せられ勇んで買った。使い続けたが私の頭は〜、ロゲイン♪
長めの間奏の間に即席で考えたリーダーの返し歌。
 ♪プロテイン、プロテイン。CMに乗せられ勇んで買った。使い続けたが妻の体は〜、プロテイン♪
観客の笑顔。やんやの喝采。
ノッテきた。
 専属メンバーが加わり、ロゲインの演奏者の仲間たちが楽器を出してきて、ジョイントが始まった。
すごい、彼らもどこかのバンドのグループなのだ。タダでこんな乗り乗りのジョイントコンサートを聴いていいのだろうか。いいねぇ、アメリカのハワイの酒場は・・・。