簡易Dry式オーバーフロー濾過システム

写真は、私が自作した簡易Dry式オーバーフロー濾過システムです。
この水槽ではディスカスを飼育しており最低でも週に3回の定期的換水と魚の状態による随時の換水はサラリーマンの私には大きな問題です。
きるだけ長い期間安定した水質を維持することが最大の課題でした。
現在よりも濾過能率の高いオーバーフロー式濾過システムの導入をどうしても必要としていました。
しかし、最大のネックは現在の水槽がガラス製であり自分で加工ができないことでした。
そこで、本水槽を加工しなくてすむ「サイホンの原理」を利用した簡易式のオーバーフローシステムを導入するとともにドライタワを設置し強力に濾過を行うシステムの構築を自作で実施することとしました。
写真の左端に写っている( 少ししか写っていませんが )のが「 ドライタワー 」です。
中央が「 オーバーフロー用水槽 」で左右の水槽からオバーフローした水は塩ビパイプを通り「 下部濾過槽 」( 60cm×2 )に落水します。
濾過された水はエーハイム1250を使い左右の水槽に汲み上げています。
本システムは、合計で約400gの水量があり換水も週に1回( 日常のゴミ掃除は毎日 )ゆっくりとできるようになりました。
     システム全体のイメージ図
購入した部品は、次のとおりです。
 @ 塩ビパイプ ( 流量を考慮しφ25mm、余裕を持たせ少し太目を選定します。長さは必要長に )
 A 塩ビ継手 ( 本水槽と下部濾過槽の配置を考慮し必要数を購入しました )
 B 塩ビ接着剤 ( 塩ビパイプと継手の接着に使用する )
 C アクリル板 ( 下部濾過水槽の仕切り板及び底板に使用する )
 D シリコンパテ ( 下部濾過水槽とアクリル板の固定と水漏れ防止に使用する )
 E L型ビニル ( 下部濾過水槽とアクリル板の固定用補助枠に使用する )
 F コ゜ムパッキン ( 本水槽と塩ビパイプ継手に使用し漏水防止に使用する )
 G プラケース ( このケースにオーバーフローさせます。大きさは設置スペースに合ったもの )
 H プラケース ( ドライタワーに利用します。縦に長いタイプで大きさは設置スペースに合ったもの )
 I 角木材 ( オーバーフローケースの高さ調整に利用するとともに設置台を作成します )
また、加工及び制作に必要な工具は次のとおりです。
 @ 電気ドリル ( プラケースに穴を空けるために使用します )
 A 金きり鋸 ( 塩ビパイプ等を切断するために使用します )
 B アクリルカッター ( アクリル板を切断するために使用します )
 C コーキングガン ( シリコンパテを押し出す工具です )
 D スケール ( 加工のための採寸に使用します )
 E 油性マジックペン ( 水性やエンピツではプラスチックに記入しにくいため )
 F 鋸 ( 角木材の加工に使用します )
制作の手順は次のとおりです。
 @ 設計図の作成 ( 必要材料も書き出します )
   この設計の精度が重要で、作成後の善し悪しはこの段階で決まると言っても過言ではありません。
   ** ポイント **
    本水槽の大きさ・オーバーフローケースの大きさ・ドライタワーの大きさ・濾過能力を考えた濾過槽の大きさ・吸い上げポンプの能力(水量)・水量にあったオーバーフローパイプの太さ・落水パイプの配管位置・濾過槽の仕切り位置等を総合的に考慮し設計します。
 A オーバーフローケース設置台の作成
   本水槽とオーバーフローケースをサイホンパイプで水位が同位置となるように高さを揃えて設置する木製台を作ります。
   ** ポイント **
    本水槽とオーバーフローケースの上面の高さを揃えることが重要です。
 B オーバーフローケースの加工
   本水槽からサイホンパイプを通して入ってきた水をドライタワーにオーバーフローさせるためのパイプを取り付ける穴を開けます。
   まず、 開けた穴に塩ビのネジ式ソケットを水槽の底面に内外から挟み込んで取り付けます。
