魁、道

シャーロックホームズの冒険 グラナダTV NHK版批評(レビュー)

最終更新日: 2023 年 10 月 16 日 地図を更新しました。

2021年8月頃~2022/6/1まで「NHK BSプレミアム」で再放送され、1995年以前の放送ではカットされたシーンでは別の声優に変わって多少違和感はありましたが、全シーンが見られるメリットがありました。
また、「四人の署名」など長編ものもすべて放送されましたが、放送順が「2014年の再放送時」とは異なっていました。

秀逸なストーリー、リアル過ぎる撮影セットの良さはもちろん、懐かしい声優さんの声が聞けたのも良かったです。また、再放送を最後まで見て「ホームズはハドソン夫人にかなり迷惑をかけていた」ことに改めて気づきました。

私の中で「ホームズ」といえばこのフラナダTV版とアニメ版で充分です。

ちなみにアニメ版は「車がジャンプで崖を超える」など現実離れの面白さや、モリアーティ一味との対決が楽しめました。

吹き替え声優と役者さん一覧


公式サイト

このページのまえがき

テレビ版のwikipedia (イギリスのグラナダテレビ)

 ライフワーク(ライフホビー?)というと大げさですが、それぐらい私の中では存在の大きいテレビ版シャーロック・ホームズ。その他にもシャーロックや友人の河上氏のご好意で宮崎駿監督のアニメ版も全話見せてもらいました。

 一方、私の中でのホームズは「ジェレミー・ブレット氏」であり、声は露口茂さんの印象が強いのです。ブレットさんは亡くなってはいますが、映像でその細かいしぐさやニヤリとする表情を見るたびに ホームズという人物像をかなり研究なさっているように思えます。 

 ちなみにこれは[PR]NHKテレビ版シャーロック・ホームズの冒険の解説本です(\2,600、管理人所有)
解説本の表紙
その解説本の中から一枚
解説本に掲載されている写真で左からエドワード・ハードウィック(ワトソン役) ジューン・ウィンダム・デービズ(プロデューサー) ジェレミー・ブレット
左から
エドワード・ハードウィック (ワトソン役)
ジューン・ウィンダム・デービズ (プロデューサー)
ジェレミー・ブレット

 287ページとボリュームもあると同時に、このTV版以外で映像化されたホームズや、原作についても触れられているので、「ホームズ」という物語の解説本と言ってもいい内容だと思います。もちろん、TV版の舞台裏のことも書かれているのですが、やはり、素晴らしい映像作りにはお金がかかるそうで、その苦労といいますか、ある舞台セットの写真をこの本で見た私は、現実すぎて少々残念に思うページもありました。

 でも、このドラマが好きな方、そして役者さん方のエピソードも知りたい方なら、この本はおそらく気に入ってもらえると思います。

シャーロック・ホームズにまつわる地名と地図

お願い:地図はあくまでもストーリーに登場した地名のおよその場所を表記しただけで、ストーリーの舞台となった場所を表記したわけではありません。
■地名と作品名
*リンク先はこのページ内の管理人のあらすじです

ノーフォーク: 踊る人形

サリー: まだらの紐ウィステリア荘

ハンプシャー: ソア橋のなぞ

サセックス: サセックスの吸血鬼

コーンウォール: 悪魔の足

ケント: もう一つの顔

ダートムーア: 銀星号事件

チェシャー:ボスコム渓谷の惨劇

ウエストエンド:空き家の怪事件。ただし、ウエストエンドとはブルームズベリーなどロンドンにある複数の地区の総称名

ショスクーム(Shoscombe):ショスコム荘(英字 のつづりから判断しただけで断定はできません)

