Q0377 歴史教育
小学校5年生の母親です。将来日本が中国に植民地化されるのではないかと大きな危機感を持っていて、子どもとともに靖国神社に参拝したり、子どもの先生の「教育勅語案」を一緒に音読したりして、世のため人のために国のために将来働いてほしいと常々伝えていますが、学校では歴史教育にしても、国を大切にする心は芽生えない気がします。大阪ではそういう「公民」の教科書も出ていないようです。親としたらどのような運動をしたらよいでしょうか?
A0377
学校の歴史教科書はあるけど、他の本を読めるようにしたらいいと思います。子ども用の本があまり出ていない。やっと大人用の本が出た。大人用の歴史の見直しが、早くは1990年代の半ばごろからやられ始めました。なんでかというと、アメリカが情報公開したからです。政府の重要な文書を、何十年かしたら情報公開するでしょ。1945年に戦争が終わって、それから50年くらいの文書を、40年目とかで情報公開しました。それで読めるようになりました。江藤淳などという人が、そういうのをもとに、いったい占領時代にどんなことがあったのか、ということを研究し始めました。それをもとにして、もう1回いろんな歴史を見直そうという機運になってきて、学者たちの間で、「ああ、そうだったんだ」と。われわれは騙されていたというか、歴史を隠している部分もあったし、はっきり嘘の部分もある。
どんな嘘か。南京虐殺事件というのは、たぶん存在しなかった。南京の歴史博物館に、「30万人の虐殺」と書いてあるけど、当時20万の南京市民を、どうやって30万人殺すのよ。それは無理やで。この前の東北の地震で、1万何千人か亡くなりまして、その遺体を収容するのもあれだけ大変だったのに、30万人もの遺体をいったいどうしたんでしょう。全然変なんですけど、東京裁判のときに、アメリカと中国とがたぶん相談をして、虐殺事件があったとした。そうしないと具合が悪い。なんでかというと、ドイツでユダヤ人の虐殺があって、日本人は虐殺してなかったということになると、日本人を悪人にできない。「どっかないやろか?」と言うと、中国が「うちいきましょか」と言って、最初出だしは4万人だった。4万人虐殺事件があったと、東京裁判で中国が言って、日本の当時の南京の将軍だった松井さんという大将が、東京裁判で被告になっていたけど、彼は「知らん。虐殺があったという報告を聞いてない」と言う。証言台で「いつ知りましたか?」と聞いたら、「あなた方の放送を聞いて知りました」。現場にいた将軍が知らないことが存在するわけがない。ごり押しで「あること」にしちゃった。それはそれであとみんな忘れたんですが、それから20年後、昭和40年台になって本多勝一さんという朝日新聞の記者が、中国へ行って、この人も怪しくて、中国政府からなんぼかもらっていたんじゃないかと思うんですが、南京市で聞き取りをやって、おじいさんおばあさんから、どんな残虐な事件があったか聞いて回って、それを本にして出しました。これがどれだけ浸透しているかわからない。相手が中国人でしょ。そしたら調子良くいくらでもしゃべるでしょう。それから、共産主義の社会で、上から「しゃべりなさい」という命令が来ていて、しゃべらなかったら自分の身辺が危なくなるから、たぶんそんなんでしゃべったんでしょう。あること、ないことを。それをまことしやかに書いたら、朝日新聞って権威があるじゃないですか。で、「朝日新聞が書いたんやな」ということになっちゃった。
