精列


それ生の世の初めより
造化のみわざになるものは
終るときあらざるはなし

終るときあらざるはなし
聖賢とて免るることなし
はかなき命は憂うるもせんなし
さらばいざ竜に駕して天翔けり
崑崙の居にぞ想いを馳する

崑崙の居に想いを馳すれど
めざす地はあまりに遠く
あらためて蓬莱の山に心ひかるる

蓬莱の山に心ひかるるも
周公・孔子の聖いまはなく
会稽はかくて墳の丘

会稽はかくて墳の丘
人の世を心のどけく過ごすは誰ぞ
すぐれし人は憂えずや
されど年の暮るるをいかんせん
時は過ぎ時は来るよ ああ



『時は過ぎ時は来るよ ああ』というのが何ともいい。想い惑う気持ちをかっこつけずに素直に表している詩です。むりやり決着をつけたり否定したりせず、迷いをそのまま生け捕りにしているところが好き。心の揺れ動くさまがなんとも可愛い。やっぱり曹操の詩って、憂いながらもどこか広々として爽快なんだよね。