ケント州ヨックスリー・オールド・プレース: 金縁の鼻眼鏡※情報元:[PR]リンク先amazonの上段

ベイカー街

地図の青い線。wikipediaよりロンドンのシティ・オブ・ウェストミンスター内のメリルボーン地区にある通りだそうです。起点・終点はおよそです。

オルドゲイト駅:ブルース・パーティントン設計書

ノーウッド:ノーウッドの建築業者。wikipediaによれば、正確にはサウス・ノーウッド

ブラックヒース:ノーウッドの建築業者で出てきます
目次へ


管理人的あらすじ

ボヘミアの醜聞 ・ 踊る人形

海軍条約事件 ・ 曲がった男

まだらの紐 ・ 青い紅玉

ぶなの木屋敷の怪 ・ ギリシャ語通訳

ノーウッドの建築業者

入院患者 ・ 赤髭連盟

最後の事件 ・ 空き家の怪事件

プライオリ・スクール ・ 第二の血痕

マスグレーブ家の儀式書 ・ 修道院屋敷

四人の署名 長編 ・ 犯人は二人 長編

六つのナポレオン ・ 銀星号事件

悪魔の足 ・ ウィステリア荘

ブルース・パーティントン設計書

レディー・フランシスの失踪

ボスコム渓谷の惨劇 ・ ソア橋のなぞ

ショスコム荘

※あらすじ内のリンク先はDVD版 です。および吹き替えゲストのwikipedia(敬称は略しています。また判明した場合のみ明記しています)
ボヘミアの醜聞
 ある日、ボヘミア国(今のチェコ)の伯爵と名乗る男がホームズを尋ねてきます。近々結婚を控えており、自分の過去を知る女性からのゆすりを避けたい為、その過去を語る品をホームズの手で取り戻して欲しい、という依頼。今回は、謎解きというよりホームズの頭脳プレーに近い内容に思えます。


 また、第1話なのでホームズという人物像も語られていますが、残念ながら、TV版ではほとんどカットされていました。そのシーンとは、薬に頼るホームズとそれを叱責するワトソンとのやり取りで、内容からすればNHKではカットされても仕方のない気もしますが、見ることで”ホームズのもう一つの顔”を知ることができると思います。

内藤武敏 三林 京子


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DISC1:ボヘミアの醜聞/踊る人形
DISC2:海軍条約事件/美しき自転車乗り
DISC3:まがった男/まだらの紐
DISC4:青い紅玉/ぶなの木屋敷の怪
踊る人形
 とある屋敷に奇妙な絵文字が次々と描かれ、それに怯える夫人を救いたい、という主人が依頼主です。

 今回は、絵文字つまりタイトルでもある「踊る人形」がなにを意味するものかを解読することがホームズの仕事です。


 結局、その絵文字は暗号だということがわかり、絵文字が描かれる→電報でホームズに届く→ホームズが解読する

という作業を繰り返すうちにホームズはある一定の法則に気づき、いつもは無表情なホームズが子供のように、まさに小躍りする一面もあります。


そしてホームズらはこの依頼のさらなる展開を迎えます。


*私は、この暗号の解説にもう少し時間を割いて欲しかったです。
舞台:ノーフォーク

根上 淳


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海軍条約事件
 ワトソンの友人フェルプスは、叔父が外交官、自分は書記官という職だった。

 そのフェルプスは、極秘の条約文書の写しを作成していた最中、ほんの少し目を離したすきに条約文書を盗まれてしまう。


 時刻は深夜にほど近く、しかも極秘裏に行なっていたにも関わらずフェルプスの部屋にあった条約だけが被害に遭う、という不思議な事件。

 事の重大さにおののき、病に倒れたフェルプスは、事件から数ヶ月してからワトソン、ホームズに依頼します。

樋浦 勉


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曲がった男(まがった男)
 軍隊の大佐が自宅で殺される。後頭部を鈍器で殴られたような跡。その夜、自宅にいたのは、大佐夫婦の言い争いを聞いた召使い達と大佐の前で倒れていた夫人だけ。


 軍という閉ざされた空間の出来事だからかマスコミに流れる情報が少なく、憶測の記事が飛び交う。そこで、インドに軍医として赴任したことのあるワトソンを伝ってホームズに届いた依頼だが、なかなか口を割らない依頼者である副司令官にいらだつホームズ。奇抜なタイトルと大佐の死の関連は?