   水漏れを起こさないためにゴムパッキンを取り付けシッカリとねじ込んだ後にさらにシリコンパテで取り付けた部分全体をシーリングします。
   (シッカリ取り付けないと漏水します。)
   ** ポイント **
    塩ビのネジ式ソケットの外径を考慮し大きすぎない穴を開け漏水しないようにシッカリと取り付ける。
    穴を開ける場合、電気ドリルで強く押さえ込むとプラケースにヒビ割れが発生することがあります。
    オーバーフローパイプの長さは水槽全体の水位を決めることとなるので充分に検討してから切断します。
    (やや長めにしておきセット時に水位を見ながら切断する等の微調整を行います)
 C ドライタワーの加工
   ドライタワーにするプラケースの底に濾過槽に落水させる穴を開けます。(底一面にφ5mm程度を)
   ** ポイント **
    落水穴が大きすぎるとかたまって水が1個所に落ちるので小さ目の穴を沢山開けることが肝心です。
    穴を開ける場合、電気ドリルで強く押さえ込むとプラケースにヒビ割れが発生することがあります。
 D 濾過槽及び仕切板の加工と取り付け
   濾過槽の仕切り位置を設計図どおりに採寸しマジックで記入しますアクリル板(仕切板)とL型ビニルを採寸しアクリルカッターや金切鋸で寸法どおりにカットします。
   濾過槽の壁面に仕切板を直接取りつけることが困難なためまずL型ビニルを水槽壁面にシリコンパテで取り付けます。
   寸法どおりの位置にすべてL型ビニルを取り付けシリコンが硬くなるまでそのままにしておきます。
   少し力を加えて動かなくなれば大丈夫です。次に、L型ビニルとアクリル板をシリコンパテで固定します。
   ** ポイント **
    仕切槽の継ぎ目から漏水しないように充分に隅々までシリコンパテを詰め込むことが大切です。
    (少々見栄えが悪くても仕切槽同士で漏水しないことが肝心です)
 E セッティング
   シリコン樹脂の硬化を確認後、いよいよセッティングを始めます。
   本水槽・オバーフローケース・ドライタワー・濾過槽を定位置にセットし後は塩ビパイプで繋ぐだけです。
   継手から漏水しないように接着材でシッカリと接続します。いよいよ注水です。
   オーバーフローケースに注水しオーバーフローさせドライタワーを通して下部濾過槽にスムースに落水していることを確認します。
   (本水槽にはあらかじめ規定量の水を注水しておきます)
   次にサイホンパイプを設置します。サイホンパイプ内に水を充満させ(パイプ内に空気がないこと)両方の口を同径の塩ビキャップで蓋をします。
   これを本水槽とオーバーフローケースにそれぞれの口を水の中まで入れた後にキップをはずします。
   これで水槽同士が「サイホンの原理」でつながり水位が同じになります。揚水ポンプを設置し運転を開始します。
   本水槽からオーバーフローケースに流入しオーバーフローパイプへ吸い込まれてドライタワーを通し濾過槽に落水していることを確認します。
   (濾材とドライボールは、注水前に入れておきます)
   ** ポイント **
    オーバーフローケースに取り付けてオーバーフローさせるパイプの長さは、水位と水量を考慮し微調整をして下さい。
    どこからも漏水していないことを充分にチェックして下さい。
     < 旧式 > 簡易Dry式濾過システムの写真(正面)
     < 旧式 > 簡易Dry式濾過システムの写真(側面)
     < 旧式 > Dryタワーの写真
     < 現在 > 簡易Dry式濾過システムの写真(全体)
     < 現在 > 簡易Dry式濾過システムの写真(オーバーフロー部)
     < 現在 > Dryタワーの写真
この簡易Dry式オーバーフロー濾過システムにしてからは、ディスカスも大喜びです。

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