本来なら、このシールの受け側のシャフト等の交換(キズ在り)も必要です・・・が、
プラチナ製?のシャフト(笑)が到着すると、当方で扱いに難儀しますので・・・。
シャフトにキズは残っていますし、シールのゴム部分もゴージャスな外観からは想像できないほど、旧い設計ですので、
国産車並のオイル遮断能力には、程遠いものでは?とは思います・・・。
実際は、オーナーの年間走行Kmから判断しました。
ミッションの出力側も同時交換しました。(同じく金色!です。)
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右映像は、メーターケーブル取出し部です。この部分も、走るとかなりオイルを噴出します。
よく見ると内部にオイルシールがありません。(設定が無いのか、どこかで外した?)
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アルミより膨張率の大きい真鍮でカラーを旋盤で削出し、
国産のシールをはめ込みます。肉厚は、約0,4mmです。
インチからミリ換算後のシールの締め代が、少しきついですが、
シャフト回転数が低く、許容できると思います。
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追加、ご依頼分のリヤダンパーのオイル漏れと、減衰力不足修理の件です。
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ダンパーのオイルシール(ただのゴムの輪!)が、
シャフト径より2mm程小さい!のです。(アメリカの修理屋さんの苦肉の作?)
当然、走行中にほぼオイルが無くなります。
外観はサビサビですが、減衰力調整のソレノイドバルブは、正常作動なので、
今回、修理作業に突入?しました。ソレノイドの部品転用の段取りをすると
ボケ気味の日本人修理業者は寝込んでしまいます!
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オイルシールの接触面に条痕磨耗(泥をかみこんで発生)があり、
ここを何とかしないとシール交換してもオイル漏れが再発します。
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シャフトを削り込んで研磨
ホルダーもJIS規格の
オイルシールのサイズに
内径を合わせて加工します。
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日英同盟・・・?の成果です。
(大型オートバイのフロントフォークのオイルシールです。)
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シャフトの研磨加工により、シールの締まり代が0,5mmになりますが
内部シリンダの圧縮による油圧を受けない部分である事と、2mmの空白?よりマシ!と・・・強行しました!
これで、あまり耐久性が無い場合、研磨したシャフトを、Feメッキして、再研磨すれば、完璧ですが、
時間的問題で今回はこの方法にしました。
受け側ブッシュの磨耗が意外なほど少なく、ビックリです。右下が、交換前のただのゴム輪?(USA製)の画像です。
減衰力を調整できるオリフィス(ワッシャー厚さで調整)がありますが、今回この部分は元々の数値にしています。
作動油は、当社オリジナルブレンド?(フランス製5♯と日本製20♯の混合)
動作の起動トルクの感じより適当な堅さに?・・いい加減な表現ですが数回試運転後、決定しました。
明日午後より納車いたします。 代車のPas(電動補助自転車)を出しておいてください!
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イスパノスイザ式ブレーキサーボ
イスパニア と スイス って意味らしいです。(当社顧問の金象印さんより教えて戴きました。)
何だ、スペインとスイスの間だから、フランス製か!・・・なんて訳ないですね!
(冗談はともかく、戦前戦後の、戦車や飛行機、高級車にこの名前が出てくるらしいです。)
フランスあたりのおしゃれな本田技研?・・が当方の田舎的認識です。(苦・汗)
こういう機構に妙に(笑)興味のある私は、クラッチディスクのような物?を使い、
ミッション出力をブレーキのサーボとして利用する発想に感激する!・・反面、
「どうやって、ブレーキの踏む力に比例した力を出すか?」なんて、興味深々の部分です。
昭和40年代の頃の車を乗り継いだ方なら、
倍力装置の無い(あるいはアシスト量の少ない)ディスクブレーキ車の感じを“右足”が覚えていると思います。
(力いっぱい踏めば?結構いい感じなんですが、踏み始めのフィーリングが頼りない!)