佐野 浅夫


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まだらの紐
 人間関係の把握が重要となる回です。

 インドで医師をしていた男と再婚した母と幼き娘二人。その母は少将の未亡人で年収1000ポンド以上あったが、インドからの帰国後、列車の事故で亡くなる。しかし母は「娘たちが嫁ぐまで遺産は夫(義父)が預かること」という遺言を残していた。

 母の死を境にロンドンでの開業を諦め田舎に戻った親子だが、母の莫大な遺産があるため何不自由のない生活を過ごしていた。

 しかし義父は近所付き合いが悪いうえに流浪の民「ロマ」を庭に住まわせたりしていたため娘たちは気苦労が多く、召使いも長続きしない。

 さらに庭には義父が好むインドの動物が放し飼いのため、戸締まりを毎夜、厳重にして寝るという息苦しい日々。

 長い歳月が経ち、結婚が間近となった姉は妹の部屋を訪ね「夜中の口笛が気になる」という悩み、そして妹を一人残す不安を打ち明けていた。

 そんなある日、女性の叫び声が真夜中の屋敷に響く。

 部屋から出てきた姉は、足がふらつき意識はもうろう、そのまま帰らぬ人に。


 姉の不可解な死を知人の女性に相談した妹は、

彼女の手紙に記された
「ホームズさんのお住まいはベイカー街221B」
を尋ねる。

 しかし、その手紙を見たのは妹だけではなかった。

小松 方正


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青い紅玉
 高価な宝石ほど多くの幸せと多くの不幸を生む。

 時には二人の絆の証、時には命の代償、多くの「想い」を蓄積しながら幾多の人と時代を渡り歩く。

 青い紅玉またの名をブルーカーバンクル。

 今の主(あるじ)は伯爵夫人。ホテルの一室に住むという優雅な生活を送っている。

 そんな夫人がクリスマスの買い物をして帰宅すると、ブルーカーバンクルが盗まれていることに気づく。

 一方、ホームズのもとには「くたびれた帽子とガチョウ」を手にしたメッセンジャー(配達員)が朝早くやって来て、「どちらも拾い物で、どうしたら良いかと。先生なら”ささいな”問題でも興味をお持ちになると聞いていたもので」と珍しげに言うが、ささいな内容だったからかホームズの表情は曇ったまま。

 宝石と落とし物、どう繋がっていくのでしょうか。

松橋 登

※補足:紅玉は今でいうルビーです


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ぶなの木屋敷の怪
 久しく大事件が無いことへの”いらだち”か、ホームズとワトソンのもめ事から物語が始まります。

 そこへ身寄りがなく職を探している赤髪の若い女性が訪れ、「奇妙な出来事にどう対処したら良いか」という相談を二人に持ちかけます。

 それは女性専用の職業紹介所を訪れると、いつもの事務的な女性所長と、見かけぬ奇妙な男性に面会した時の事。

 部屋に入るなり男性にジロジロ見られ、こわばった表情をしていた彼女ですが、仕事は家庭教師、場所はウィンスターから8kmほどのぶなの木屋敷、年100ポンドという高額な給金と話が進むにつれ、和らいだ表情になる彼女。

 しかし「髪を短く切って欲しい、絶対だ」という男性の要求に対し、彼女は頑なに断ります。その後、一人悩んだ彼女はホームズに相談することに。

榊原 るみ


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ギリシャ語通訳
 ギリシャ語通訳の紳士が奇妙な体験をホームズ達に話はじめます。

 ある夜、急に通訳が必要だと男に言われ共に出発したが、窓に目隠しがされた馬車に揺られること2時間。通訳者は不審に思いながらも目的地で主らしき男と面会すると、彼は「ギリシャ人の紳士に2,3質問して欲しい」と。

 奥の部屋に通されると、猿ぐつわをされ不自由な状態にされたギリシャ人が連れて来られた。彼との会話は筆談だが周囲がギリシャ語がわからないことを利用し、依頼主の質問とは別に「どこから来たのか」といった質問を織り交ぜながら、彼の身を案じていた。

 しかし、ある女性の乱入で状況は一変。

 ところでこの回では、珍しくホームズが自分の身内のことを話すシーンがあります。

松村 達雄


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DISC1:ギリシャ語通訳/ノーウッドの建築業者
DISC2:入院患者/赤髪連盟
DISC3:最後の事件/空き家の怪事件
DISC4:プライオリ・スクール/第二の血痕

