エンゼルフィッシュ飼育日誌
私が飼育しているエンゼルフィッシュの産卵から巣立ちまでの飼育記録です。
これから、熱帯魚を始めてみようかと思われている人に少しでも参考にとUPすることにいたしました。
右の写真は、まさに塩ビパイプにペアが産卵している写真です。
1.ペアをつくる
エンゼルフィッシュは、一度ペアを作ると相手が居なくならない限り一生その相手を変えることはありません。(^.^)
ペアを作るためには、幼魚(100円玉程度)のエンゼルフィッシュを4〜5匹購入します。
(60cm程度の水槽で飼育します。)
幼魚の時には雄雌の区別がつきにくいために4〜5匹を購入すれば少なくともその中から1ペアは確保できると想定します。
そのうちに雄が自分のテリトリーを確保するために他魚を追い払う様な行動をとるようになります。
やがて、一番強い雄が自分のテリトリーを作りそこに自分の気に入った雌を誘うようになり自然とペアが形成されます。
ペアになるといつも一緒に遊泳したり、捕食したりしてなかなか微笑ましいものです。(^.^)
ペアの写真
2.産卵をさせる
ペアになったエンゼルフィッシュだけを残し他の魚は、別の水槽に移動させます。
次に産卵させるための場所を作ってやりましょう。私の場合は、直径3cmの塩ビパイプを水槽内にたてておきました。
そのほかに、葉の表面積が大きいアマゾンソードプラント(水草)を植えておきました。
産卵場所の設置は、水槽内のあまり水流の当たらない所にすることです。
(水流が強すぎると放精時に精子が流され受精率が極端に悪くなります。)
ペアは、そのなかから最も安全で産卵しやすい場所を自分たちで探し一生懸命に産卵したい場所を口で掃除します。
産卵場所がきれいに掃除できたらまず雌が下から上に向けて卵を産みつけていきます。
その後を雄が産みつけられた卵に放精し受精させていきます。産まれた卵の数は、一度に500〜700個だと思います。
(詳しく数えてないのでおおよそです)
その後、産み付けた卵にペアが交代で胸ビレを使い新鮮を水を送ってやります。人が水槽に近づくとペアで水槽内部から威嚇して卵を守る行動を見せます。
その姿は本当に自分の子供を慈しんで元気に孵化して欲しいと願っているように見えます。
ペアになったがなかなか産卵行動が見られない場合は、水槽の水をいつもより大目に換えてやることにより産卵への引き金になる場合があります。私の場合は、この方法でたいてい成功しています。
ハッキリとは分かりませんが水質をやや中性に戻してやることにより産卵行動を起こすのだと思います。
(参考;産卵時の水質はPH6.5〜7.0、水温27度です。)
産卵させるために必要なことは、まず健康なペアを確保することが前提ですが
@ 安心して産卵できる場所
A 安定した水質
B 安心して育てられる静かな環境(あまり水槽を覗かないこと)が大切です。
産みつけられた卵の写真
3.孵化をさせる
産卵から孵化までにおよそ3日かかりますがこの期間に親が食卵するケースが多くあります。
(産卵時の水温により多少違います。)
その主な原因は
@ ペアが若く経験不足
A 水質の悪化
B 環境の悪化( 安全に育てられないと親が判断した時)だと考えられます。
確実に育てられないと親が判断した場合には自分の栄養補給のために食卵するようです。
産みつけられた卵で、受精卵は透明に透き通っていますが未受精卵は白濁し腐食してきます。
腐食した未受精卵をそのままにしておくと受精卵も腐食の巻き添えになるので親が食べてしまいます。
産卵から2日目から卵がやや黒くなってきます。その間にもペアが交代に新鮮な水を送り続けます。
3日目にはハッキリと孵化する準備が始まっていることが分かるほど卵の中心に頭(体)を確認することができます。
やがて孵化が始まります。孵化した稚魚が小刻みにシッポを振って産卵場所で動いているのが確認できます。
孵化直後の写真
4.稚魚を育てる
孵化した稚魚たちは、当分は遊泳することはありません。親がかいがいしく子供の面倒をみます。
孵化した稚魚達をいつまでも同じ場所にとどめず、親が稚魚を口にくわえてより安全な場所に移動させます。
(初めてこの光景を目にした人は「アッ 親が食べた」と思います。)
孵化した稚魚達は、当分の間餌は食べませんので餌与する必要はありません。
稚魚達は、自分のお腹に抱えた栄養(ヨークサック)で成長を続けます。
孵化しておよそ3日目ころからヨチヨチと遊泳するようになります。ここで親の役目は終わり飼い主の出番です。
親は他の水槽に移動させます。ここからが餌与のために飼い主の忙しい毎日が続くことになります。
この時期にシッカリと高蛋白質で新鮮な餌を与えることにより丈夫な魚に育てることができます。
餌は、ブラインリュリンプを与えます。
”ブラインシュリンプ”ってなに?
孵化させたブラインシュリンプを幼魚のお腹がパンパンになるほどしっかり餌与します。
一日に数回(私の場合は、人間のサイクルに合わせたために朝夕の2回でした)できれば最低でも「朝昼夕」の3回餌与できればその分早く成長し市販の餌に切り替えることができます。
あまりにも一度に沢山の餌を与えると食べ残しが多くなり水質の悪化につながりますので食べ残しがでない程度に餌与することが大切です。
稚魚の写真
5.幼魚を育てる
稚魚達は、ブラインシュリンプを食べ日に日に大きく成長します。孵化から10日もすると菱形のエンゼルフィッシュの形態が判別できるようになります。
この頃から、ブラインシュリンプから市販の餌に切り替える準備をします。市販されている稚魚用の餌(粒子の細かいもの)も与えるようにします。
しかし、当初はブラインシュリンプだけを先を競って食べますが次第に市販餌を食べるようになります。
人工餌とうまく切り替えるには、ブラインシュリンプと人工餌の割合を少しづつ人工餌を多くすることです。
やがて、1cm程度まで大きくなると冷凍赤虫も餌与してやると一段と成長が早くなります。
写真程度の大きさまで成長すればもう一般の飼育方法でOKです。
幼魚の写真
戻 る