それぞれのドラマ。いい笑顔で帰ってくる。
毎年12月第2日曜日の、まだ薄暗い朝の5時、花火とともにスタートするホノルルマラソン。
参加者2万6千人の内、なんと半数が日本人である。
「勢いでホノルル」「誘われてホノルル」「念願のホノルル」「いつものホノルル」。
中学生とお父さん、OL、壮年のグループ、見るからによぼよぼじいさんまで、様々な日本人が走りに来ている。
目的を持った旅をしたい私はよく、海外旅行から帰った人に「で、何をしに行ったのですか?」と質問をすることがある。別に意地悪ではなく、興味があるからの質問だが、明確に答えてくれる人は稀だ。
ここで走っている人たちは違う。「ホノルルマラソンを走りに来ている」のだ。
「8時過ぎだから、そろそろ応援にいかなけりゃ」
宿から歩いて10分程のゴール地点。
人で埋まった花道の両側には赤と白の風船がランナーを待ち受ける。
♪軽快な音楽♪をバックにDJが、晴れやかなゴールを実況する。
「続いて15367番の○○君。彼はカリフォルニア、私の故郷から参加してくれました。今ゴーイン!おめでと〜う!」
応援の人たちも♪リズム♪に合わせて体を動かし、手拍子で次々にゴールに向かうランナーを励ます。
晴れやかで、和やかで、いい雰囲気だ。