静電気の対策

冬、ME機器を駆動する時に無視できないのが静電気です。

静電気は「電荷の空間的移動がわずかであって、それによる磁界の効果が電界の効果に比べて無視できるような電気」と定義されています。

静電気はヒトのちょっとした動作や絶縁物の摩擦により簡単に発生します。

特に、冬期は夏期と異なり、空気が乾燥しているため、発生した静電気の電荷が空気中の水蒸気などの導電物に拡散しないので、いつまでも溜まったままになってしまいます。物体あるいはヒトの身体に蓄積された電荷が、衝撃的な電流として人体を通るときに、バチ音という音と共に、静電気ショック(静電気による電撃)が発生します。

 

 

【静電気の電圧】

数千V

【静電気の起きやすい環境】

・湿度20%以下

・気温25度以下

 

例えば、手など身体の一部が車体に触れたとき、身体に蓄積された静電気の電荷が放電し、静電気ショックが起こります。しかし、この静電気ショックは瞬間的(一般に20万分の1秒)に起こるため身体に害はありません

 

 ※ ヒトは3kV以上の帯電レベルになると、自動車に触る等で放電を感じます。

 

人体帯電電位(kV)
ヒトの電撃の程度
1.0

  全く感じない

3.0

  チクリとした感じ

5.0

  掌ないしは腕までしびれた感じ

7.0

  掌に強い痛みとしびれ

10.0

  手全体に痛みと電流が流れた感じ

12.0

  手全体が強打された感じ

 

この様な静電気ですが、被験者(または患者)の身体に静電気が蓄積したままでは、ME機器を使って生体電気情報(脳波や心電図、筋電図、他)を得ることが難しい場合も少なくありません。また、記録者(使用者)の身体に静電気が蓄積したままでは、ME機器に放電してしまいME機器の故障の原因になる場合もあります。

 

 
【静電破壊】

ICは絶縁性の高い酸化シリコンなどの薄い膜に覆われていています。静電気の放電によって、ICに一時的に高い電圧の電気が流れると、酸化シリコンの絶縁層が破られIC中の回路にきずがついてしまい、その結果、ICが動かなくなったり、機能が低下したりする現象です。

 

静電気対策(除電)のポイントは加湿器の設置機器の接地です。

 

記録室に加湿器を設置することによって、記録室内の空気の乾燥を防ぎ、また、水蒸気などの導電物を増やし身体に溜まった静電気を拡散させればいいのです。

また、ME機器のアースは漏れ電流による感電防止だけでなく、静電気放電による火災・爆発事故などを防止する役割も果たしています。この意味からもアースは必ず設置しましょう。

 

※ 導体中の静電気はアース接続で簡単に除電できますが、絶縁体中の静電気までは取り除くことができません。

 

ちなみに、市販されている静電気対策用品には、導電性フロアーマット 、導電性リストバンド、導電性シューズおよび手袋、静電気除去キーホルダー、帯電防止用ウェットペーパー、静電気防止スプレー、他などがあり、ME機器の使用に際して時に有効な場合もあります。