ノーウッドの建築業者
 ノーウッドに住む建築業者オールデーカ氏の材木置場から出火。消火活動のシーンから始まります。

 その翌日、ホームズの事務所のある建物の玄関先で、「ホームズさんに会いたい、一刻も早く」「いや、居ません」とハドソン夫人ともめているる若い男性。

 ほどなくして帰宅してきたホームズらに会えたらと思ったら、開口一番、「私は尾行されています。逮捕されます」と。

 ホームズは「逮捕?これは面白い。なぜ逮捕される?」と彼に問うと、「殺害容疑です」。


 当時の消防車や消防隊そして建築スタイルを見ることができ、それだけでも興味深い回です。


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入院患者
 青年医師がホームズを訪れ「とある紳士が『自分の部屋が勝手に侵入された、ホームズさんを』と私に言うのですが、何も盗られていないのです」という、ちょっと不思議な内容。


 実はその紳士、かなりの変人。ある日とつぜん、青年医師を訪れ「あなたの論文はすばらしい、それなのになぜ開業しないのか?金がいるのなら援助する、ただし、儲けは半分そして私との同居が条件だ」という提案。怪しいと思いつつも開業を夢見ていた医師は承諾。


 自分の医院の二階に紳士が住み、時折、紳士の容態も見る。だからこそ、この話は「入院患者」というタイトルがついたのでしょう。また、このタイトルをめぐって、ちょっとした出来事もあります。

 本題に戻り、興味を持ったホームズは医院を訪れ個性の強いその紳士に会います。依頼を受けてくれると確信していた紳士に、辺りを一通り見回したホームズはひとこと「あなたは私に嘘をついています。正直にすべてを話してくれるまで私はあなたの依頼を受けません」と言い放ち帰宅。

 ホームズの一言であっけにとられた紳士。さて、どうなるのでしょうか


ひとこと感想:舞台そのものは限られたエリアです。その中で起こる事件と謎解き。そして、この回の主役である、得体の知れない紳士の謎が少しずつ解明されていくにつれ、狭い舞台でありながらもストーリーの奥深さを感じます。

国広 富之


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赤髭連盟
 朝10時から14時までの仕事で週4ポンド(当ページでは現在の週8万円以上と判断)。しかも、仕事は百科事典の筆写という簡単さ。ただし条件は「赤髭の人」。

 この求人に多数の応募が殺到。その中で唯一選ばれたのは質屋の店主。

 ケチで内向的な性格で、最初は求人に乗り気でなかったが、最近雇ったバイトの男性に薦められ応募し合格。

 冒頭の質屋の語りからは想像もできないストーリー展開。常人を超えたホームズの推理が発揮されます。


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最後の事件
 後々の話でも回想シーンとして度々登場するので、なるべくなら見ておいた方が良い回です。


 ロケは原作どおり、スイスのライヘンバッハの滝というロケ地でモリアーティと「こんなにホームズって身軽だったのか?」と思える位、(バリツという柔術?で)激しく格闘します。

最後の事件 - グラナダテレビ版



(以降は、DVDパッケージより。あらすじではありません)

●犯罪界の黒幕モリアーティとの対決。

●ドイル氏はこの作品を持ってホームズ物語の筆を置くつもりだった

●ワトソンを演じたデビッド・バーク氏(声:長門裕之氏)が降板


南原 宏治


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空き家の怪事件
 ホームズがいなくなって約3年。ワトソンは開業とは別に監察医として働きながら、推理の力を鍛錬していた。

 そんなおり、ウエストエンドで起こった事件の検死を依頼され赴いたワトソン。

 その場でレストレード警部と再会し、ホームズの思い出話に花が咲くも、会えないという現実で浮かぬ顔のワトソン。

 事件関係者らとともに裁判所に呼ばれたワトソンは資料を用意し詳しくしゃべろうとしたところ、裁判官に「結果だけで良い」と言われ、傍聴人の失笑を買う。


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プライオリ・スクール
寄宿学校に通っていた少年が行方不明。その少年はホールダネス公爵の嫡男であるサルタイア卿。

今回のホームズやワトソンは昨今の刑事ドラマのように、知恵と足を使い、そして、いつも以上に多くの人が出演するシーンがあり、「シリアスというより、リアルな大捜索」でした。

ゲスト:アラン・ハワード(土屋嘉男


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第二の血痕
警察はダメ、情報が漏れるとヨーロッパが混乱、犯人は「内容の公表が目的」だろうと、色々と訳あり。

そして、ホームズが言い放った
「紛失した書簡の内容は?」
に激怒した、二人の依頼人の素性とは?

