田舎修理工場都会へ 筑波参戦!







EvolutionU・・・ランサーだな・・・。
超多忙な職種のお客さんから、一報あり。

「旧い・・ですけどEvolutionU買ったんですよ。
エンジンの調子が悪いので診て下さいね!」

エボUだったら資料も比較的簡単に入手できるし、OKですよ!・・・。





そして数日後・・・

入庫した車両は・・・

ほんの・・・少しの事なんですが・・・

思っていたより各部の造作が・・・ 派手ですねぇ〜 

・・・黙↓+涙X2!




数十年来のお付き合い・・・断れねぇ〜な・・・こりゃ・・・!



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購入後、3年程経つが、ある時期から、
突然に異常発生!
冷間始動不良の時がある。
走行中にアクセルが開いたり閉まったり!怖い!
調子良い時もあるが、突然アイドル回転が3千付近で上下する。
アイドル回転数が、急に極端に高くなる事がある。



最近、視力の問題で、細かい字に、強い拒絶反応が・・・

更に・・・頭脳の中身が腐ってきて、以前以上に?英語を受け付けない!が・・・。





三菱・ランサーじゃあ〜ない! EvolutionU KEジェトロニック・KE3 Enjine 102.992 Cosworth Type 2.5L・16V


ええぃ〜!OHCの190Eと変わんねぇ〜ヨ! (そんな訳ねぇ〜!のは判っている!) “単なる気合”だけで?修理開始!




300Eや190E、更にAUDIのKEジェトロニックの修理経験がある方でしたら、コノ症状なら、現状は?比較的簡単に把握可能。

KEジェトロニックは、機械式連続燃料噴射システムに、電子制御機能を付加した物!

・・・と何時も通り?勝手に?“田舎的理解”をしていますが、この付加された電子制御部分に異常が発生した場合、
最低限の走行可能な、機械的制御を残した状態 = フェイルセーフ状態 ・・・になります。
(この際、冷間増量や、始動後増量を電気的システムに依存しているので、始動に手間取ります!)
最近の完全?電子制御インジェクションシステムのセーフモードとは少し考え方が違う!・・・旧ドイツ式?

現状はこの状態です。

故障箇所が復帰する場合は、キーOFF後再始動後、復帰しますが、冷間始動不良があるので、復帰しないか、始動直後に異常が発生するケース?


コノ映像はエアーフローセンサー(機械式)の位置を感知するセンサーですが、
左の止めネジカバーが外してあり、更に調整ネジが黒い塊で塞いであります。


コレを発見すると、殆どの場合・・・くら〜い気持ちになります。

コノ部品は、ベンツからは単品で部品設定が無くて、ユニット全体で、確か(OHCの190でも)¥20万以上だった記憶が有ります。
BOSH製の場合、単品で入手可能ですが、・・・・この調整作業が、頭痛の根源?です!



一般的なサーキットテスターでは、現在の電圧状態は計測できますが、
瞬間的に発生する異常が掴めないので、

「過ぎ去った?過去」を記憶できる機材・・・を装着し、様子を伺います!
(入院経験がある私は、この「機材を付けている状態」に、つい、同情・・・。)






上側がこのセンサーの出力電圧。症状発生時、極端に異常な変化は見られません。

アイドリングが不安定で、判定し難いですが、
アイドリング時の基準電圧より、若干低い(0.1V程度)感じです。



こりゃ、やっぱり・・・イヤ〜な、パターンだ!




この年式あたり?なら、ベンツもダイアグ(自己診断機能)があり、表示方法も、
電圧計の数値(フィードバック信号)で判断するタイプと、
アイドリングスタビライザーのONのパーセンテージで表示するタイプと
ダイアグコネクターにLEDを繋いで、フラッシュコード(点滅回数)を診る物
・・・だった記憶がありますが、このエボリューションUは、フィードバック信号表示型でした。

しかし、その表示項目は・・・特定の箇所を指示しません!
KEジェトロニック・コントロールユニット交換!・・・か?

・・・と思わせる内容ですが、経験的に?ユニット不良は稀です。(コレも定価¥20万以上!)

田舎工場なので、データー豊富!・・・である・・・訳が無い!のですが、
この症状の場合、何かしらの異常を発見できないまま、センサーやその他の要因で後から無理やり調整しているケース!
その一部が、エアーフローセンサー横の「位置センサーを後から調整している形跡」です。
実際このセンサーが汚損して不調になる事象(かなり激しいハンチングが急に発生する!)
・・・故障は有りますが、その場合はオシロの表示電圧に記録されます。・・・今回は該当しません。

この場合、なぜフェイルセーフモードになるか?イマイチ不明なんですが、
TOYOTA や日産車の場合、空燃比が目標値より外れた場合、一定時間を超えると、異常検知するシステムがあります。
(何故か不明なんですが、リーン側とリッチ側でその検知時間に差を設定してあります。)
国産車の場合は、リッチ側・リーン側どちらの場合も、システム全体がセーフモードにはならなくて、
フィードバック制御のみ、一定位置で固定される・・・・しかも復帰すれば元に戻る!・・・だった様な・・・。
O2センサーのヒーターコントロールが装着されていない物は、こんな事?でセーフモードになっていたら、た〜いへん?