例えば、沖縄の集団自決事件。曾野綾子さんが現地へ行って、きっちり調べられてわかったんだけれど、実際にはなかった。集団自決はあった。軍が集団自決を命令したというのはなかった。昔の当時の軍人さんに聞けば、昔の軍隊を知っていれば、それはなかったんだと思う。旧日本軍は、民間人とはできるだけ距離を取って暮らすようにしていた。お互いに迷惑をかけないように。特に戦争になったときに、民間人を巻き添えにしないように、現地の人たちに迷惑をかけないように、できるだけ遠いところに陣地を作って、弾が間違って民間人のほうへ落ちないように配慮していた。そこまでして、民間人を守ろうとやっている人が、いよいよダメになって、「あんた方死になさい」はないと思う。ただ、現地の人たちが熱に浮かされたように、「自決したい」と言って、そのときの大将さんが、「やめなさい」と言ってお説教したんだけれど、それでも結局、手榴弾なんかで死んだという事件なんだけど、なんで戦後にそんなに大きな問題になったかというと、米軍が「日本は悪かった」というのを沖縄でも作りたかったわけです。日本の場合は、昭和20年から27年までの7年間の占領だけど、沖縄は昭和47年までの長い期間ある。その間ずっと、沖縄の人たちに戦前の日本軍がどんなに残虐だったとか、沖縄の人が被害者だったかとかを洗脳し続けた。で、みんなすっかり信じちゃったという事件みたいです。ただ問題は、日本政府は、軍の命令だったら賠償金を出しましょうと言って、年金のような形で遺族に支給している。そうじゃなかったら、国が金を出す言われはないので、お金を出さないことになるので、お金が1枚絡んでいる。現地の人としては、さんざんお金をもらったし、できたら死ぬまでもらいたいから、軍が命令したことにしてもらわないと困るというような関係があって、そんなことになっている。
もう1つは従軍慰安婦事件。「従軍」と言うと、軍が雇っていた。従軍看護婦さんというのが昔いて、軍隊の看護婦さんで、亡くなってからみんな靖国神社に入っています。靖国神社には、従軍看護婦さんのお写真とか遺品とかが残っています。従軍慰安婦といって、軍が雇っていた売春婦、風俗ねえさん、そんなのいませんわ。当然、軍はお金を出していない。軍人さんはお金を出していましたけど。それから、強制的に連行したと言うけれど、常識的に考えて、強制的に連行できないです。韓国の村へ日本の兵隊さんが行って、そこのお嬢さんを無理やりさらって、無理やり売春をさせるというのは、まあ無理です。そんなことをしたら、大反乱が起こる。日本人より韓国人は、全然おとなしくないから、そんなことをしたら、ものすごい事件になるから、それはなかった。
それから、「女子挺身隊」というのがあって、うちの母親がむちゃくちゃムカついている。うちの母親は女子挺身隊だった。女子挺身隊というのは、旧制の女学校とか女子専門学校とかの良いところのお嬢さんが、工場へ行って働く。学校で勉強しているよりも、ゼロ戦作りましょうと言って、工場へ行って働くのを女子挺身隊と言ったんで、「そんな風俗ねえちゃんと一緒にされたら困る」と。無茶苦茶なんです、言っていることが。なんでそんな無茶苦茶言うかというと、これも朝日新聞が1枚噛んでいる。ある人物が、韓国の慰安婦さんについて嘘の本を書いた。強制的に連行されたとか、軍が強制的に引っ張っていったと書いた。それが売れた。そこへある勢力の人たちが乗りまして、韓国へ行って慰安婦さん募集をした。「被害者いませんか?」と。そしたら実際慰安婦さんをやっていた人が出てきた。慰安婦さんたちはまあ、かわいそうな人たちで、いわゆる「身売り」をしました。韓国人の売春業者がいて、「日本軍のところで売春しませんか?すごく実入りがいいですよ」と言って、親が一定のお金をもらって娘さんを売った。で、娘さんは日本軍のところで性行為をして、兵隊さんからお金をもらって、それを韓国のことですから、みんな親孝行で国へ仕送りをする。そうするとすごく儲かる。軍隊の近くで、基地でやっていて、妙な話をしますけど、何しろ売っているものが性行為ですから、兵隊さんは裸になります。そうすると危ない。