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マリーンレイクのボートハウスでのドラマ

 23年前。レンタカー即席ツアーグループの我々4人は、
ジャスパーから、さらにマリンレイクへ足を伸ばした。
砂埃の舞う砂利道で、ヒッチハイクの女性バックパッカーを乗せ、
欧米人に支援できる日本人を演じる。相手は割切っているが・・・。

 到着したマリンレイクは、ボートハウスがポツンとあるだけの、
おおよそ観光地とは言えない湖。観光客も3〜4組。
午前中に訪れたレイクルイーズとのギャップに戸惑う。
湖岸に出てきた大きなエルクとコヨーテ?へ、
布施さんが、かじり掛けのリンゴを投げたが、警戒して食べようとしない。
(餌をやるのは、日本人の悪い癖である)


 赤屋根のボートハウスから伸びる木の桟橋。
若いカップルが大きな声で話しながら、沖へ向かって歩いている。
ジーパンにTシャツ・タンクトップの軽装の二人だが、突然の悲鳴と水の音。
女性が湖に突き落とされたのだ。
ボートハウスの親父が、のっそりと出てきて、
「What's the matter?」(どうかしたのか)
「Just a jo〜ke」(ご心配なく。ほんの冗談ですよ)
溺れた振りをして、親父と一緒に助け上げようとする彼を引きずり込もうとし、
最後は彼が自分から飛び込んで、2人できゃっきゃっと戯れている。
手を広げ首をすくめる親父。

「おいおい、水に突き落としといて『ほんのジョーク』だって〜」
布施さんと一緒に目を丸くしたが、
日本人の我々に焼きついた、カルチャーショッキングな憧れの風景だった。


(23年前と変わらぬボートハウス)