公表して得をするのはダレなのか?

19:30~23:30の間の空白の4時間に書簡を紛失した謎を解くために、ホームズやワトソンは新聞を読み漁(あさ)る回でした。


声のゲスト:
鈴木 瑞穂有川 博


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マスグレーブ家の儀式書
 ホームズはワトソンとともに友人宅へ。イギリスに多い古城を持っているような友人の家(?)が今回の舞台です。


 で、内容は殺人などではなく「宝探し」で、手がかりはこの家に代々伝わる「儀式書」。しかし、この宝探しの謎を解いたのはホームズだけではなかった。。。


 「宝探し」といえばロールプレイングゲームではよく出てくる仕掛けのひとつですが、さすがにホームズの時代の宝探しは古風な仕掛けや小道具が出てきて私には新鮮でした。


 単なる言葉の羅列だった儀式書から宝のありかを見出すホームズ達ですが、毎度のごとく雑用はワトソンに任せっきり。そのくせ自分は先陣をきるというスタイルがこの話ではとくに目立ち、私にはこっけいに見えました。

ロケ地:バッダースリー・クリントン



磯部 勉


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DISC1:マスグレーブ家の儀式書/修道院屋敷
DISC2:もう一つの顔/六つのナポレオン
DISC3:四人の署名
DISC4:銀星号事件/悪魔の足

修道院屋敷
 物語は殺人現場から始まります。

 現場に到着したホプキンス刑事は、事件の解明にはホームズの力が必要と判断。早速、ホームズに手紙を出しました。それを読んだホームズは夜が明けない頃にも関わらず、「ゲームが始まった」とまだ夢の中だったワトソンを無理やり起こします。


 そして、汽車の中でなぜホームズが急いでいるのか、ワトソンはその理由に気づきます。なぜなら、ホプキンス刑事が関わる事件はいつも難解でホームズにとっては大いに興奮できるからだと。


 実はテレビ版ではここまでがばっさりとカットされていて、事件現場である修道院に入る頃から始まっていた模様です。

香野 百合子


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四人の署名 長編
 変わった男との出会い。その後に判明する、その男の兄の殺人事件。

 その犯人を追うため、ホームズにしては珍しい手段を使い、「探偵はホームズとワトソンだけでない」と思わせるような興味深いシーンや、今でいうカーチェイスのような犯人を追うシーンもあり、中々の見応えがあります。


 ただし後半が少々ダルイ(?)ので、仮に「長編ではなく通常の1.5倍位の時間」だったら、非常にテンポの良い内容だったように感じます。

 しかし相変わらず、ホームズの指揮官ぶりと小間使いされるワトソンの迷シーンもあって笑えます。

川合 伸旺


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犯人は二人 長編
 昔のネタで貴族たちにゆすり・たかりをして稼いでいる男が今回の敵。

 その男に近づくため、ホームズは自慢の変装をして男の屋敷のメイドに近づきます。

 この回は謎解きではない代わりに、非常にハラハラさせられる内容で、長編ながらあっという間に最後まで見れる内容です。

 この回を見ると「稼ぐためとはいえ、法律のグレーゾーンを使い、人の弱みにつけこむと必ずしっぺ返しが起こる」ということを実感できます。

これぞまさしく倍返し

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六つのナポレオン 
 今回の見どころを1つだけ挙げるならばレストレード警部がホームズを賞賛するシーンだと思います。