突然敵が攻めてきて、あるいは売春婦さん自身が敵のスパイ(“くのいち”で)でね、いろいろやられたら困るから、一応外側へ日本の兵隊さんがいて、敵が来ないように守っている。中へは武器を持って入らない。売春業者と地域の軍隊とが契約をして、「うちの近くでやってちょうだい」と。そうしないと、兵隊さんはみんな若くて元気ですから、現地の女の子と仲良くなったら、具合が悪い。たとえ合意でも、仲良しになったら、軍の機密が漏れるかもしれない。「陸軍刑法」という旧軍の刑法がある。将校さんはみんなポケットに入れて持っていた。たとえ合意の上でも、敵地の女性とエッチをしたら強姦罪で、ひょっとしたら死刑です。刑罰が厳しいから、合意でもダメ。ましてや無理やりはダメ。「そんなのをしない代わりに、こういうところを作っておくから、そこへ行きなさい」と、「現地の女の子と仲良くなるのはやめなさい」と。だから日本軍の兵隊さんと中国人の女の子とのロマンスはない。されると困るから。なるほどもっともですね。完全に管理した。慰安婦はいたけど、これはまあ合意です。親は合意で娘を売ったし、お嬢さんはかわいそうだけど、働いて国へ仕送りをしたし、軍隊は直接そんなのを経営していないけど、近所でやってもらって、警備もするし、兵隊さんに「行ってちょうだい」と言った。
小野田さんというジャングルに残っていたおじさんがいる。あの人にインタビューした人がいる。「慰安婦どうですか?」「知ってますよ」。中国にいたときに基地の近くに慰安所があって、みんなよく行ってました」と。だいたい給料の1/3はおやつとかお酒とかに使って、1/3は慰安所で使って、1/3は親元へ仕送りと、しっかり使っていたみたい。テレビの「百人に聞きました」で、旧軍隊のおじいちゃんたちに「慰安所へ行きましたか?」と聞くと、たちまち98人になった。当時、日本には「売春防止法」はなかったし、売春行為そのものが合法だった。今と時代が違いますから。彼らは別に恥じてない。
そんなので、たくさんの嘘もあります。実際存在しなかったことを、教えていた。学校の教科書から、さいわい、だんだん消えていきました。従軍慰安婦はなくなりました。沖縄の集団自決は載っているのと載っていない教科書がある。集団自決が載っているか載っていないかで、沖縄ではだいたい教科書の採用が決まる。
南京事件は、横の「注」に載っている。「事件があったという話もある」という形で「注」に載っていて、本文に載っているのは減ってきている。
全体としては、90年代に歴史の再発掘をやるようになってから、教科書はまともに向かいつつはあります。まだなかなかですけど。その代わり今度は、革新系の人たちが何をやったかというと、江戸時代とか古代とかを悪く言う。江戸時代の農民はすごく悲惨な状況で、いつも百姓一揆していたとか、古代に天皇家がどうやって日本を武力征服して、無理やり日本人にしたかというようなストーリーを作る。そんなの歴史のどこにも書いてない。客観資料はないけど、ちょっとした書き方で、そんなふうにも読める。
今、底打ち期ですから、変なものも出回っているけど、一方でだんだん良い歴史書も出てくるようになりました。どれがというと、一般にまだわかりやすい歴史書は出てないけど、ここ数年で出てくるんじゃない。本屋さんはぼちぼち出す気になっています。専門書よりもちょっとやさしい、大学の教科書とか、ゼミの教科書とかで読むような詳しい歴史の本で、まだ学者の研究レベルじゃなくて、学生さんに教えるやつで良いのが出てきました。大学のゼミナールでは、ちゃんとした教育をし始めていて、それもだんだん広がっています。時間はかかりますけど。子ども向けのものも探せばあると思います。そんなのを何となく家に置いておきます。置いておくと、子どもがそのうち興味が出てきたら読みますから。歴史の問題が1つあると思います。(つづく)