このEvolutionUでも、ヒーターなしのO2センサーです。

KEジェトロの場合、「田舎オヤジの思い込みの範囲」ですが、同じあたりの年式・国産各社の「単品の異常個所表示」と異なり
「各センサーの異常信号・不整合な信号を貯金する?」のでは?・・・なんて思っています。
・・・・・・一定金額に達すると・・・解約!・・なんて具合に・・・.(不良債権蓄積型??!)
セーフモードになる要因はこのあたりかも知れません。・・・実際はよく判らないのが現実!・・・黙
過去に・・・「整合性の不一致」なんて言い方も聞いた記憶が・・・記憶事態すら・・・いい加減ですが・・。


基本的な事なんですが・・・

こんな 「シーソーみたいなレバー!」 で、
10mm程度のストロークのプランジャーを押して・・・

プランジャー上下の圧力差を
電磁ダイヤフラム(ハイドロアクチュエーター)で調整。
この圧力差を空燃比のフィードバックに使う!

善く言えば・・・マニアック!
個人的意見は・・・・面倒・この上ない!!

機械的構造を電気仕掛けで制御して・・・
制御特性を全て合致!するように調整なんて・・・

エンジンや制御系各部の磨耗・劣化を見込んで調整なんて・・・

現実的じゃぁ〜ね〜ヨ!・・・実際。

更に・・・コレを田舎工場で完璧に!・・出来るわけがねぇ〜!





・・・と 「拒絶反応を示した頭脳深層部」 を無視?して、誤魔化しているであろう?「異常個所」を探索します!

偶然?4番の気筒にエアーの吸込みを発見!

外して見ると・・・

四角形の?Oリング発見!

ノズルホルダーの
Oリングを止める爪部分が
4番のみ折れ曲がっています。
(左は正常な物)

少し触れただけで
折れてしまいました。




Oリングがずれて先端付近で4角形に接触した痕跡・・・発見!

太古の車?なら4番の気筒のみ異常が発生して、
プラグの焼けの差や、アイドリング振動大!

・・・等で安易に発見できるのですが、
最近の車(苦笑)は、

アイドリングを一定域に保つバルブ(ISC)が付いていて、
4気筒とも小さな通路で繋がっています。

この程度のエアー吸込みでは解り難い!
ドイツ車はホースの結合部分が何故か?あいまいです。
この位置など簡単に抜けてしまいますが、
(前作業者の方がホースバンドで締め付けています。)

「勝手に増締付けバンド」?
で数箇所処理しました。


部品が間に合えばホース交換が!安全策です・・・。

爪が折れたノズルホルダーも、部品入荷が遅れる為、
ジュラコン製・テーパーカラー
を作りました!

(少し・・・強引?)

強引に?Oリングを保持して対応します。(入荷後交換 要!)

何故か?友達になれない?エアーフローセンサー
を外し、問題のポテンショメーターを外して

今後の為に?

迷わず?交換します!!

前回作業者の苦戦の跡が・・・

3,5mmの特殊ネジ3本・ネジ山損傷!

迷わず?ヘックスM4mmで再加工!

細かい話?なんですが、このネジの締め付け具合で、このセンサーの調整値がかなり変わります!(コワイ、コワ〜イ!)


この付近に取り付く為車上での微調整は・・・

マニホールドが近過ぎて・・・困難を極めます!


一般的な工具では締め付けは不可!!

センサープレートを僅かに開いてから、(全閉では出力しません。)割り出した基準抵抗値で仮組みして、
エンジン稼動中に、入力電圧から割り出した、かなり微小な、微妙な数値で設定しますが、コレがなんと神経質!

作業中に、水温が上がって電動ファンが回ると、当然の様に、オルタネーターの負荷を補う為に、
100rpmほど、回転が上昇しますが、この程度の変移で、無負荷基準値の40%も電圧が上がる!

更に・・・取り付けボルトを締め付けると、コレもかなりの変動あり!・・・コレじゃ〜単品販売はしねぇ〜ハズだ!

ハイドロアクチュエーターの電流値を診ながら・・・CO/HCの数値を睨んで、ISC電圧波形をチェック。
O2センサーのフィードバック電圧を監視しながら・・・エアーフローポテンショメーターの電圧値を設定します。


遠視で、腰痛・ボケた頭脳を酷使しても・・・簡単に出来るわけねぇ〜


・・・なんて言いながらも、4回の脱着で、基準値クリア〜!!(嬉泣!)・・・神仏のご加護か、4度目の正直か?





追加作業

ラジエーターの電動ファンが、いきなりHi側で回ります。

水温S/Wの低速側接点が不良の為、交換しました。

低速側が回らない場合、温度制御に勢いがついて?しまい、水温が高温になりHiが回ると、水温も下がるのですが、
停滞時などには瞬間的にヒート気味になります。(高速側はリレー回路あり。低速側はこのスイッチで直接駆動!)

急にHi側が回り始めると、オルタネーターの負荷変動も激しく、アイドリングの(一瞬ですが)ふらつきが大きめです。





その他お決まりの消耗品・他を交換後
試運転を繰り返し・・・

・・・オーナー引渡しです。
“僅かな自信”はあっても

「完璧に修理終了しています!」・・なんて

口が裂けても明言できません!



・・・しばらく・・・乗って様子を診て下さい。





数週間後・・・電話連絡がついて・・・・・・直っているヨ!

この一言が聞けると・・・

ある種の 職業的・欲求不満 
すっきり・・解消!・・・・できます!
異常個所の「不良債権蓄積」・・・

克服した???・・・かな?



何時もの?いい加減な“動物的嗅覚の作業”・・・辛くも、終了です!!




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