日本は、まだまだ後進国!と思ったこと
[お年寄りの乗り降りをじっと待つ、乗客と運転手]
花の街ビクトリアの市内バスは、ほとんど低床バスだが、乗っていたバスが、とあるバス停に停まったとたん、クシューンという音と共に、「おや?パンクかな?」と思うくらいバスの前部がさらに下がった。
すると、おじいちゃんがゆっくりゆっくりと乗ってきた。
お年寄りの後ろに続くお客さんは、おじいちゃんが乗って席に付くまでの、ゆっくりペースを、文句一つ言わず見守っている。
日本だったら「早ようせんかい!」との声が、運転手からあがるかも知れない。
[障害者へごく自然に肩を貸してあげられる国民性]
バンクーバーのバスセンタでの出来事。
フェリーを使ってビクトリア島へ向かうバスを待つ乗客の列の中に、
目の不自由な男性がおられた。
内心、「大丈夫かな?」と思ったが、思っただけ。
彼がバスに乗り込む折、6歳位の男の子を連れた男性が、
「どうぞ、私の肩へおつかまりください」
と申し出られたのだ。
この言葉がすごく自然で、日本人の私は、はっとさせられた。
[歩行者最優先の国]
レンタカーでの、小さなリゾート地ジャスパーの街での出来事。
慣れない右側通行の運転に「右小回り、左大回り」と唱えながら、信号のない交差点を曲がろうとした時、歩道に立っていた25歳位の女性歩行者が、我々の車に拳を振り上げて怒鳴っている。
「あの人、なんか怒っていたよ」
「そうか横断したかったんだ」
そうなんです。歩行者最優先が徹底しているのです。
日本では、ついつい偉そうになる車も、歩行者の前には小さな存在でしかない。
世界の中で、日本は、まだまだ後進国である。