ラフティング       

 インストラクターの動作の成果と、周りの人の動作を頼りに、我々のクルー8人のゴムボートは出航した。5人家族と我々2人家族に、先ほどの顔髭インストラクターお兄ちゃん。
最前列に5人家族の父親とハイスクールの長男。
2列目に6・7歳の次男と三男。
3列目に日本人の我々が挟まり、
最後列に母親とインストラクター。
幼い者と不安な者は中央に乗せて安全を確保するようだ。

 第1関門の急流にさしかかり、ゴムボートは波の形に捻じ曲げられる。
全員ホールドの姿勢をとって、白く波立つ水の壁に突っ込んでいく。
悲鳴の歓声としぶき。

 ベッカーズ・シャレーが近づいてきて、ハニーが手を振る。
「She is her mother !」と紹介したが、これまた日本人的発想。「She is my wife !」となぜ言えない。

 第2・第3関門と続いてかなりしぶきを浴びたところで、
「大きな白波があるぞ。さて、誰が一番濡れてないかな?」
のインストラクターの質問に、
「お母さん!」
との子供たちの答え。
「よし、いくぞ〜」
と、左前方の白波を捕まえに、皆で生き生きと強いパドルを漕ぐ。
最後にインストラクターのオール捌きで、ボートは向きを変え、母親の座る最後部から水の壁へザッブーン。