「ルールが分からないから辛いよね」

      

 ジャスパーでのラフティング挑戦。
黄色のボンネット型のスクールバスに乗る。
後ろ1/4のスペースには、オレンジ色のライフジャケットが、
ずらり干してある。濡れて少し汗臭い。
「朝1番のツアーなら乾いているかもしれんな」とは、私的発想。

 アサバスカ川に沿って、アイスフィールド・パークウエーを南へ遡り、バスは広い河原へ下りて止まった。
降りるとき、荷物はそのままで良いのか迷ったが、周りの人のように車内に置いておく。


 2つのグループに分かれて事前講習。
通常時の姿勢と高波を乗り切るときの姿勢、緊急時の対処の仕方などを教わる。
インストラクターは30歳位の顔中髭だらけのお兄ちゃん。
我々2人に「早口ですまないが・・・」と気を使いながらも、どんどん説明する。
かなり詳しい説明の言葉は頭の中で、行き先を失い消滅している。これは、わが子の前での、辛い拷問である。
小生は、小3のチサへ
「ほら、ああやるんだよ」
と通訳する。
チサが、ぽつりと言った。
「ルールが分からないから辛いよね」
その通り。辛いよ、ハニーがいないと・・・・。
口には出せず、心の中で叫んでいた。