逆にドラムブレーキは機構上、自己サーボ機能があって、初期フィーリングは良いのですが、
少し強めに踏むと、カックンブレーキになります。(倍力装置付きが特に!激しい。)
この感じは、私の場合“右足と、首スジ”が覚えています!(笑)
(最近のABS付きの車両の一部には、わざとカックン状態に近づけて?ABS領域に入れる設定車あり。)
日本車が、このジレンマを乗り越えたのは、昭和50年頃以降に発売された車からだったと記憶しています。
(この頃でも、高速走行のブレーキの容量は、ヨーロッパ車に比べかなり控えめな感じでした。)
クラウドV(昭和42年式)・・・走った感じは、既に、この“ディスクブレーキのジレンマ”を克服しています。
現車のこの部分に何か、“秘密”がありそう。
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4本コンロッド状レバーの内の2本のレバーの大端部にカム山があり、
レバーが前後にずれる事で、サーボディスク圧縮圧をコントロールしています。
この“ずれ”を利用してブレーキぺタルと
マスターシリンダーの補助力を比例的に加える、機械的ブレーキ倍力装置です。
(この時代に作動しなくなった場合の最低機能補償も有る様です。)
リフト上で後輪を空転させ、ブレーキを踏むと、
この4本のロッドの動作具合に
・・・思わず唸って、更にニャっと?してしまいます。
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ディスクが磨耗した際、先端ボルトで調整するのですが、この調整をどうにか理解しないと、
ブレーキフィーリングにかなり影響します。(体験済み!)この調整の説明文が、このページの巻頭の映像です。
元々「純粋な日本国の地方生誕の田舎オヤジ」であるの上、
米語と英語の違い、辞書に載っていない「英国自動車業界特殊用語」がテンコ盛り!
英語に堪能な方にお願いしても、構造と特殊用語が判らないので、意味不明な文脈に・・!
結局、自力でなんとか・・・・・!中学の頃使っていた英和辞典と、インターネット上の用語の解読を重ねて、
まる一日ががりで、「田舎的翻訳文章」を完成!して調整終了しました。
自動車整備が、こんな頭脳労働なら、修理業者にならなかったのに!震えた?ボールペン文字がその成果です!
この機構は、構造上、車速が下がってくれば、アシスト量が減少して、
停止時にアシストが全く無くなります。(ミッション後部出力軸の回転が原動力!)
この事実が、この車オーナーの方々にある伝説を継承している様です。
ロールスロイスは、後部席優先の車だから、停止直前のカックンを避ける為に
ゆっくり走っているとブレーキが効かない!運転手付きの設計なんだ!
積載車で日本有数のヘンコツおやじ が持ってきた折も、
「載せるとき、積載のキャビンに追突しそうになるんだ!」・・と言っていました。
この修理後オーナーから連絡があり、「普通の車のブレーキになった。」・・・と笑っていました。
確かに、停止直後にアシストが無くなり、ペダルを通じてドライバーに伝わりますが、
一般的使用に支障がある程ではありません。リヤダンパーの機能が戻って、停止時の車両姿勢安定も要因だと思います。
サーボのディスク磨耗にあわせて、その都度調整をする必要がある様です。
The servo ajutment shoud be checked every 6000 miles.
It is recommended that this be carrid outby an Offcialy Appointed Retailer.
Offcialy Appointed Retailer=公式指定小売り人
なんだ、オイラ、調整しちゃいけないんだ! (苦笑)
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この車・・・昭和42年製です。ちょうど日本では、ホンダS600やS800が新車で現役だった頃・・・。
後部座席に人が乗った際に(手元スイッチで)減衰力を切り替える機構。
A/Tの変速ショックは滑らかそのもの!(大きな排気量で、実用回転域が狭いって事情もアリ。)
V型8気筒のエンジンも、振動面で、特に特殊な機構は全く無いのにウルトラスムーズで静粛そのもの!
そして・・イスパノスイザ式ブレーキサーボの機構。 このサーボと大きなフロントディスクブレーキのおかげで、
高速道路走行時も、旧車にありがちなブレーキ不安は、全く感じません。(ボデーパネルはほぼアルミ製ですが車重は2t超!)
対して42年頃の日本車。前向きな勢いは感じるが、・・・勝負に、なってねぇ〜な・・こりゃ!(当時は!)
そして40年後・・オートバイも4輪車も、殆どの国外名門メーカーを踏み台にした Made In Japan。
車社会にも「日本製」ブランドが確率されつつある現状。
この?「日本製ブランド」の驚異的な激しい勢いの倍力装置と原動力は・・
いったい何なんだろう?・・・
(田舎オヤジにゃ関係ねぇ〜か!)
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