 自分の推理をホームズに否定され本来なら不愉快なはずの警部。


 その警部の賛辞に、顔を紅潮させ、込み上げてくる嬉しさをぐっと抑え、その姿を警部に見せたくないためか、この後も仕事があるかのように装い警部を帰路につかせます。

 そして、いつもの窓際に立ち、いつものヴァイオリンを弾き始める。


 推測ですが、ホームズはこれまで「他人に感謝されることはあっても、認められることは少なかった」のかもしれません。

 単に「解決してくれてありがとう」という聞き慣れた言葉よりも警部の「署員全員があなたに握手を求めるでしょう」という最大の賛辞で、探偵業が警察と同じあるいはそれ以上の水準と認められた瞬間を手にすることができたという満足感を一連の行動そして「(重みのある)ありがとう」という一言で表現したように思えます。


 無論、このシーンは演出家の腕もさることながら、ジェレミーブレッドの表情の細かな動きを見るだけで彼の演技力の高さが感じられる、あくまでも個人的にですが、そう思います。

川辺 久造


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銀星号事件 
 ダートムーアにある厩舎(きゅうしゃ)から競走馬「銀星号」がいなくなったという珍事。

 レースを間近に控え馬主である大佐はホームズに催促の電報を出し、意気揚々と乗り込んできたホームズとワトソンに会うなり、開口一番、「アマチュア(*)は嫌いなんでね」と皮肉めいたことを言うひとクセある老紳士。(*警察ではない、という意味だと思われます)


 「現場検証と聞き込みが基本である」ことがわかるとともに、事件の謎が解き明かされるにつれて大佐の心境が微妙に変化していくところが今回の見所かもしれません。

田中 明夫


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悪魔の足
 医師に休養を取るように言われたホームズはワトソンとともにコーンウォール州の別荘のコテージで過ごすことに。そこは海岸線の断崖絶壁のある地で、人家といえばだいたいのものが揃う小さい村と1マイル先のお隣と静養にはうってつけの場所。

 ホームズは日々、古代の墓が点在するコーンウォールの中を歩きまわり、遺跡のもつ神秘性と死を意識しながら静養していた。


 ある朝、ホームズの来訪を知った牧師が男性とともにホームズの別荘を訪ねます。風光明媚な地に似つかわしくない、おぞましい出来事を語るために。


 現代のサスペンスドラマのような展開であっという間に時間が過ぎました。印象的なのはホームズの「僕は愛したことがない」というセリフと悲惨な現場のシーンで、そのシーンについてですが、感受性の強い方・お子さんなどはトラウマになるかもしれません。


石田 太郎 堀 勝之祐

遺跡 Lanyon Quoit の参考写真)
コンウォールの古代遺跡 リリーのブログ様



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ウィステリア荘
 サリー州にあるウィステリア荘が舞台(NHK情報より)。依頼が少なくなり退屈だったホームズの所にチャリングクロス郵便局からの電報が届きます。


 今回は冒頭から複数の人物が登場し、人間関係がはっきりしないまま物語は進みます。そのため、やや難解な回ではありますが、地元の刑事役の声として名古屋章が登場することで、刑事vs探偵との知恵比べが始まるとももに、名古屋vs露口のセリフの掛け合いによりリラックスした気持ちで見ることができます。


 彼以外にも二宮さよ子小川真司、イッテQでお馴染みの立木文彦折笠愛こおろぎさとみなど俳優・声優でお馴染みの人がたくさん登場する回です。(声優さんには端役の方も含まれます)


 往年の俳優をご存じない方には、屋外のシーンも多いため「19世紀のイギリスの世界」を映像を通じて存分に味わえる回として楽しむと良いかもしれません。

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DISC1:ウィステリア荘/ブルース・パーティントン設計書
DISC2:バスカビル家の犬
DISC3:レディー・フランシスの失跡/ボスコム渓谷の惨劇


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ブルース・パーティントン設計書
 地下鉄の変死体、国家機密という言葉から始まり、ホームズの兄マイクロフトが登場。

 ホームズは兄の指図を受けながらあちらこちらに聞き込みに精を出します。


 今回は地下鉄がポイントで、オルドゲイト駅(今のアルドゲイト駅)、ウィンブルドン線(支線)、リッチモンド線、グロスター駅とロンドンの地下鉄に詳しい人ならさらに楽しめますが、詳しくなくても「なぜ変死体が線路脇にあったのか?」だけに着目すれば良いと思います。


