オーバーフロー式濾過システム
写真の90cm水槽は、私が自作したオーバーフロー式濾過システムです。
濾過能力の向上とメンテナンス稼働の省力を考えオーバーフロー式濾過システムを導入することとしました。
しかし、90cmで同程度の既製品を購入するとかなりの出費を覚悟しなければならず 「 おいそれ 」 とは安サラリーマンには購入できません。
そこで、ヒビ割れて利用していないガラス水槽(60*36*30)を修理して下部濾過槽に活用することとしシステム全体を自作することとしました。
本水槽は、加工しやすいアクリル製(90*45*45)を購入しました。
制作のイメージは考えていましたがとりあえず、簡単な設計図を作るとともに制作に必要な部品を書き出しました。
システム全体のイメージ図
購入した部品は、次のとおりです。
@ 塩ビパイプ (流量を考慮しφ25mm、余裕を持たせ少し太目を選定します。長さは必要長に)
A 塩ビ継手(本水槽と下部濾過槽の配置を考慮し必要数を購入しました)
B 塩ビ接着剤(塩ビパイプと継手の接着に使用する)
C アクリル板(下部濾過水槽の仕切り板及び底板に使用する)
D シリコンパテ(下部濾過水槽とアクリル板の固定と水漏れ防止に使用する)
E L型ビニル(下部濾過水槽とアクリル板の固定用補助枠に使用する)
F コ゜ムパッキン(本水槽と塩ビパイプ継手に使用し漏水防止に使用する)
また、加工及び制作に必要な工具は次のとおりです。
@ 電気ドリル(アクリル本水槽にオバーフロー用の穴を空けるために使用します)
A 金きり鋸(塩ビパイプ等を切断するために使用します)
B アクリルカッター(アクリル板を切断するために使用します)
C コーキングガン(シリコンパテを押し出す工具です)
D スケール(加工のための採寸に使用します)
E 油性マジックペン(水性やエンピツではプラスチックに記入しにくいため)
制作の手順は次のとおりです。
@ 設計図の作成(必要材料も書き出します)
この設計の精度が重要で、制作後の善し悪しはこの段階で決まると言っても過言ではありません。
** ポイント **
本水槽の大きさ・濾過能力を考えた濾過槽の大きさ・ポンプの能力(水量)・水量にあったオーバーフローパイプの太さ・落水パイプの配管位置・濾過槽の仕切り位置等を総合的に考慮し設計します。
A 本水槽の加工
本水槽から下部濾過槽へオーバーフローさせるためのパイプを取り付ける穴を開けます。
まず、 開けた穴に塩ビのネジ式ソケットを水槽の底面に内外から挟み込んで取り付けます。
水漏れを起こさないためにゴムパッキンを取り付けシッカリとねじ込んだ後にさらにシリコンパテで取り付けた部分全体をシーリングします。
(シッカリ取り付けないと漏水します。)
** ポイント **
塩ビのネジ式ソケットの外径を考慮し大きすぎない穴を開け漏水しないようにシッカリと取り付けます。
穴を開ける場合、電気ドリルで強く押さえ込むとアクリル水槽にヒビ割れが発生することがあります。
B 濾過槽の加工
濾過槽の仕切り位置を設計図どおりに採寸しマジックで記入します。
下部濾過槽のイメージ図
濾過槽の平面図
C 濾過槽仕切板の加工と取り付け
アクリル板(仕切板)とL型ビニルを採寸しアクリルカッターや金切鋸で寸法どおりにカットします。
濾過槽の壁面に仕切板を直接取りつけることが困難なため まずL型ビニルを水槽壁面にシリコンパテで取り付けます。
寸法どおりの位置にすべてL型ビニルを取り付けシリコンが硬くなるまでそのままにしてきます。
少し力を加えて動かなくなれば大丈夫です。(一晩でOKです)
次に、L型ビニルとアクリル板をシリコンパテで固定します。
** ポイント **
仕切槽の継ぎ目から漏水しないように充分に隅々までシリコンパテを詰め込むことが大切です。
(少々見栄えが悪くても仕切槽同士で漏水しないことが肝心です)
自作した濾過槽の写真
D セッティング
シリコン樹脂の硬化を確認後、いよいよセッティングを始めます。
本水槽と濾過槽を定位置にセットし後は塩ビパイプで繋ぐだけです。
継手から漏水しないように接着材でシッカリと接続します。
揚水ポンプを取り付けた後に本水槽に注水します。本水槽から濾過槽に確実にオーバーフローしていることを確認し濾過槽に規定水量まで注水します。
(当然濾材は、注水前に入れておきます)
揚水ポンプを駆動し本水槽に揚水された水量だけが濾過槽にオーバーフローしていれば完了です。
** ポイント **
本水槽に取り付けてオーバーフローさせるパイプの長さは、水位と水量を考慮し決定すること。
どこからも漏水していないことを充分にチェックして下さい。
このオーバーフロー式濾過システムにしてからは、大幅なメンテナンス稼働の省力が図られるとともに住人(魚達)も快適な生活を送っております。
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