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欧州編 行程マップ  パリへの道のり
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ご存知ルーブル・ピラミッド 長蛇の列のルーブルを眺めながら考えた。
「絵画はいつか日本で見えるかもしれない。けれど、パリのこの雰囲気は、パリでしか触れられない」と。
「近くにオルセー美術館があるけど行ってみる?」
気をつかって尋ねる妻の言葉も、うわのそら。「ここでしか触れられないものに、触れよう」と、何度も自分に言い聞かせていた。目的の変更、心のハードル越えの瞬間であった。

 今回の旅の目的は、妻は、"パリの下町の風情、ほんとのパリに触れること。""セーヌにかかる様々な橋を自分の足で渡ってみること"と決めていた。
私はスイスアルプスの山歩きが主目的だが、ルーブル博物館で、モロー美術館では見えなかったサロメの絵を見よう、と決めていた。


 私が旅の目的にこだわり始めたのは、学生時代の旅の苦い経験からだ。
バイトと自炊で貯めた50万円で、アメリカ、カナダを1カ月間一人旅したときのことだった。
バスターミナルのカフェテリアで、同じ日本人学生との情報交換時に、大きなショックを受けた。
彼等は何らかの目的を持ってここに来ているのだ。
「ジャズレコードを買あさりに来た。」
「XXXのノーカット映画を見まくっている。」
「ギブソンのハミングバード(ギター)を探しに来た。」等など。

旅はWhat→Where。そしてHowにこだわれ! それに比べ、私の旅の目的は「アメリカ、カナダへ自分の力で行くこと」。
だから、大阪へ格安チケットを買いにいき、神戸のアメリカ領事館へ2度も行ってビザをもらい、韓国ソウル経由でロスアンジェルスに着いたときに、その目的は終わっているのだ。
「何か、目的を持った方がいいよ」
旅慣れた髭面の一人にアドバイスされた。
 何時間も懸命に考えて、少しばかりの経験が活かせそうだから「国立公園のあり方が、日本とどう違うかを見よう!」と決めた。
 目的を持てば、旅は変わる。
「日米の違い」は、「アメリカの中の日本の存在感」に発展し、アメリカの大地を歩きながら、太平洋に浮かぶ遥かな日本をこの目で見た。と言うとかっこいいが、日本国内で日本を考える視点から、アメリカ大陸から日本を考える視点に変わったのだ。あの旅の大きな成果だと、今も感じている。


 パリ東駅の案内所でもらったパリの地図を宿のベッドの上に広げて、二人の頭を突き合わせる。
「パリでしか見られないものは・・・」
「石造の寺院は、どれもかわりばえがしないし・・・」
「モンパルナス墓地のサンサーンスのお墓は?」
そして二人の頭が合ったのが、カタコンブ。地下の墓地である。
明日の朝、メトロと高速地下鉄(RER)を乗り継いで出かけよう。


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