声優ゲスト
久米明小林勝彦金内吉男土井美加池田秀一


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レディー・フランシスの失踪
 独身を謳歌している女性が保養地で行方不明になるというお話で、偶然、居合わせたワトソンからの手紙を基にホームズが推理するという、珍しい構図。これ以上を書くとネタばらしになるので、この位で。ただ後半で1ソブリン金貨という単語が出てきました。


声優ゲスト
駒塚由衣津嘉山正種


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ボスコム渓谷の惨劇
 チェシャー州の農場の経営者が沼の近くで死亡、その息子が裁判にかけられたという新聞記事を見たホームズは殺人事件と思い、休暇で川釣りを楽しむワトソンのもとを訪れます。

 ホームズは独自の目線で現場検証をし足跡と遺留物に着目することで警察とは異なる推論を立てます。

声優ゲスト
関 俊彦島本 須美金井 大大木 民夫田中 信夫青野 武


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ソア橋のなぞ
 大金持ちの家に子供の家庭教師の女性が現れる。大人の三角関係が事の始まりだが、人間関係は単純。

 ホームズのオフィスで、その傲慢な主人がホームズと初対面となるが、すんなりと本題には入らない。

 今回はホームズの交渉術がかい間見れます。そして、誰もが知るホームズのこだわり
「金も名声も欲しいのではなく真実が欲しいのです」


声優ゲスト
瑳川哲朗二木てるみ橋本功此島愛子


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DISC1:ソア橋のなぞ/ショスコム荘
DISC2:高名の依頼人/這う人
DISC3:サセックスの吸血鬼
DISC4:犯人は二人

ショスコム荘
 ショスコム荘とその周辺が舞台。

 ある馬主とその姉が事件の中心。ショスコム荘と言われている屋敷の持ち主は姉ながら、数ある名馬の馬主は弟という複雑な関係。

 ただ、姉と弟の関係はとても良好。

 しかし、弟は競走馬を飼育しているため、借金だらけで、周囲からは危険な男と呼ばれていた。

 事件はその屋敷に借金取り(大口の債権者)が訪れたことが発端となり、不可解な出来事が起きるようになります。それを不審に思った馬の調教師がホームズに依頼します。

 この回は登場人物は少ないものの、上下の人間関係や名前が複雑なため、冒頭の依頼のシーンをじっくり把握されることをオススメします。

声優ゲスト
ささきいさお天田俊明藤波京子佐々木優子田村錦人


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ブルーレイ版


 実は2012年12月に[PR]シャーロック・ホームズの冒険 全巻ブルーレイBOX [Blu-ray] が発売されていました。
(メーカーであるハピネットの公式サイトのページ

 

貨幣価値


 ホームズを見ていると気になるのが「1ポンドの貨幣価値」。

 ネットで検索すると、賢明なシャーロキアンの方が解説されていましたのでご紹介します。

 ホームズの時代の貨幣価値

 そのサイトの方も含め、ネット上で言われている1ポンドの平均的な額(*)は現在の日本円でおよそ2万~24000円だそうです。

 ですので「月に4ポンド支払う契約だ」というセリフなら「月に約8万~9.6万円の契約」といった感覚だろうと思います。

 *ただ諸説が多いのでどれが正解の貨幣価値なのか定かではありません。追求したい方はネット上でさらにお調べ下さい

 *かつてのイギリス・ポンドは「1ポンド=20シリング=240ペンス(wikipedia)」だったそうですが、ホームズ内では定かではありません。



●距離系 *時代によって違いがあります。

1マイル

 1609.344m≒1.6km

1ヤード

 0.9144 m≒91cm

1フィート

 1/3ヤード≒30cm

ホームズのDVD版についてのメモ書き


 日本のTV版(NHK版)は「グラナダTVで制作放送されたもの」が5分ほどカットされています。

 なお、現在市場に出回っているDVDには日本語版と字幕付の完全版の両方が収録され、一巻当たりニ話(長編ものは一巻に一話)収録されています


 管理人所有の[PR]シャーロック・ホームズの冒険 DVD-BOX 1 について。 このBOX1には第1~12巻までの23話収録されています。(下表)
 
