休暇というもの           

 今シーズンの北海道ニセコスキーツアー程、休暇というものを考えさせられたとは無い。
いやあ贅沢なツアーだった。金ではなく、心がとびきり贅沢な気分になれたのである。
祝日である水曜日から出発し土曜日までの3泊4日のスキーツアー。
職場のスキー仲間5人で2日間の休みを取ってのツアー。
初日のナイタースキーはもちろん、中2日は平日のがらがらのゲレンデ、がらがらのゴンドラ・リフト。
誰も滑ってないふかふかの新雪の深雪で浮遊感を楽しんだ次の日は、朝一番の真平らに均された、だだっ広いロングコース。人はいないし雪面は転んでも痛くない。
当然のことながら、皆、心のリミッターを全部外して大暴走する。
柔らかい雪面を感じ取り、顔の筋肉を緩め風を切り裂くと、ストレスも後へ吹っ飛んでいく。
ああ、幸せだ!リッチだ!すごく贅沢だ!と・・・。 心の開放、これぞ「休暇」なのでしょうね。


カナダ・ビクトリア港の大道芸人と ゲレンデや温泉のお客の5%以上が、夜の繁華街は70%以上がオーストラリアからのスキーヤー。
家族、夫婦、グループ、個人の休暇の人達がいっぱいいる。彼ら"休暇"で来ているとのこと。
そう言えば我々も休暇なのだが・・・。
ゴンドラで2組の方と話したが、GWや盆休みや年末年始がPublic holyday(休日)であるのに対して、平日、他の人が仕事をしているときに、心を開放するために少し長めの休みで旅行などをするのが、holyday(休暇)と使い分けているようだ。
とすると土日や連休の混みこみの観光地へ行ったり、短すぎる旅行は休暇とはいえない。
疲れるための疲暇かも。


 労組から「北海道ツアー3万円〜3.5万円」の案内があり、パンフをみると1泊2日2食付き。
12:00の岡山発のエアーに乗り、登別/札幌/小樽のいずれかで泊まり、14:30のエアーに乗って夕方帰ってくる。説明してくれた方の「出張みたいでしょ」は、言いえて妙だ。
この手のツアーか大手を振っており、「休暇をとりましょう」という労組が薦めているのが今の日本。寂しいね〜!


 実はニセコツアーには6名予約した。1名が直前になって休暇前と休暇後に出張が入り、準備のために止む無くキャンセル。
2ヶ月半前に、この日に休暇を取りたいと申し出て、クラブの代表からも配慮を依頼されて、
「本人の仕事の段取り次第だ」
と言ってのけ、1ヶ月前に、再度クラブ代表から配慮を依頼され、
「2日間の休みでも、(祝)土日を含めると5日間の休みだから・・・」
と言う上司がいるのが現実。
 組織に対して依頼された出張を、部下の休暇予定の前後に放り込み、結果的に彼はツアーをキャンセルした。キャンセル料18,000円也。
仕事を組織でなく、個人に頼っている。その業務マネジメント能力は?と疑いたくなる。
それが今の日本。寂しいね〜!


 「皆仕事しているのに・・・」なんて、後ろめたさを感じてると、いつまでも本当の心の休暇なんて取れやしない。ストレス抱えて、煮詰まった状態でいい仕事なんかできっこない。
「いい仕事には、いい休暇」「人生を楽しむために働こう」「休暇は貰うのでなく取るものだ」
本当の休暇を知ろうぜ日本。