1 ボヘミアの醜聞, 踊る人形 7 最後の事件, 空き家の怪事件
2 海軍条約事件, 美しき自転車乗り 8 プライオリ・スクール. 第二の血痕
3 まがった男, まだらの紐 9 マスグレーブ家の儀式書, 修道院屋敷
4 青い紅玉, ぶなの木屋敷の怪 10 もう一つの顔, 六つのナポレオン
5 ギリシャ語通訳, ノーウッドの建築業者 11 四人の署名
6 入院患者, 赤髭連盟 12 銀星号事件, 悪魔の足

DVD媒体情報:
   カラー(1984年),モノラル,MPEG2,片面2層,ドルビーデジタル(c),リージョンコード2(NTSC)
   画面比率4:3,日本語字幕,二ヶ国語(英語/日本語),DVDビデオ(TM)、JAN:4947127515047

1985年頃にNHKの放送でカットされていた部分はDVDでは英語音声+日本語字幕です(所有のパッケージより)

画質は放送された時代がひと昔前なのでそれなりのものです

DVDならミニセット版(1セットに5~8話収録)がお買い得です

重要 ソフトシェル版が2016年12月に発売されています。各商品については、あらすじの回毎のリンク先をご覧下さい。


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  メーカー:ハピネットピクチャーズ

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★おまけ 私は所有していませんが、ホームズのTVサウンドトラック集(CD)があるそうです
シャーロック・ホームズのサントラCDのジャケットジャケットはUS版
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吹き替え声優と役者さん一覧

Wikipediaへのリンク 敬称略

レギュラー声優-俳優
露口茂 ジェレミー・ブレッド

長門裕之 前期ワトスン役デビッド・バーグ

福田豊土 後期ワトスン役エドワード・ハードウィック

南原宏治 モリアーティ教授

松村達雄久米明 ホームズの兄マイクロフト・ホームズ

川辺久造 レストレード警部

竹口安芸子 ハドスン夫人


初回のNHKではカットされていたシーンのみの声優

シャーロック・ホームズ役 諸角憲一

前期ワトソン役・デビッド・バーク 金尾哲夫

後期ワトソン役・エドワード・ハードウィック 園江 治

Q.なぜ声優が変わったのか?
A.推測ですが、露口氏は1994年後半から芸能界を引退され福田さんは1998年に逝去されています。長門さんの理由は不明です。

岡山県にゆかりのあるホームズ関係者の方々

延原謙さん:岡山県出身の翻訳家。Sir(サー)アーサー・コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ全訳』など、多くの翻訳作品などがあります wikipedia

額田やえ子さん:NHK版シャーロック・ホームズの冒険の翻訳をご担当。岡山県勝央町出身の劇作家、額田六福さんの娘さんです wikipedia 

NHK-BS 2014年版

録画したものを見ると、かつてNHKで放送された際にカットされた部分を別の声優がアテレコしているので、推測ですがブルーレイ版を放送していたように思います。


★当時、放送された話

 ボヘミアの醜聞、踊る人形、海軍条約事件、美しき自転車乗り、曲がった男、まだらの紐、青い紅玉、ぶなの木屋敷の怪、ギリシャ語通訳、ノーウッドの建築業者、入院患者、赤ひげ連盟、最後の事件、空き家の怪事件、プライオリスクール、第二の血痕、マスグレーブ家の儀式書、修道院屋敷、もう一つの顔、六つのナポレオン、銀星号事件、悪魔の足、ウィステリア荘、ブルース・パーティントン設計書、レディー・フランシスの失踪、ボスコム渓谷の惨劇、ソア橋のなぞ、ショスコム荘、高名の依頼人、這う人、三破風館、ひん死の探偵、赤い輪、ボール箱、金縁の鼻眼鏡、マザランの宝石


長編: バスカビル家の犬、四人の署名、犯人は二人、サセックスの吸血鬼、未婚の貴族


※BSプレミアムにて2013年10月6日から翌年10月19日まで放送(wikipediaより)。ただし、2014年2月まで放送ののち休止。同年5/24から放送が再開されました

※2021年からBSプレミアムで放送されている放送順は、「長尺もの(約2時間)」の関係からか上記とは異なります。



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